現在、多くの方がテレワークをしていることと思います。NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)でも、2月中旬からテレワークが推奨され、3月からは原則的に自宅で業務を行うことになりました。そんな中、NTT Comのシンボルチーム・シャイニングアークスでは、選手が中心となって毎日15時から20分間、コミュニケーションツール「Teams」やYouTubeを使い、リモートワーク中の皆さんに気分転換や運動不足解消を呼び掛ける「Arcs-Break(アークスが贈る健康体操)」という動画を配信しています。活動を開始した経緯と、選手たちがどのような思いでこの活動を続けているのかご紹介します。
今こそアスリートとしてのノウハウを提供したい!
シャイニングアークスが配信を開始したのは3月12日。新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐため、NTT Comが3月2日から原則テレワークとなった翌週のことです。全国の小・中・高校などが臨時休校になるなど、社会全体での危機感が急速に高まったタイミングでもあります。
選手たちは、もともと社内での健康施策にアスリートとしてのノウハウを提供するなど、社員の健康をサポートしてきました。しかし、世の中全体に不安が広がる中で、活動は控えた方がいいのではないかという考えもあったといいます。選手会長であり、さまざまな健康活動をリードしてきた目崎啓志選手(NTT Comマネジメント&セキュリティサービス部)は、配信がスタートしたきっかけについて振り返ります。
「3月10日にラグビー部全体でミーティングをしたときに、『行動制限がかかりやすい時期だからこそ、選手として今までやってきたことを止めるのではなく、できることをやっていこう』という意見がチーム内で挙がったんです。今は、業務用端末がセキュアドPC環境に変わり、社員の皆さんがTeamsを積極的に活用しています。そのツールを使えば、自宅でお仕事をされている皆さんに、体も心も明るく過ごしてもらえる機会を提供できると考えました」
選手が、ラジオ体操とストレッチ・筋トレをオンラインでナビゲート
選手たちはさっそく翌日から行動を開始します。目崎選手とともに健康活動に取り組んできた小泉将選手(NTT Com ヒューマンリソース部)、西橋勇人選手(NTT Com 第一ビジネスソリューション部)に加えて、若手からも、大芝優泰選手(NTT Com 第四ビジネスソリューション部)、喜連航平選手(NTTコム エンジニアリング)、石井勇輝選手(NTTレゾナント)、齊藤剣選手(NTT Com 法務監査部)が運動メニューづくりに参加。次の日には、考案した20分間ほどの内容をラグビー部内で披露し、全体ミーティングから3日後の3月12日から生配信することにしました。
第1回目は、ラジオ体操の後、背中のストレッチ、スクワット、腹筋という3種類のトレーニングを紹介。V字に立つ人と、椅子に座り体を動かす人がいる画面の構成は、ラジオ体操のテレビ番組を参考にしたといいます。
トップリーグの再開に備えてチーム練習を行っていた3月中は、生配信を毎日実施。日により5~15人ほどの選手が登場したほか、スタッフも2~3人が撮影と配信をサポートしました。チーム練習と時間が重なるときには、シャイニングアークス応援団の皆さんがカメラの前に立ち、応援旗を持ちながらラジオ体操をナビゲート(7日目)。その後のストレッチは、選手たちが事前に収録したものを放映したそうです。
生配信時の最高閲覧数は364人 4月からはYouTubeでも配信中
アスリートの視点でみてもラジオ体操は非常にちょうどいい運動だと小泉選手は話します。「ちゃんと体を動かせるし、必要な場所を伸ばすこともできます。久しぶりにやって、こんなにいいものなんだなとあらためて感じました。ラジオ体操を知らないロス・アイザック選手やマルコム・マークス選手、クリスチャン・リアリーファノ選手も、気軽に参加してくれました」
目崎選手によると、「ラグビーワールドカップ優勝国である南アフリカ代表のマークス選手がたどたどしくラジオ体操に挑戦する姿が面白い」とのこと。海外出身選手でもナビゲート役をできるよう、サポートの選手がカメラの後ろでラジオ体操をしてみせていたそうです。選手たちがそれぞれの役割で力を合わせ、今回の配信を実現しました。
生配信時の最高閲覧数は364人。リアルタイムに寄せられたコメントには、サポートスタッフが返信していたそうです。こうした反響の大きさは、活動を続ける選手たちの力にもなっています。
トップリーグの中止が決まりラグビーの練習はストップ。選手たちも在宅勤務となり、生配信はできなくなりましたが、4月1日からはYouTubeで録画映像を第1回目から配信し続けており、再生回数は多いもので3000回を超えました。
目崎選手と小泉選手は現在、自宅での業務のほか、チームスタッフから送られてくるトレーニングに取り組んだり、自宅周辺をジョギングしたりして過ごしているそう。今後の活動について次のように語ってくれました。
「自分の年齢のことを考えれば、1シーズン1シーズンが貴重です。トップリーグが中止となってしまったことは悲しいですが、気にしたところで仕方ありません。今後どういう風にしていけば、また昨年のワールドカップ後のようにラグビーを盛り上げていけるのか、考えていきたいです」(小泉選手)
「今シーズは、『Beyond The Arcs』というスローガンを新たに掲げ、史上最高位の4位以上を目指して取り組んでいたところでした。競争が激しい分、自分はなかなか出場機会がつかめず悔しい部分もありますが、マークス選手が加わり今までで一番チームのレベルが上がっていると感じていたので、トップリーグが中止となったことは残念です。しかし、悔いてもなにも変わらないので、今をいかに過ごすか。ラグビー選手として人から見られる立場ですので、ルールに準じ、皆さんにがんばっていきましょうということを伝えていきたいです」(目崎選手)
今後の選手たちの活動にも注目です。最後に、Arcs-Breakの配信を中心になって取り組んだ7人の選手から、動画でメッセージを寄せていただきました。テレワークでちょっと疲れた時のエールとして、ぜひご覧ください!
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