シェアオフィスとは?歴史やメリット・活用事例について解説
公開日:2023/1/29
複数の企業や個人が共同でスペースを利用する形態を、シェアオフィスと言います。低予算でオフィスを持てるため、シェアオフィスの利用を検討している担当者の方もいるでしょう。
本記事では、シェアオフィスの歴史やメリット、活用事例などについて解説します。シェアオフィスを用いたリモートワークを検討している担当者の方は参考にしてください。
目次
シェアオフィスとは
シェアオフィスとは、1つのスペースを複数の企業や個人などで共有する形態です。オフィス設備を複数人でシェアするため、コストを大幅に削減できる点がメリットです。
机や椅子といったオフィス家具、コピー機やプリンターなどの事務作業に必要なOA機械、電話・インターネット回線などを共有で利用できます。
サービス内容は施設により異なります。主なサービス内容は次のとおりです。
・有人受付
・電話対応
・ラウンジの利用
・ドリンクサービス
・会議室の利用
・住所利用
各サービスは基本料金に含まれているものと、オプションに設定されているものとに分かれます。施設により異なるため事前に確認しておきましょう。
シェアオフィスの住所が法人登記に利用できるところもあります。オフィスの初期費用を削減できるため、低コストでオフィスを構えたい個人事業主やスタートアップ企業などにも適しているといえるでしょう。
コワーキングスペースとの違い
コワーキングスペースは、利用者同士の交流に重点を置いたスペースです。利用者同士の交流を促すためのイベントを開いているスペースも見られます。一方、一般的なシェアオフィスでは、利用者同士の交流には重点を置いていません。
多くの場合、コワーキングスペースでは入会手続きが不要で一時的に利用できる、「ドロップイン」を受け入れています。
シェアオフィスを利用する場合は入会金や保証金などの支払いが必要です。そのため、入会者以外の一時的な利用を許可していない施設も見受けられます。
使用目的に応じて使い分けましょう。
レンタルオフィスとの違い
レンタルオフィスは、個室のオフィスをレンタルで利用できる形態です。そのため、自分専用のスペースを持つことができます。
多くの場合、シェアオフィスはオープンスペースでフリーアドレス制となっており、自分専用のスペースを持つことはできません。
税理士や宅地建物取引業など、自分専用スペースの所持が開業の許認可に必要な業種の場合は自分のスペースが持てないシェアオフィスでは開業の許認可が取れません。そのような業種で開業を考えている場合、自分専用のスペースが持てるレンタルオフィスの方が適しているといえるでしょう。
一方、個別のスペースがある分、シェアオフィスと比較してレンタルオフィスの価格の方が高い傾向にあります。
シェアオフィスの歴史
他人や他企業とオフィスを共有する「シェアオフィス」の概念は、2005年ころにアメリカのベンチャー企業から生まれたと言われています。
当初は、他企業やフリーランスなどとのコミュニケーションを促進することが主な目的でした。
その後、IT環境が広がりを見せたため、リモートワークで仕事をできる人が増加しました。そのような環境の下で、シェアオフィスをはじめとしたさまざまなスタイルのワークスペースが誕生しています。
シェアオフィスのよさの1つは、オフィスを複数人で共有するため、一般的な相場よりも安い価格で都心の住所やオフィスを利用できる点です。個人事業主においては、自宅以外にオフィスとしての住所が持てるため、社会的信用のアップにもつながります。
時代の流れとともに、シェアオフィスの目的はコミュニケーション促進だけでなく多岐にわたってきており、利用者は自分の目的に応じたサービスを提供する施設を選択できます。
シェアオフィスでリモートワークを実施するメリット
自宅ではなく、シェアオフィスを利用したリモートワークでどのようなメリットが生じるのか気になる担当者の方もいるでしょう。
ここでは、3つのメリットについてみていきます。
ニーズに合わせて選択できる
シェアオフィスにはさまざまなタイプのものがあり、自社のニーズに合わせたものを選択できます。
例えば、都心の住所を利用したい、頻繁に企業訪問を行うため便利な場所を選択したい、といった場合は、好立地のシェアオフィスを利用すると良いでしょう。
シェアオフィスであれば、自社オフィスを構えるよりも安く、立地条件の良い場所を利用できます。
一方、オフィスコストをできるだけ抑えたいと考える人もいます。その場合は、立地条件よりも月額費用を優先して施設を選択しましょう。
設備や機能、サービスなどはシェアオフィスによって、大きく異なります。電話対応や有人受付、法人登記用の住所利用など、利用目的に応じたオフィスを選択できます。
業務によっては高いセキュリティが必要となることもあるでしょう。そのような場合は、セキュリティの充実している施設を選択します。
このように、自社の利用目的やニーズに合わせたオフィスを選択できる点は、シェアオフィスのメリットの1つです。
従業員のメリハリのコントロールがしやすくなる
自宅でリモートワークを行う場合、日常生活と仕事の区切りが付けづらくなる従業員もいるでしょう。
