富士通エフ・アイ・ピー株式会社
各ナビダイヤルでデータ通信を見える化し
コスト最適化とBCP対策強化を両立
ナビダイヤル
富士通エフ・アイ・ピー株式会社
EDIサービス事業部 EDI基盤システム部
前島 憲之氏
課題
適切な設備規模を把握したい
ナビダイヤルは、全国共通番号であることに加え、多彩なIVR機能をもち、これまでも多くのコンタクトセンタの効率化やサービス改善に貢献してきた。しかし、ナビダイヤルの有用性は音声通信のみにとどまらない。今回は、電話回線を利用したデータ通信においても、ナビダイヤルのもつ多彩な機能を生かし、コスト最適化やサービス向上を実現した、富士通エフ・アイ・ピーさまの事例をご紹介する。
「日本では、小売店から卸業者への商品発注、外食店舗と本部との間での食材発注など、日常的な受発注業務において、電子商取引が広く使われており、弊社はその電子商取引のシステムを様々な事業者に提供しております。
電子商取引におけるデータ通信の方法は主に2種類あり、古くから普及している電話回線を利用してデータ通信を行う『EDI(Electric Data Interchange=電子データ交換)』方式と、近年開発されたインターネットを経由した通信である『流通BMS(Business Message Standards=ビジネスメッセージ標準)』方式があります。インターネットが普及した現代においても、未だに多くの事業者さまが電話回線を利用するEDIシステムをお使いになっているため、弊社はどちらのシステムにも対応した『TradeFront/AE』というサービスをご提供しています」(前島氏)
しかしEDIシステムは、利用事業者と同社データセンターを1対1の電話回線で結ぶため、必要な回線数や、適切な設備規模の把握が困難で、コスト最適化を阻害する要因となっていたという。
「スムーズな受発注は利用事業者の生命線であり、回線数不足によって、長時間にわたり通信不能に陥ることは絶対に許されません。しかし、やみくもに回線数を増やすことは、コスト負担増大につながってしまいます。ナビダイヤルを導入したことで、回線数不足による通信不能がどの程度発生しているのか把握できるようになり、コスト最適化が可能となりました。さらに、BCP対策が強化され、弊社のサービス向上にもつながりました」(前島氏)
対策
利用状況を“見える化”、規模適正化を実現
Before 導入前の課題
- 利用状況が見えないため回線数が増加傾向にある
- 定期のサーバーのメンテナンス時には特別な操作が必要
- 災害発生時の切替運用が煩雑
After 導入効果
- リアルタイムで利用状況が把握でき、設備の適正化が実現
- サーバーメンテナンス時の作業が軽減し、コスト最適化も実現
- 大規模災害発生時も、継続的にシステムの利用が可能
効果
コスト最適化とBCP対策を両立
リアルタイムの利用状況確認により設備の規模適正化を実現
「ナビダイヤル導入後は、カスタマコントロール上でリアルタイムにトラフィックが監視できるようになりました。これにより、従来は把握できなかったEDIシステムの利用状況が確認できるようになったのです」(前島氏)
またEDIシステムの利用、つまり利用事業者からの通信は、時間帯のほか、月末や月初という時期によっても変化する。また、製菓業界であればバレンタインデー前、玩具業界であればクリスマス時期など、業界ごとに特有の季節変動要因もあり、こうした“利用の波”への対応も、ナビダイヤルの導入によって改善されたという。
「ナビダイヤルの機能を使えば、通信が予想外に集中した場合でも、カスタマコントロール上で即座に予備の回線を開放することができます。トラフィックを把握するだけでなく、こういった回線数の増減にも対応できるのはうれしいですね」(前島氏)
定期メンテナンス時の作業を効率化コスト最適化も同時に達成
さらに、設備のメンテナンス作業においても、ナビダイヤルによって効率化が可能になった。
「止まることが許されないEDIシステムだけに、定期的な設備のメンテナンス作業は欠かせません。メンテナンス中は、トラブルを防ぐため、機器への通信を一時中断する必要があります。従来は、メンテナンスに入るタイミングで現場の機器を操作し、人為的に話中状態を作ることで、通信を中断させていました。しかしナビダイヤル導入後は、カスタマコントロールを使い、PCのウェブ画面上での操作だけで、通信の接続先を変更できるため、現場での作業負担は確実に減りました」
障害対応や万一のBCP対策でも大きなアドバンテージを獲得
またナビダイヤルの導入で、障害に強いシステム構築も可能となった。
「ナビダイヤル導入以前は、通信に障害が発生したとき、問題がどこにあるのかという“切り分け”に時間がかかっていました。しかし、トラフィックレポート作成機能を利用することにより、レポート内の発信者IDを参照し、その通信がどの回線や機器に振り分けられているかをトレースすることで、障害発生地点を推定できるようになったのです。たとえば、特定の回線で通話時間が極端に短い通信が繰り返されている場合は、その回線につながる機器の故障が推定され、点検や交換などの対象としてピックアップできます。回線側の状態を細かく把握・分析することが可能となり、耐障害性、回復性ともアップしました」(前島氏)
さらに万一の大規模災害のときも、ナビダイヤルはEDIシステムの継続的な利用を可能とする。
「大規模災害でデータセンタが万一大きなダメージを受けた場合でも、ナビダイヤルのカスタマコントロールを利用すれば、遠隔地からでもバックアップのデータセンタへ接続先を変更できます。そのため、有事の際でも利用事業者さまにシステムの常時稼働を担保し、継続的な利用が可能となったのです」(前島氏)
今後の展望
優れた通信インフラとして活躍するナビダイヤル
「インターネットが普及している今日においても、従来のまま電話回線を利用するEDIシステムを使い続けたいという声が多くあります。事業者さまにとって、安定した通信・セキュリティは何よりも重要なのです。ナビダイヤルは、電話回線による通信を様々な機能で支える優れた通信インフラだと思います」(前島氏)
さらに、運用面においては、NTTコミュニケーションズのサポート体制に高い評価をいただいた。
「ウェブ上でトラヒックの確認や接続先の変更等ができるカスタマコントロール機能が便利なのはもちろんですが、操作や運用面で疑問点や不安があった際には、電話窓口にて24時間体制でサポートしていただけます。機能が豊富なだけでなく、利用するユーザ目線にたったサービスやサポートが行き届いており、大変助かっています」(前島氏)
富士通エフ・アイ・ピー株式会社
設立
昭和52年11月
資本金
18,000,000,000円
従業員数
従業員数:3,841名 (2014年4月1日現在、連結)
事業内容
アウトソーシングサービス、Webサービス、システムインテグレーションサービス
導入事例印刷用ファイルのダウンロード(PDF 704KB)
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(掲載内容は2015年3月現在のものです)