外付けハードディスク(HDD)の暗号化によるセキュリティ対策

外付けHDDは大容量のデータを持ち運び、複数のデバイス間の情報共有をするのに便利です。利用する際には、適切なセキュリティ対策を施してデータを保護しましょう。外付けHDDの具体的なセキュリティ対策とリスクについて解説します。

外付けハードディスク(HDD)による情報漏洩の主な原因とは

外付けHDDはデータをPCから切り離すことで、インターネット上の脅威に晒される危険性が少なくなります。そんな外付けHDDですが、保存しておいた情報が漏れてしまうケースが実際に起こっているようです。 その原因についてまずは見ていきましょう。

外付けHDDなどの紛失や誤操作

実は、情報漏洩の原因は、内部の人間が引き起こす割合が8割と言われています。外付けHDDから情報漏洩が起こるケースとしては、外付けHDD自体の紛失や誤操作が挙げられるでしょう。 外付けHDDのデメリットとして、機器を持ち歩かなければならないことが挙げられます。社外で紛失すれば、データを消すこともできないので、そこからデータが漏れる可能性が大きいのです。 誤操作は、外付けHDDからアウトプットする際の出力先のフォルダを誤った場合や、送受信する際の転送先のミス、添付ファイルのミスなどが挙げられます。

管理ミスや故意のHDD持ち出し

保管場所のミスや帰社時にPCに接続したままにしているなど、HDDに接続できる状態で放置してしまう管理ミスが考えられます。HDDはパスワード設定をしていない人も多いので、そこから情報が漏れてしまうケースもあるのです。 また、金銭や怨恨をきっかけに情報漏洩をさせるための意図的な持ち出しも考えられます。実際にこうした事件が起こっているので注意が必要です。

暗号化機能付きハードディスク(HDD)のメリット

HDDにはセキュリティ機能が付いたものも多くあります。中でも、データを暗号化してくれる暗号化機能付きHDDについて、その機能やメリットを見ていきましょう。

自動で暗号化

HDD内のデータを自動で暗号化してくれる機能が付属したHDDが登場しています。暗号化の手間が一切かからずに利用できるのは便利です。 解除にはパスワードが必要で、第三者からは簡単にデータの閲覧ができないようになっています。紛失した場合でも、簡単にはデータが漏洩しませんし、人為ミスを防止するのにも一役買ってくれるでしょう。

認証機能

HDDには、『ATAパスワードロック』が付属されているものが多くあります。これは、HDDが特定のデバイスに接続した際にパスワードを設定し、他のデバイスに接続した場合には同様のパスワードを要求されるというものです。 万が一、紛失や盗難に遭い、HDDのデータを他者のPCで見られそうになったとしても、必ずパスワードを要求されるため、データを守ることにつながります。

企業がその他に注意するポイント

サイバー攻撃以外にも、情報漏洩が発生してしまうケースはいろいろあります。HDD以外に情報漏洩が発生するケースについてまとめました。

持ち込みPCや持ち出しPC

HDD同様に、PCも企業のデータが入った重要な機器です。機密情報の入ったPCを外に持ち出すのは、会社のセキュリティ管轄外にデータが運ばれることになります。社内の人間であっても禁止した方が良いでしょう。 PCの持ち込みも同様です。会社が管理していないPCから社内のデータベースへのアクセス履歴が残っても平気な状態になっているのは、非常に危険と言えます。 万が一、情報漏洩があったとき、出所がわからなくなりますし、情報漏洩の発生しやすい環境でもあるからです。

USBの管理

USBメモリの管理についても厳しくチェックをしていきましょう。USBメモリは持ち運びのしやすさ、データ移動のしやすさから所有している人も多くいます。 しかし、認証付きでないUSBメモリも多く、形状が小さいことから紛失がしやすいのも問題です。USBポートに差し込むだけでPCと接続できるので、USBメモリがウイルスに感染していればPCにも移ってしまいます。 データの持ち出しも簡単にできてしまうのもデメリットです。USBメモリはセキュリティリスクが大きいということを理解しなければなりません。

セキュリティ教育を重視しよう

現状、無線LANをはじめノートパソコンやスマートフォンなど、セキュリティ対策を施さなければならない機器が多くあります。 その中には個人で扱っているものも多く、社内セキュリティを保護するには社員1人ひとりのセキュリティ意識の高さが大切です。 また、メールでの取引先とのやりとりなど、ITに触れる機会は必須と言えます。誤送信や外付けHDDの紛失といったミスを防ぐ意味でも、セキュリティ教育は重要と言えるでしょう。

まとめ

外付けHDDやUSBメモリはデータの保存量も多く、まだまだ利用している人は多くいるでしょう。しかし、紛失や盗難などに遭った際にはデータを守りにくいという欠点もあるのです。 暗号化などのセキュリティ対策をしっかりと施し、企業の大切なデータを守っていきましょう。そのための社員教育も大切なポイントと言えます。

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