シェアオフィスを利用すると、生活と仕事との区切りがはっきりするため、メリハリをつけやすくなる点がメリットです。
従業員はシェアオフィスを利用することで、オフィスにいる間は仕事、自宅では生活のみ、というメリハリの利いたライフスタイルをキープできます。
コストがコントロールできる
シェアオフィスを利用する場合は、オフィスを借りることに比べると初期投資が少なくて済む点がメリットです。
実際にオフィスを借りると多くのコストがかかります。オフィス内装をはじめとした多くの工事も必要になるでしょう。家具やOA機器なども揃えなければなりません。そのため、電話回線やインターネット回線の契約、OA機器のレンタルに関する契約など、多くの手続きが必要になります。
また、社員の人数が増加して手狭になった・主要な取引先が変更したため移転が必要となった、など、諸事情によりオフィスが自社の目的に合わなくなった場合に、簡単に引き払って新たな場所に移ることが可能です。
オフィスコストを簡単にコントロールしたい場合、自社のみでオフィスを借りるよりもシェアオフィスを利用する方が適しているといえるでしょう。
シェアオフィスの活用事例
シェアオフィスはさまざまな場所にあるため、どれを利用したら良いか迷うこともあるでしょう。ここでは、シェアオフィスの活用事例について3つ解説します。
・アクセスが良い
・本社との距離を考慮
・郊外・地方に位置する
シェアオフィスの選択基準に迷っている担当者の方は、参考にしてください。
アクセスの良いシェアオフィス
複数の路線が乗り入れているような駅の近くなど、アクセスの便利な場所にあるシェアオフィスを選ぶと、通勤時間の削減につながります。そのため、アクセスの良い施設を利用すると、従業員の長時間通勤によるストレス緩和が期待できるといえるでしょう。
オフィスの近くに銀行や郵便局などがあれば、それらの場所に短時間で移動できるため、生産性の向上が見込めます。そのほかにも業務上頻繁に出向かなければならない場所がある場合、その建物の近くのシェアオフィスを選択することで利便性や生産性の向上や、移動にかかる交通費削減につながります。
業界によっては自社ブランドに適した住所を選択すると、取引先や顧客からの信用度が上がることもあるため、住所に注目してシェアオフィスを選択しても良いでしょう。
外回りの営業が多い業務であれば、取引先にアクセスしやすい場所を選ぶことで、営業に出向く際の時間や交通費の削減になります。
加えて、シェアオフィスには会議室やミーティングルームがあるため来客と対応することも可能です。アクセスの良い場所にシェアオフィスを設けていると、気軽に来客を呼ぶことができます。取引先や顧客と直接会って話したい、来客に気兼ねなく寄ってほしいという業種であれば、アクセスの良いシェアオフィスを検討してみましょう。
ただし、アクセスの良い場所は費用が高めになることがある点は留意しておきましょう。
本社との距離を考慮したシェアオフィス
別途本社がある場合は、本社との距離を考慮した場所にシェアオフィスを借りることを検討しても良いでしょう。
居住地からの利便性が良く本社ほど遠くない場所のシェアオフィスを利用すると、従業員の通勤時間が減り、疲労軽減が見込めます。
また、自宅でリモートワークを行うと、生活と仕事とのメリハリを付けることができない従業員にとっては、シェアオフィスで業務を行うことでモチベーションの向上や集中力アップが期待できるでしょう。
地方に本社があり、都心で暮らす人材を採用したいと検討する企業にとって、都心のシェアオフィスが効果を発揮することがあります。都心勤務を望んでいる人は、少なくありません。
地方の本社とは別に東京都内にシェアオフィスを持つと、都心で働きたい人材を自社の従業員として雇用できます。
郊外・地方のシェアオフィス
郊外や地方など、従業員の居住地に近いシェアオフィスを利用すると、従業員の利便性向上につながることがあります。
例えば、通勤時間が短くなるため保育園に早く迎えに行けるようになる、何かあったときにすぐに自宅に帰れる距離なので介護に対応できる、といったこともあるでしょう。
従業員にとって使い勝手の良い場所にシェアオフィスを借りると、人材の流失防止が期待できます。
まとめ
1つのスペースを複数の企業や個人により共同で利用する形態をシェアオフィスと言います。
オフィスコストの削減ができ、ニーズに合わせた場所を利用できる点は大きなメリットといえるでしょう。加えて、自宅でのリモートワークを行うと生活と仕事との区別が付けづらくなるという従業員にとって、シェアオフィスの利用によりライフスタイルのコントロールが可能となります。
シェアオフィスはさまざまな場所にあり、費用やサービス内容は大きく異なります。自社の目的に合った施設を選択しましょう。
シェアオフィスではなく、使いたい時に使いたいだけ使う「ドロップイン」のワークスペースを探している方もいるでしょう。一時的な利用が可能なワークスペースの検索や予約をしたい方は、ぜひdroppinをご利用ください。
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