NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)グループには、社員から「OJ」という愛称で広く親しまれるWeb社内報「ONLINE JOURNAL」(以下、OJ)があります。性質上、社外への露出はほとんどなかったのですが、2021年度は、ウィズワークス社主催の「社内報アワード」でブロンズ賞、日本経済団体連合会(経団連)主催の「経団連推薦社内報」で奨励賞を受賞しました。これを機に、皆さんにもOJを知っていただきたいと思い、私たちの社内報の歩みからこれからの目指す姿まで、ご紹介したいと思います。
NTT Com創立から現在に至るまでの20年
OJが誕生したのは今から約20年前、NTT Com創業期までさかのぼります。1999年7月にNTT Comが創立した翌年1月に、OJは開設されました。当初のサイト運営の目的は、社員に対して自社の「コアバリュー」を浸透させること、さらに、社内ポータルとして、業務に役立つ社内外の情報を集約することでした。社員にとって、知りたい情報が分かりやすくまとまっているので、かゆい所に手が届くサイトとして重宝されていたと聞きます。
はじめは情報発信に重きを置いていましたが、新社長就任など組織体制や経営戦略、経営ビジョンの変更に伴ったリニューアルを繰り返し、現在は、社員参加型のインターナルコミュニケーションメディアとして運営しています。
多岐にわたる豊富なコンテンツとオープンなコミュニケーションの場を創造
OJでは、読者である社員が必要とする自社の情報を、タイムリーに分かりやすく丁寧に届けることを心掛けています。そのため、3つのミッションにひも付く3つのカテゴリーに情報を整理し発信しています。また、社員同士が組織の垣根を越えて社内コミュニケーションを図るための仕組みづくりにも力を入れています。
例えば、Webメディアの特性を生かして、テキストだけでなく、動画を活用したコンテンツを企画したり、「リアクションボタン」や「ディスカッションボード」と呼ばれる掲示板を記事ごとに設置し、記事に対する反響や意見交換の場を提供しています。
ディスカッションボードには、社員だけでなく、時には話者である経営幹部も参加することで、積極的なコミュニケーションが生まれています。会社として、社員に注目してほしいテーマについては特集ページを開設し、社内理解を促進します。
2021年度からは、「新ドコモグループ(ドコモビジネス)」「NTT Comが重点的に取り組んでいる分野(Smart World、ワークスタイル変革、先進サービスなど)」「NTTグループのグローバルでの事業展開」への社員の関心をより高めるために力を入れており、経営トップのメッセージ、オンライン社員対話会や勉強会の情報など、グループ会社と協力しながらコンテンツに工夫をこらしています。
年間140万PV 目指すはシームレスでポジティブなコミュニケーションメディアの確立
これからOJが目指すのは、社員参加型のシームレスでポジティブなコミュニケーションメディアとしての確立です。記事には、広報室(OJ編集局)による取材形式と、社員からの投稿形式があり、2021年度は367件を掲載。そのうち231件は投稿記事となっており、年間140万PVというアクセス数の高さを強みに、社員の情報発信の場となっています。双方向コミュニケーションについては、前述のディスカッションボードやリアクションボタンの設置などで、社員の声を拾える状況にはなってきましたが、まだトライアル&エラーを重ねている状況です。
トップメッセージから新たなビジネスにつながる案件事例、社内の各種施策、社員同士の交流まで、OJでは多彩な情報が共有されています。立場や組織を超えて意見を交わし、共感を表すことで、経営層と社員、社員と社員など、タテ方向とヨコ方向の社内コミュニケーションが活性化する場にしていきたいと考えています。さらに、これからは、社内のニュースやアクションを世の中へ発信し、会社を超えたナナメのコミュニケーションにも注力していきます。
OJから生まれた「Shines」~社員の言葉で積極的に社外へ発信~
私たち広報室が思い描く理想の社内報は、記事を通じて社員の皆さんが自社のことを正しく理解するのはもちろん、社内でのチームミーティングの話題としてもらうほか、家族や友人、就職活動中の学生やお客さまなど、社外に自社の良いところをどんどん発信するきっかけにしてもらうことです。こうした理想像に近づこうと開設したのが、もう一つの社内報「Shines」です。
社外向けサイトとして運用しており、そのコンセプトは「社員の、社員による、社員のためだけでない社内報。」。「OJは社内の情報が詰まった宝の山だよね」という一言が、立ち上げの大きなきっかけとなりました。
新たな技術やサービスの開発、お客さま課題を解決へと導くソリューションの提案、そしてワークスタイル変革やコミュニケーション活性化といった多彩な社内プロジェクトの実現――。会社が動くとき、中心となるのは他でもない社員です。NTT ComにはICTの最先端で活躍する約1万人のプロフェッショナルがおり、一人ひとりが豊かな社会の実現に向かってまい進しています。そのプロセスに込められた情熱やアイデア、紡がれるストーリーを、社内だけにとどめず広く世の中へ語っていくために、社員がメッセンジャーとなり、自分たちの言葉で思いを伝えています。
これまでの社内報は、どちらかというと受け身のイメージが強かったかと思います。NTT Comでは、OJという宝の山に眠っている貴重な情報を目利きし、Shinesを通じて社外に対しても積極的に情報を発信し続けていきたいと思います。