企業概要
交通・防衛・医療・環境エネルギーなどの「社会の安全を支える社会基盤分野」から、科学衛星・ロボット・車両自動走行・MRなどの「社会の発展に貢献する宇宙先端分野」まで、リアルタイムソフトウェアを提供
杉本直樹 管理本部事業推進部長
在宅化が進み社屋にフリーアドレス制を導入。
これからの受付DX
貴社の持っていた課題感を教えてください
中村さま
弊社では、これまで自社の製品を会社の中で運用する機会や、自社の製品やサービスを物理的に紹介できる場がありませんでした。 弊社の製品が実際に動き、役立っている様子をお見せできることは、お客さまへアピールできる場になるとして、セックの技術でお出迎えする「お客さま向けエリア」を新設しました。
このエリアはインナーブランディングの役割も担っていて、社員が実際に使い「セック 」ってこういう製品も創っているんだ、こうやって世の中で役立てられているんだ、と自分が関連している製品以外についても社員に認識してもらえるというのは会社にとってもメリットになります。また、実際に触ることで新しい機能のアイディアや試行錯誤につながると考えました。
杉本さま
弊社も在宅化が進み、フリーアドレスとなりました。
フリーアドレスとなったことで、社員がどこに座っているかの把握が難しくなり、来客受付の取次ぎ業務が煩雑になっていました。
これまでは、総合受付の電話から訪問先の部署に内線をかけていただき、部署内で取次対応していました。在宅化やフリーアドレスになることで、社員の働く場所はより自由になる一方、取次ぎ業務がうまくいかず、お客さまにも迷惑をかけてしまうのではないか、という点で課題感を持っていました。
そこから、受付の取次ぎ業務に何か新しいシステムを使って解決できないか、と検討することになりました。
元々AI電話サービスは電話の自動応答システムであり、受付用に開発したサービスではないのですが、「AI 電話が受付に使える」という着想はどういった点から生まれたのでしょうか
杉本さま
受付の「入り口」はやっぱり電話になるだろうと話していました。
その電話を入り口にして、固定電話以外の社員が実際使っている環境と、なんらかの形で連携ができるという点に着目しました。 電話転送だけでなく、Microsoft teamsやSlackなど、社員が使い慣れているチャットツールと連携が可能だったのも大きなポイントでしたね。
中村さま
AI電話サービスは開発に携わっていることもあり、「お客さま向けエリア」のコンセプトに合致しているので、前向きに検討をはじめました。
ドコモのAI電話サービスを選んだ理由を教えてください
杉本さま
他社の類似サービスも見てはいたのですが、資料請求から話を聞いて、コストを比較したり、実際にどんなふうに使えるのか、となると導入までに時間がかかってしまうだろうという点が懸念でした。AI電話であれば、既存システムにアドオンするだけなので、稼働もコストもそこまでかからないという点で優位性がありましたし、一緒に開発もしていたので、新たなハードルが出てきても一緒に乗り越えていけるんじゃないかと思いました。フレキシブルにコミュニケーションがとれるドコモさんのサービスがトータルでコストが見合っていると判断しました。
AI電話サービスをお出迎えの顔に。
取り組みの中で、社内の皆さんからはどのような声があがっていますか?
杉本さま
フリーアドレスのフロアではメインモニターでの周知と、訪問先担当者の個別のTeamsに通知が飛ぶようになっています。今はまだ一部の部署限定での運用となっていますが、きちんと音声認識し、連携してくれることに感心したというような声はあがっています。 慣れたツールとの連携なので、社員への周知や浸透もスムーズでした。
中村さま
機能性とは別の話なのですが、AI電話サービスの画面について「分かりやすくて可愛い 」という声もありました。導入する際、お出迎えの顔なので親近感のあるようなものを作ってほしいと社員にお願いしてカスタマイズしてもらいました。使いたい、使いやすい、と思ってもらうためにはやはりデザインも大事ですよね。
中村さま
(音声認識の)誤認識率 5% 以内を目標に設定しましたが、今のところ5%以内で推移しています。今後は、3カ月ごとに1部署(4~50人)ずつ対象部署を増やしていく予定です。
杉本さま
音声認識の精度は本当に思った以上ですね。ほとんど問題なく利用できています。
今後の展望・AI電話サービスに期待することをお聞かせください。
中村さま
長期的に使えるサービスかどうかは大切ですので、安定して長期で使える状態を維持してほしいです。 そのうえで、さまざまなクラウド、インフラ基盤との連携のしやすさ、独自のサービス面などでの機能拡充に期待します。
我々はシステム開発会社なので、周辺で開発できることを色々考えて取り組みたいと思っているので、うまく協力してユースケースを広げるような取り組みができるといいですね。
AI×ロボットで進めるDXアイディアとは
今後の貴社の展望を教えてください
中村さま
弊社はロボット向けのソフトウェア開発が大きな事業になっています。
フロアで動いてるロボットもそうですが、そのほかさまざまなロボットソフトウェア製品を出しています。そういう機器に対して今どうやって人間が指示を出しているかというと、タッチキーなどのパネルを触るケースがほとんどですよね(例えばレストランの配膳ロボットなど)。
けれどもやっぱり「声で簡単に指示したい」というニーズは必ず出てきます。ですので、それを今、弊社のお客さまエリアでチャレンジしてみようと動いています。
中村さま
年内には、AI 電話で受付をすると、フロアのロボットが迎えに来るようにしようと考えています。
できればお客さまを会議室までご案内するところまでやりたいですね。
我々としては、IoT の端末として声でいろんなことを指示して、その先のロボットやコンピューターが動くということをやりたい。例えばスーパーでお客さまが商品検索できるようにしたい場合など、キーボードが苦手な方は使いにくいと思うのです。そういうケースはたくさんあります。声というのは誰でもかんたんに扱えるんですよね。
中村さま
もうひとつ、実は今 AI チップの研究開発を行っています。
AIチップというのは、アナログデータを保存しながら学習していくのが特性です。これまで、「AI」 や「機械学習」と言われているのは、もともとデジタルな情報(画像など)をもとにしていますが、そうではなく完全なアナログデータも対象というところが違います。
例えば、Aさんが「あー 」と数秒間発声すると、それぞれの音声波形をチップに記録して、後でその人が「こんにちは」というと「Aさんですね」と返してくれる、というようなものです。
大企業に対応するような数千人規模になると、相当大きなコンピューターリソースが必要なのでそこまで行くのはまだ未来の話ですが、弊社規模の数百人規模であれば、おそらく1年程度で実用化は可能だと思います。 この「生の声」というアナログ値をデジタルで保存して、学習させる機能はAI電話サービスと親和性が高いので、もっと実用化が見えてきたらぜひ一緒に取り組んでいきたいです。