株式会社東海理化
独自開発の社内電話帳をクラウド型Web電話帳に移行
スマートに使えるコミュニケーション基盤を構築
株式会社東海理化
総務部 総務室長
玉木 智則氏
「PHONE APPLI PEOPLEは、現状の仕組みや運用まで見据えたときに最適なサービスであると判断しました」
株式会社東海理化
総務部 総務室
小川 翔平氏
「端末の電話帳に登録していなくても、誰からかかってきたのかが分かるのは大きなメリットだと感じました」
課題
社内のPCでしか使えない社内電話帳を見直したい
人事異動の時期におけるデータ更新も大きな負担に
人の意志をクルマに快適に伝えるヒューマン・インターフェイス部品をはじめ、財産としてのクルマを守る安心のセキュリティ部品、人の生命を安全に守るセイフティ部品など、自動車に関わるさまざまな部品を製造しているグローバルメーカーが株式会社東海理化(以下、東海理化)である。DXを推し進める事業者を国が認定する「DX認定事業者」に選定される(2021年10月1日付け)などDXにも積極的で、デジタル技術を活用した「誰もがくらしやすいまちづくり」への貢献や、デジタル技術を活用しながら社内業務の効率化とスピードアップを図る「DXed町工場」の実現に向けた取り組みが進められている。
さらに東海理化では、本社・本社工場と音羽工場におけるPBXのリプレースをきっかけとして、コミュニケーションインフラの刷新も進めている。まず行われたのは、ビジネスホンから携帯電話およびスマートフォンへの移行で、オフィスに設置されていたビジネスホンの多くを廃止できた。これによりどこでも通話ができる環境を整えていたことで、新型コロナウイルス感染症が拡大した際に、スムーズに在宅勤務に切り替えることができた。
一方で課題となっていたのが、社内電話帳である。従来使われていたのは、情報システム部門の従業員が独自に開発したシステムであり、部署名や名前で検索できるうえ、在席や離席中、有休といったステータスの表示、そして会議室や社用車の予約など、さまざまな機能が盛り込まれていた。また職制表としての機能も兼ね備えていて、検索した人の上司が誰かといったことがすぐに分かるなど、東海理化の社内では欠かせないシステムになっていた。
このように便利なシステムではあったが、社内のPCでしか使えないという課題があった。このため、外出先で連絡先を知りたいといった場合、まず自分の部署に電話をかけ、在席中の人に電話番号を調べてもらうといったことが日常的に行われていた。またデータの更新も大変だったと説明するのは、東海理化の玉木智則氏である。
「以前の社内電話帳は人事データと連携していなかったため、組織変更が行われる時期は各部の担当者が一斉にシステムにアクセスしてデータを更新していました。その作業に多くの工数が発生していたうえ、アクセスが集中するとシステムのレスポンスが低下するなど、いくつかの課題がありました」
また、同社の小川翔平氏は「データ更新にかかる工数も膨大で、あるグループ会社だけで6時間もかかった」と振り返る。
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対策
名刺情報管理などの機能面やコスト面から
「PHONE APPLI PEOPLE」を選定
このような背景から、東海理化では既存の社内電話帳を置き換えるサービスの導入を検討することになる。そこで浮上したのが、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)が提供するPHONE APPLI社のクラウド型Web電話帳である「PHONE APPLI PEOPLE」だ。社内の従業員の内線番号やメールアドレスといった連絡先、あるいは取引先や顧客の名刺情報をクラウド上で管理できるサービスである。クラウドサービスであるため社外でも利用することが可能なうえ、スマートフォンアプリも用意されており、外出先でも素早く連絡先を調べることができる。
このサービス選定について、玉木氏は「いくつかのサービスを検討しましたが、機能面やコスト面で我々の要望を満たすものはありませんでした。そうしたときに見つけたのがPHONE APPLI PEOPLEで、現状の仕組みや運用まで考えたときに、我々にとって最適なサービスだと考えました」と述べる。
サービス選定のポイントとして挙げられたのは、着信時に名前が表示される仕組みである。これはスマホアプリをインストールし、クラウド上の電話帳に名前と電話番号を登録しておけば、着信時に相手の名前が表示される機能である。東海理化の小川氏は「端末の電話帳に登録していなくても、誰からかかってきたのかが分かるのは大きなメリットだと感じました」と述べる。
