大和ハウス工業株式会社 執行役員 情報システム部門担当 松山竜蔵氏

大和ハウス工業株式会社
執行役員
情報システム部門担当

松山竜蔵氏

「安全・安心にITを活用できることは、海外で仕事をするために欠かせないパスポートのようなものです。引き続き確かな知見を活かしたNTT Comの安全・安心を向上する提案に期待しています」

大和ハウス工業株式会社 情報システム部 情報技術管理グループ グループ長 櫻井直樹氏

大和ハウス工業株式会社
情報システム部 情報技術管理グループ長

櫻井直樹氏

「実際にインシデントが起きたときに、いち早く発見して対処するサイバーハイジーンのルーティンの構築が、端末にエージェントをインストールだけで簡単に実現できることがTaniumの強みだと思います」

 

課題

急拡大する海外事業でITガバナンス管理が後手に回る
共通ルール策定に加え、IT環境を把握するデータが必要に

大和ハウス工業株式会社は1955年、「建築の工業化」を企業理念に創業。以来、一貫して「多くの人の役に立ち、喜んでいただける商品開発やサービスの提供」に努め、世の中に必要とされる企業であることをすべての起点としてきた。2022年には、大和ハウスグループのパーパスである将来の夢「生きる歓びを、未来の景色に。」を策定するとともに、5ヵ年の「第7次中期経営計画」を公表。「収益モデルの進化」「経営効率の向上」「経営基盤の強化」を経営方針に掲げ、持続的な成長モデルの構築を図っており、業界売上高No1のポジションにある。

国内のみならず、1960年代にスタートした海外事業は現在、25の国と地域に密着した事業を展開。順調に拡大を続け、第7次中期経営計画の最終年度となる2026年度には海外売上高1兆円を目指している。「これまで私たちはM&Aを重ねながら海外事業を拡大してきました。そのため、国内より海外のグループ会社が増えていくペースが速く、すべてのIT環境を日本の情報システム部が把握し、サイバーハイジーンなどのセキュリティ対策を講じることは現実的ではありません。そこで、グループ全体に適用するITガバナンスのルールを策定しました。さらに、各拠点で自律的にガバナンスを効かせてもらうことを前提に、裏付けとなるIT資産の状況、脆弱性の有無といったエンドポイントのデータを把握、適宜是正できる体制をつくっておく必要があったのです」と語るのは執行役員 情報システム部門担当の松山竜蔵氏だ。

これまで同社のIT資産管理は各拠点にヒアリングを行い、回答をもらうスタイルだった。非効率であることに加え、ビジネスのスピードについていけない課題もあったという。「あくまで回答は自己申告のため、松山の話したようにデータなしには真偽を確かめることはできません。しかも、対象となる国や地域が多いため時間がかかり、レポートが上がる3カ月後には、おそらくIT環境が刷新されているケースも考えられました。そこで、リアルタイムかつ漏れなく、海外拠点のIT環境のデータを把握できるソリューションの導入検討を始めたのです」と情報システム部 情報技術管理グループ長の櫻井直樹氏は経緯を明かす。

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対策

瞬時にエンドポイントの野良端末を検知できるTaniumを選定
グローバルの豊富な知見を持つパートナーとともに導入を推進

同社ではグローバル拠点のIT資産をエンドポイントで可視化できる、いくつかのソリューションをピックアップし、比較検討をスタートする。「IT資産管理に関してはどれも似たり寄ったりの機能だったのですが、サーバーを持つ必要がないクラウドベースだったこと、そして野良端末が即座に検知できることが決め手になりました。とくに海外拠点ではネットワークにぶら下がる端末の把握が困難で、セキュリティレベルの低い個人端末をつないで仕事をする可能性も考えられるわけです。そういった不正な端末をすばやく発見して是正できる効果が期待できたため、最終的にTaniumの導入を決断しました」(櫻井氏)

Taniumとは、PCやサーバーにインストールしたエージェントを通してハードウェア情報やソフトウェア情報、OS関連のデータなどを取得できるエンドポイントマネジメントプラットフォーム。エージェントがインストールされていないPC、サーバーといったシャドーITを即座に検知できることに加え、リモートからパッチの適用や端末の再起動、ソフトウェアの配信なども魅力だ。これらの機能により、海外拠点のエンドポイント管理を一元化して、分析、評価できることが、同社の思惑と一致したわけだ。

