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調査データから読み解くニューノーマル時代に最適なテレワーク実践のヒント

調査データから読み解くニューノーマル時代に最適なテレワーク実践のヒント

多くの企業がテレワークを推進する中、環境整備や制度、 これまで見過ごされていたアナログな業務などさまざまな課題が顕在化しています。
そうした課題を解決し、ニューノーマルの時代に向けて、テレワークを従業員の生産性向上や満足度向上につなげるためのヒントをご紹介します。

目次

ニューノーマルな働き方を阻むテレワークの課題と課題解決のヒント

新型コロナウイルス感染症対策として日本政府が緊急事態宣言(2020年4月)を発出して以降、テレワークが一挙に普及しましたが、緊急事態宣言解除後は、テレワークを取りやめる企業も出はじめています。東京商工会議所が2022年6月13日に発表した「中小企業のテレワーク実施状況に関する調査」の調査結果によると、東京23区の中小企業のテレワーク実施率は29.7%で、前回調査(2022年2月)よりも8.1ポイント減少しています(図1)。

図1:東京23区の中小企業におけるテレワーク実施率の推移

東京23区の中小企業におけるテレワーク実施率の推移
出典:東京商工会議所「中小企業のテレワーク実施状況に関する調査」(2022年6月発表)

もっとも、コロナ以前の2019年時点では日本企業全体のテレワークの導入率は20.1%で、従業員数300人未満の企業では15.1%、300人以上でも32.1%でした(*1)。それと図1を見比べると、コロナ禍をきっかけにいかに多くの企業がテレワークに乗り出し、かつ、緊急事態宣言解除後もテレワークを推進し続けているかがわかります。その背景には、テレワークを実施した効果があり、東京商工会議所の調査では、「働き方改革の進展」(46.9%)「業務プロセスの見直し」(39.2%)といった声が上位に挙げられています。

実際、テレワークは、コロナ禍のような緊急事態に対応するためのBCP対策としても有効ですが、それだけではなく従業員の生産性向上やワークライフバランスの適正化、柔軟な働き方の実現、従業員満足度の向上など、さまざまなビジネスメリットがあります。

とはいえ、それらのメリットを享受するには制度と環境・ツールの整備が必要とされ、それには実践を通じて直面した課題を1つずつ解決していくというステップを踏まなければならない場合もあります。ゆえにテレワークをはじめたもののテレワークを取りやめてしまった企業のなかには、テレワークのための制度・環境・ツールが整わぬまま急遽実施したために、さまざまな課題に直面し、テレワークの持つメリットを享受できない(あるいは、メリットに気づけない)うちに継続を断念してしまったところが多いのではないでしょうか。

東京商工会議所が2022年6月に発表した調査によれば、テレワークを実施できない理由として、テレワークを一度も実施したことがない企業では、「テレワーク可能な業務がない」(65.5%)、「出勤している人数が少ないと事業運営できない」(24.6%)といった項目が挙げられています。一方、テレワークを実施したことがあるが現在は実施していない企業では、「社内コミュニケーション」(39.3%)、「業務の生産性低下」(38.3%)といった項目が上位となっています。

図2:テレワークを実施できない理由

画像:テレワークを実施できない理由
出典:東京商工会議所「中小企業のテレワーク実施状況に関する調査」(2022年6月発表)

これらの課題の多くは、テレワーク環境の整備やツールの活用によって改善・解決できる可能性が大きいといえます。そこで次節では、NTTコミュニケーションズが社内でのテレワーク実践で獲得したノウハウを交えながら、テレワークの課題を解決するヒントをご紹介していきます。

制度・ルールに見合う環境・ツールの充実を図る

NTTコミュニケーションズでは2020年2月末に「原則在宅勤務」体制を敷き、1万8,000名の社員のうち9,000名が在宅勤務に移行し、のちの緊急事態宣言発出(2020年4月)以降は全社員の80%にあたる1万4,000名がテレワークを実施するに至っています。全社的なテレワーク移行のスムーズな実施ができたのは、テレワーク環境をすでに構築していたことがカギとなったと考えています。

2017年には在宅勤務とフレックスタイム制を全社員に展開し、柔軟な働き方改革を実現。特別な理由がなくても在宅勤務が行えるようにし「制度・ルール」の充実を図りました。

ただし、それだけでテレワークが社内に定着したわけではありません。「制度・ルール」があっても、それに見合う「環境・ツール(=リモート業務環境)」が整っていなければ、テレワークの実施が従業員の働き方の改革・改善につながらないからです。

ゆえに、NTTコミュニケーションズでは、従業員の意見・要望を収集しながら、リモート業務環境の充実を段階的に推し進め、テレワークに最適なツール活用により社内全体への浸透を推進しました。

■NTTコミュニケーションズが実施したリモート業務環境整備の主な具体策
  • ・モバイルPCを「Secured-FAT PC」に切り替え
  • ・コミュニケーションツールを「Microsoft Teams」に一元化
  • ・ファイル共有に「box」を採用
  • ・スマートフォンを「Arcstar UCaaS」で内線化

中でも特に効果的だったのは、テレワーク端末をシンクライアントから強固なセキュリティで保護された「Secured-FAT PC」へ切り替えたことです。これにより、セキュリティ面での安全性を担保しながら、ネットワーク接続が不安定になる移動時でも業務が行えるようになり、従業員の生産性・利便性を向上させることができました。