もう1つポイントになったのは、Microsoft Teamsのプレゼンス情報をPHONE APPLI PEOPLEで確認できることだ。実は導入を検討していた当時、この機能はPHONE APPLI PEOPLEに実装されていなかった。
当時NTT Comは、コロナ禍で在宅勤務へ移行していった企業から、Microsoft Teamsのプレゼンス表示を連携させる要望をいただいていた。中でも東海理化では、既存電話帳でプレゼンス表示機能を頻繁に利用していたため、新規導入要件として優先度が高い機能とされた。それが、機能開発を加速させる一押しとなったという。
「今後のスタンダードとして、従業員の状況が素早く把握できて、なおかつ従業員側が手作業で状況を登録するのではなく、自動的に更新される仕組みは必要だと強く思っていました。そのため、個々のユーザーのプレゼンスを表示する機能を加えていただきたいと要望を出しました」(小川氏)
こうして、早期にMicrosoft Teamsのプレゼンス情報を確認できる機能が追加された。東海理化が求める機能が実装されたこと、また名刺情報まで管理できることまで考慮するとコスト的にも十分にメリットがあると判断されたことから、PHONE APPLI PEOPLEの導入が決まった。
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効果
在宅勤務時や外出先から社内電話帳へアクセス可能
電話アプリとの連携でコミュニケーションがスムーズに
PHONE APPLI PEOPLEの導入作業は、3カ月ほどをかけて行われた。そこでの主な作業は、人事データを取り込むための仕組みづくりや、会議室をはじめとする設備情報の登録などだった。
なお人事データの取り込みについてはRPAを活用し、人手をかけずに取り込む仕組みが構築されている。これにより、以前のシステムで課題となっていた、組織変更などに合わせて手作業でデータを登録する手間を解消した。
社内にPHONE APPLI PEOPLEを公開して、評判がよかったのは前述した着信時に相手の名前が出る仕組みと、名刺を管理するための機能だ。このうち、名刺管理機能について玉木氏は「スマートフォンのアドレス帳を使わず、社外の連絡先についてはPHONE APPLI PEOPLEだけを使っている従業員も増えています。私自身も数百枚の名刺をPHONE APPLI PEOPLEに取り込み、紙の名刺はすべて廃棄しました」と話す。
コミュニケーションをスムーズに行えるようになったことも、PHONE APPLI PEOPLEを導入したメリットとして挙げられている。連絡したい相手をPHONE APPLI PEOPLEで検索した後、わざわざアプリを切り替えることなく電話の発信やメールの送信、あるいはMicrosoft Teamsでのチャットなどが可能であり、余計な手間を省けるためだ。
将来的な構想として、同社ではグループ会社の従業員の連絡先までPHONE APPLI PEOPLEで管理することを検討している。
「東海理化では、音声コミュニケーション基盤として、携帯電話、スマートフォン、オンプレミスPBXの固定電話などさまざまなシステムが混在していましたが、PHONE APPLI PEOPLEを利用することで、社内コミュニケーションの改善を図ることができました。今後は、内線電話帳としてPHONE APPLI PEOPLEを活用し、グループ会社に展開することで、コミュニケーションの輪を東海理化グループに広げていきたいと思っています」(玉木氏)
東海理化と同様に、社内電話帳に課題を感じている企業は少なくないだろう。そうした課題を解決し、コロナ禍での在宅勤務とオフィスに出社してのハイブリッドな働き方を実現するコミュニケーションプラットフォームを構築したいと考えるのであれば、PHONE APPLI PEOPLEの導入は有力な選択肢となり得るのではないだろうか。
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株式会社東海理化
事業概要
1948年設立。主要製品は、自動車用各種スイッチ、キーロック、シートベルト、シフトレバー、エレクトロニクス応用製品など。人の意志をクルマに伝えるヒューマン・インターフェイス部品をはじめ、財産としてのクルマを守るセキュリティ部品、人の生命を守るセイフティ部品など、人とクルマがふれあい、対話する製品づくりを通じて、クルマのある豊かな社会づくりに貢献している。
URL
http://www.tokai-rika.co.jp
(PDF形式/492 KB)
(掲載内容は2022年4月現在のものです)
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