「Tanium の導入にあたり、パートナーには国内リセーラーで唯一のキャリアであるNTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)を選定。いちばんの理由は、これまで長い付き合いで築いた信頼関係だった。「かねてより、多くの海外拠点の立ち上げでお世話になった実績を評価しています。豊富なグローバルの知見、ノウハウを活かし、一緒にプロジェクトを進めてもらえる安心感が選定理由です」(松山氏)

こうしてグローバルへのTanium導入プロジェクトは始動し、東南アジア、欧州、中国、オセアニアという4つのリージョンに分けて導入を推進。現在、ファーストステップの東南アジアの拠点への導入は完了しており、次のステップとなる欧州への導入が進行中だ。最終的にM&A拠点を含む4つのリージョンすべてにTaniumを導入することを目指している。

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効果

瞬時に現地の状況を把握、3カ月がかりのヒアリング調査が不要に
データを起点とした運用体制の構築でプロアクティブな対応に挑む

Tanium導入を終えた東南アジアでは、すでに想定通りの効果が出ている。「これまで、3カ月がかりで把握していたエンドポイントの状況が、瞬時にわかるようになったことが最大の導入効果です。現地の担当者にヒアリングする手間をかけることなく、エンドポイントの端末の実数はもちろん、リアルタイムに違法な野良端末が簡単に検知できるようになりました。また、サポート面に関しても弊社では分からないエラー情報を拾い上げ、一つ一つ問題解決いただいた点も大きいです。今後、きちんと運用フェイズを構築できれば、さらにセキュリティを含むITガバナンスを強化できる効果が出てくると想定しています」(櫻井氏)

「海外拠点でITガバナンスが効いているかどうかの指標となるデータが可視化できたことが大きい。万一、インシデントが発生した際、指標のない不確かな状態では説明責任は果たせません。安心して取り組める準備ができたことは成果の1つです。まだ道半ばではありますが、すべての海外拠点へのTanium導入が終わり、機能をフル活用できるようになれば、現地に足を運ぶことなく迅速にセキュリティレベルを上げるといったプロアクティブな対応ができるようになると考えています」(松山氏)

大和ハウス工業の海外事業を加速させ、2026年度に海外売上高1兆円を達成するためには、安全・安心なIT環境の構築、維持管理は不可欠の条件となる。万一、インシデントが発生し、対応が後手に回れば、海外事業の進捗に深刻な影響を与えるのみならず、企業ブランドを失墜させることにもなりかねないためだ。「お客さまや取引先のデータをお預かりし、活用するインタラクティブなビジネスが主流になる中で、今後は安心してデータを託せる先ではなければ取引は成立しなくなるでしょう。そのためにITガバナンスを固めすぎると、ビジネスを柔軟に回せなくなります。つねに加減を考慮しながら、どこを監視して、手当てするかを決めていきたいと考えています。この先、さらなる対策としてグローバルにおけるPCの集中購買の実現、ファイアウォール、ネットワークの更改なども進めていく計画です。私たちのIT環境に精通し、さまざまな海外での導入実績を持つNTT Comに、いろいろご相談したいと思っています」(松山氏)

導入イメージ

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導入サービス

エンドポイントマネジメントソリューション (Tanium)

エージェント未導入ノードの探知可能なツール「Tanium(タニウム)」を使用したエンドポイントマネジメントソリューションです。お客さまのエンドポイント(クライアント端末、サーバー)の状態をリアルタイムに可視化し制御することが可能です。

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大和ハウス工業株式会社ご契約ID数
20,000ID

事業概要
「人・街・暮らしの価値共創グループ」として、事業の川上から川下まで一気通貫の提案を可能とするグループ力で国内・海外で地域に密着した事業を推進し、弛まぬ努力で新たな価値創造に挑戦している。

URL
https://www.daiwahouse.co.jp


(掲載内容は2024年3月現在のものです)


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