2020年08月06日

オンラインづくしでスタートした社会人1年目
【後編】新入社員が語る新入社員研修と今後の働き方

沖野雄太さん(左)と菊本瑞葵さん(右)

沖野雄太さん(左)と菊本瑞葵さん(右)

社会全体で自粛生活が求められた2020年春。NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)に入社した新入社員は、入社式からその後の研修まで、すべて自宅から参加しました。6月にはそれぞれの配属先での業務がスタートしましたが、現在も出社する機会が少ない状況が続いています。NTT Com ヒューマンリソース部による新入社員研修の企画・準備・運営の模様は、前編でご紹介した通り。今回は、誰も経験したことがないオンラインづくしの社会人スタートについて、今年度入社した2人に話を聞きました。

完全リモートながら充実の新入社員研修

オンラインで取材に応じてくれたのは、NTT Com ビジネスソリューション本部 第四ビジネスソリューション部の沖野雄太さんと、NTTPCコミュニケーションズ サービスクリエーション本部(出向)の菊本瑞葵さんです。

情報通信学を学んだという菊本さんは、“人々にとってなくてはならないもの(通信インフラなど)”を手掛けているNTT Comに魅力を感じたそう。「入社前は、多くの人に大きな影響を与える業務に携わりたいと考えていましたが、今は少し気持ちが変わって、大勢に影響を与えるものに限らず、ただ、誰かのためになる仕事がしたいと思うようになりました」と話します。

沖野さんは、学生時代にスーパーマーケットでキウイフルーツの試食販売のアルバイトを経験。農家の方と話した際に、重労働が多く、非効率な作業も多い現場だということが伝わってきたと言います。「私の祖父母も農家なので、ICT技術を使って農業を効率化できればいいのにという思いから、情報通信産業に興味が湧きました。中でも、NTT Comでの面接時の(志望者の個性を引き出す)ムードが好きで、自分に合っている気がしました」

彼らのように、希望を胸に入社したNTT Comグループの新入社員は約300人。生活や立場が大きく変わる社会人1年目は、それでなくとも不安がつきもの。入社式や研修がオンラインに置き換わって不安や戸惑いが増したのではないかと聞いてみると、意外な答えが返ってきました。

入社式では社員による歓迎映像が放映された(映像のワンシーン)

入社式では社員による歓迎映像が放映された(映像のワンシーン)

「オンライン入社式は、先輩方が花道を作ってくださり、その下を中継用のカメラがくぐるような演出がなされていたりして、思った以上に臨場感がありうれしかったです」(沖野さん)

さらに、新入社員研修でも、2人は手ごたえを感じたようです。

「学生時代の友人と話していると、他社では研修のオンライン化が難航しているところもあるようで、自習が多いという人もいました。私たちは、グループワークやプレゼンテーションなど、双方向的での内容が多く、充実した研修を受けられたのでありがたかったです。(研修に用いられた)『teamTakt』では、同期の提出物や書き込みなどが一覧で見られるようになっていて、実際には会えない中でも、みんなの考えに触れることができました」(菊本さん)

沖野さんも、意外な副次効果があったと振り返ります。「Web会議システムでは、参加者全員の顔が映るのと同時に名前も表示されるので、顔と名前が覚えやすくてありがたかったです。私は、初対面や関係の浅い段階でもオンラインでのコミュニケーションが苦にならず、遠隔でも人との関係を作っていけると自信が持てました」

リモートにありがちな「何の時間だっけ?」問題を解消

一方、オンライン研修ならではの課題も。通信環境や端末にトラブルがあれば影響は大きいほか、グループワークなどの進め方も、集合研修とまったく同じというわけにはいきません。沖野さんは次のように語ります。

「誰かが話している間、他の人は発言ができないため、もどかしく感じることはありました。とはいえ、みんなが遠慮がちになってしまうと会話が止まってしまいます。時間を有意義に使うためにも、参加者は積極的に口を開くべきだと学びました」(沖野さん)

菊本さんも、グループワーク中に沈黙が続き、物事が進まないことがあったと振り返ります。「発言が途切れた時は、『今は何をする時間だっけ?』とか『次はこうしてみる?』と、どんどん進捗確認や提案をした方がいいと感じました。最初は発言のタイミングが他のメンバーと重なって気まずい思いもしましたが、研修が進むにつれて、自分なりに発言を増やしていくことができました」(菊本さん)

“なんとなく”では先へ進まないオンラインでのグループワークの泣きどころが、新入社員たちの積極性を引き出すことにつながったのかもしれません。

同期メンバーと(沖野さんご提供)

同期メンバーと(沖野さんご提供)

また、オンライン飲み会やLINEでのグループトークなどを通じ、“同期の絆”も深めることができたようです。中には、チームを組んで現在NTT Comで開催されているDigiComに参加中のメンバーもいるのだそう。入社2カ月を経て同期と対面した日のことを、沖野さんも菊本さんも楽しそうに振り返ってくれました。

