セキュリティソフトを人気で選ぶのは間違い?企業がみるべきポイント

各メーカーから、さまざまな機能を持ったセキュリティソフトが販売されています。人気のソフトもありますが、人気があるからといって必ずしも良いものだとは限りません。本記事では、企業がセキュリティソフトを選ぶ際のポイントを解説します。

セキュリティソフトの必要性とは

セキュリティ対策の基本は、セキュリティソフトを導入することです。セキュリティソフトを導入しなかった場合、企業にとってどのようなリスクが考えられるのでしょうか?

企業が認識すべきリスク

企業が認識すべきリスクには、大きく分けて直接的リスクと間接的リスクがあります。 直接的リスクは、ウイルス感染により受ける直接的な被害のことです。具体的には、ファイルやデータベースなどが書き換えられたり、削除されたりします。システムの破損、不正な通信による情報漏えい、バックドアによる不正アクセスなども含まれます。 間接的リスクは、ウイルス感染が引き起こす間接的な被害を指します。具体的にはウイルスによる被害の復旧や再発防止にかかるコスト、ウイルス感染による作業効率の低下、情報漏えいによる信用喪失などです。 また、メールなどでウイルスが外部に拡散した場合、取引先や消費者の信用を失うことにもなりかねません。

セキュリティソフトの違い

多くのメーカーから多様なセキュリティソフトが販売されているため、その違いを知ることが重要です。ここでは、個人向けと法人向け、無料と有料でどのような違いがあるのかを解説します。

法人向けと個人向け

セキュリティソフトには法人向けと個人向けが用意されています。主な違いは管理運用のしやすさ、コスト、セキュリティレベルの高さです。 個人向けのセキュリティソフトは、端末1台につき1つのライセンスが割り振られるため、端末台数分のライセンスが必要です。端末ごとに個別導入をしなくてはなりません。 設定や運用も個人に任されるため管理が煩雑となり、セキュリティレベルにもばらつきが出る可能性があります。 法人向けソフトは、契約ごとに1つのアクティベーションコードが割り振られるため、導入する端末台数が増えても容易に対応できます。 複数台の端末にまとめて導入できるのもメリットでしょう。設定や運用は一元管理できるためセキュリティレベルを統一でき、余計な手間やコストがかかりません。

無料と有料

セキュリティソフトには無料のものと、有料のものがあります。無料ソフトに比べると有料ソフトには以下のようなメリットがあります。
・ウイルス検出率が高い
・サポートが手厚い
・Webサイト閲覧の安全性を高めるWebフィルタリングを実装している
・不正アクセスを監視するファイアウォールが実装されている
・ウイルス付きの不正なメールをチェックする
・動作が軽快
ソフトではこれらのメリットが受けられないため、企業で無料ソフトを導入するのはリスクが高いと言えます。

人気ソフトをただ入れるだけではダメな理由

セキュリティソフトには人気が高く、定番になっているソフトも多くあります。それらは、本当に良いソフトなのでしょうか?ここでは、動作の重さと使いやすさに焦点を当て解説します。

動作が重くなる可能性

近年のセキュリティソフトは動作の軽快さを売りにしているものも多いですが、これには最新のパソコンを使っているという前提条件があります。 セキュリティソフトは常駐して監視を続けるという性質上、CPUやメモリに負荷がかかり、パソコン自体の動作が遅くなる可能性があるのです。 古いOSや低スペックのパソコンを業務に使用している企業も多いでしょう。場合によっては業務効率が著しく低下してしまう可能性があることを忘れないでください。

使いづらい可能性

通常、企業のセキュリティソフトはセキュリティ担当者が管理・運用します。しかし、セキュリティ担当者が交代したときには注意が必要です。 前任者の導入したセキュリティソフトの設定や管理方法が、必ずしも後任者にとってベストなものとは限らないからです。 セキュリティ担当者が使いづらいと感じていては、万全のセキュリティ環境を整えられません。管理者交代のタイミングで設定や運用方法を見直し、場合によってはセキュリティソフトの買い替えを検討することも必要でしょう。

企業のセキュリティソフトの選び方

多種多様なセキュリティソフトの中からソフトを選ぶのは大変なものです。ここでは、企業がセキュリティソフトを導入する際に検討すべきポイントについて解説します。

求める機能

近年のセキュリティソフトには多彩な機能がついており、ありとあらゆるサイバー脅威から守れるよう設計されています。 しかし、機能が多ければ多いほど、パソコンのCPUやメモリにかかる負担が大きくなり、動作が遅くなることがあるのです。 また、多くの制限機能が足かせとなって業務に支障をきたす可能性もあります。まずは、自社に必要な機能を事前に確認しておくことが大切です。

ニーズに見合ったコスト

セキュリティソフトは導入時のコストだけでなく、毎年の更新料も考慮しなければなりません。更新料はソフトの機能が多いほど高額となり、導入端末台数によって増えるのです。 導入費用だけでなく更新料のことも考え、長い目で見たコスト計算をする必要があります。

サポート

セキュリティソフトメーカーによってサポート体制が異なります。既存プログラムからウイルスが検出された場合や、新種のウイルスに感染してしまった場合、サポート体制の整っているメーカーであれば安心でしょう。 また、サポートの言語も重要です。サポートは英語のみというメーカーではトラブル解消に時間がかかる可能性があります。

まとめ

セキュリティソフトの導入は、企業のセキュリティ対策の第一歩と言えます。 生産性を落とさずに高いセキュリティを確保するためには、自社の業務や規模に合ったセキュリティソフトを導入することが必要です。

紹介動画

企業を狙うサイバー攻撃は巧妙化。セキュリティソフトを入れておけば安心という時代は終わり、多層防御によるセキュリティ対策が急務です。多層防御とは?ポイントを含めご紹介します。

セキュリティ対策を怠ったために、取引先にまで、マルウェアを感染させてしまったら・・・。ほぼすべての中堅・中小企業がサイバー攻撃を受けていると言われています。専門ベンダへのアウトソース、インシデント時の緊急体制の整備、サイバー保険。セキュリティに関する業務を一人で抱え込まないためのポイントをご紹介します。

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