また、チャットやWeb会議、コラボレーション、メールなどのコミュニケーション環境を「Microsoft Teams」に一元化したことも情報共有の最適化に有効でした。

それまで、コミュニケーションに使うツールがバラバラで、かつ、ツール間の情報連携が不足していたことから、情報が拡散してしまい情報のやりとりに齟齬(そご)が生じていたからです。その問題がMicrosoft Teamsの導入によって解決されたわけです。

Microsoft Teamsの導入後、社内での利用が順調に進展し、導入からほどなくして全社員が日常的に使うようになりました。

このような環境改善の取り組みにより、リモート業務環境の従業員満足度も高まり、コロナ禍が深刻化する直前の2020年2月には、デバイスとコミュニケーションツールに対する社員の満足率が前年4月比で26~27ポイントアップし、50%を超えていました。

言い換えれば、多くの従業員がテレワークによる生産性向上を実感したということです。それが結果的に、コロナ禍対策としての全社的なテレワーク移行のスムーズな実施と生産性の維持向上につながっています。

図3:NTTコミュニケーションズ社内満足度調査アンケート

画像:NTTコミュニケーションズ社内満足度調査アンケート

ニューノーマル時代に向けた働き方のために

今回のコロナ禍をきっかけに企業が全社的なテレワークの実施へと動いたことで、日本の就業者の多くがテレワークを体験しました。結果として、就業者の大多数がテレワークの効率性や可能性に気づき、テレワーク志向を強めています。

たとえば、日本労働組合総連合会の「テレワークに関する調査2020」(日本労働組合総連合会)によると、テレワークを実施した就業者の80%強が、「今後もテレワークの継続を希望」と答えたといいます(図4)。

図4:テレワークの継続を希望するか?

画像:テレワークの継続を希望するか?
出典:「テレワークに関する調査2020」(日本労働組合総連合会)

こうした従業員のニーズを満たすためにも、企業は今後もテレワークを推進していく必要があり、テレワークの継続実施を阻害する問題は早期に解決すべきといえます。

それでは、テレワークを継続実施するうえでの阻害要因とはどのようなものなのでしょうか。東京商工会議所の調査によれば、テレワーク実施の課題として、セキュリティ面や社内コミュニケーション、テレワーク環境の整備が挙げられています(図5)。

図5:テレワーク実施の課題 ※複数回答

画像:図5:テレワーク実施の課題※複数回答
出典:東京商工会議所「中小企業のテレワーク実施状況に関する調査」(2022年6月発表)

また、弊社が社内アンケートなどを通じて調べたところ「交通費の精算が面倒」「物品購入や決裁の稼働負担が大きい」といった、図5にある「書類への押印対応」に共通する課題のほか、「雑談やちょっとした相談などの気軽な会話の減少」といった新たな課題も出てきていることも確認できました。

弊社では、自社内でのテレワークの実践を糧にしながら、中堅・中小の企業のお客さまが上記のような課題を解決し、テレワークを継続していただくためのソリューションを提供しています。

■テレワークスタートパック
強固なセキュリティで保護された「Secured-FAT PC」とセキュアなネットワークをパッケージ化したソリューションです。このご活用により、PCやネットワーク環境の整備が十分に整っていないお客さまや、情報セキュリティ体制に不安があるお客さまでも、あんしん・快適なテレワーク環境をすぐに拡充できます。
■Direct Calling for Microsoft Teams
Microsoft Teamsによるチームコミュニケーションを一層効率化するソリューションです。スマートフォンやPCなどのMicrosoft Teamsのアプリから、直接会社の電話番号を使った外線通話を可能にします。また、外線サービス「Arcstar IP Voice」と連携することで、Microsoft Teamsで代表電話の対応が可能になり、固定電話対応のためにテレワーク中の従業員が会社に出社する必要もなくなります。

・オンライン申し込み
https://www.onlineshop.docomobusiness.ntt.com/s/18a9d5b7-5858-11ee-9f13-5891d1637c46

■SmartGo® Staple
SmartGo® Stapleは、「紙」「印鑑」を使うアナログの業務のうち、企業の全従業員にかかわる経費精算の業務の大幅な効率化を実現するソリューションです。
「モバイルSuica」と法人プリペイドカードの「Stapleカード」とを一体化させ、立替請求にかかる時間とコストの大幅な節約を可能にします。もちろん、スマートフォンなどで撮影した領収書/レシートの画像を使いながら経費精算の申請と承認を、いつでも、どこからでも行うことが可能です。

・オンライン申し込み
https://www.onlineshop.docomobusiness.ntt.com/s/0eaa5b34-5e8e-11ee-9f13-5891d1637c46

■NeWork
NeWorkは、仮想空間でのチーム内の気軽な会話やミーティングが実現する、全く新しいデジタルワークスペースです。このサービスにチームメンバーで登録すれば、ブラウザーを立ち上げ、ミーティングルームをクリックするだけで、重要な会議から、ちょっとした相談や、楽しい雑談などもすぐにはじめられます(図6)。

図6:NeWorkの画面イメージ

画像:図6:NeWorkの画面イメージ

ニューノーマル時代の働き方は、テレワークが働き方の選択肢になるとされ、大手企業や先進的な中堅・中小の企業は、テレワークによる働き方改革をこれからも推し進め、前出した数々のビジネスメリットを手にしようとしています。そうした時代の流れに対応するためにも、上でご紹介したツールやソリューションをご活用いただきながら、テレワークの課題を解決していただければ幸いです。

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