「オンライン飲み会やLINEでたくさん話してきたのに、実際に顔を合わせた時は、『あ、はじめまして』『はじめまして……』とぎこちなくあいさつを交わしました。人生で一番、違和感のある『はじめまして』でした(笑)」(沖野さん)

「先日、初めて出社し、同期のみんなとようやく顔を合わせました。顔や名前はもちろん、声や話し方、それぞれの考え方など、ある程度はすでに知っていたので、オンラインでのやり取りと変わらずに話せました。『この人、意外と背が高いな』みたいな、ちょっとした驚きはありましたが(笑)」(菊本さん)

新入社員が考える理想の働き方は、出社とリモートのハイブリッド

新入社員は、5月の連休明けから社内の各組織で実施したオンライン研修で学びを深めた後、6月から配属先での業務を開始しています。第四ビジネスソリューション部の沖野さんは、お客さまとの打ち合わせに参加し議事録を作成、その折衝記録をシステムに投入する役割を担っているそうです。このほか、担当するドラッグストア業界の研究にも取り組んでいます。

「ドラッグストア業界について調べ、営業戦略というかアイデアを毎週チーム内で発表し、先輩方からフィードバックしていただいています。NTT Comグループが持つ技術をこんな課題解決に役立てられるのではないか、といったことですね。今後はお客さまに直接働きかけるアウトバウンド営業をさせていただけることになっていて、緊張もしますが、楽しみでもあります」(沖野さん)

菊本さんは、新しいソフトウエアを企画・開発するサービスクリエーション本部で、システムの試験やツールの改修といった業務を任されているとのこと。「今はまだ知識もスキルもないので、トレーナーさんに具体的に指示していただいたことを実行に移している感じです。分からないことばかりですが、それらのうち2割でも3割でも、自分でできること、得意なことに変えていきたいです」(菊本さん)

出社を前提とする業務経験をしていない新入社員にとって、望ましい働き方とはどのようなものなのでしょうか。尋ねてみると、やはりリモートワークを一部継続したいとの希望が聞かれました。

その理由について、菊本さんは、リモートワークに対して精神的な相性の良さを感じているからだと説明します。「初対面の人やトレーナーさんと話す際も、画面越しの方が緊張せず意見を述べたり質問をしたりと、自分が出せる気がします」

一方、週1~2回出社しているという沖野さんは、通勤や出社による体力的な負担が気になっていると話します。「2カ月のリモートワークに体が慣れてしまったため、週に2日出社するとかなり疲れを感じます。週5日出社するとなったらどうなるのか……(笑)。体調を維持しやすく、能率も上がるいいバランスで、出社とリモートワークを組み合わせられたらと思います」

新入社員の2人から先輩たちに聞いてみたいこと

2人には「初任給を何に使ったか」という定番の質問にも答えてもらいました。

沖野さんは「卒業旅行資金の親への返済と、夏物スーツやカバン、時計などの買い物」。ハイブランドの時計に興味はないため、便利そうなApple Watchであれば着けてみたいと、“新世代”らしく回答してくれました。

菊本さんは、「お仕事用にカバンを買いたいと思っているのですが、出社日数が少なく、どれぐらいのサイズのものを持つべきなのかがまだ分からなくて……」と、現在の状況を色濃く反映した悩みを打ち明けてくれました。

今後への抱負も一言ずついただきました。

沖野雄太さん

「今はとにかく知識を身に着ける期間。早くインプットからアウトプットにシフトして、アウトプットでチームに貢献できるようになりたいと思っています」(沖野さん)

菊本瑞葵さん

「まずは、できることを増やしたいです。目の前のことを一つ一つしっかりやって、その先に、夢や挑戦したいことを見つけられたらと思っています」(菊本さん)

最後に、先輩社員に聞いてみたいことはなにか2人に聞いてみると、「この時期(入社して数カ月の時期)に身に付けてよかった知識やスキル、参加してよかった社内外の活動」を挙げてくれました。

少しでも知識や経験を増やし業務に貢献したいとの願いを語ってくれた2人ですが、ほかの新入社員も同じような思いで業務に当たっていることでしょう。さまざまな経験や学びを経ていくことで、NTT Comグループのビジネスを成長させ、さらにはアフターコロナ時代をリードしていく存在になっていってほしいとの期待も高まっています。

前編ではNTT Com ヒューマンリソース部に話を伺いました。

社員メッセンジャー

NTTコミュニケーションズヒューマンリソース部

奥山 亜美

若手社員をはじめとする人材開発を担当しています。NTT Comが行っている、ニューノーマルな働き方の実現に向けた新たな人材開発の取り組みをご紹介します。

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