エネサーブ株式会社
働き方改革の推進に向けて内線環境を刷新
スキマ時間の活用で残業時間削減を実現
エネサーブ株式会社
常務取締役
管理本部長 兼 財務部長
西澤 稔氏
「働き方改革は残業時間を削減し、コストを削減できる施策と捉えがちですが、それ以上にムダな時間を有効な時間に変えて、生産性向上を図ることが重要です」
エネサーブ株式会社
総務部 副部長
野阪 努氏
「スマホ内線化でスキマ時間の有効活用にもつながる。コスト削減と働き方改革の2つを両立できるのは大きな魅力でした」
課題
外勤社員に関わるコミュニケーションにムダが多発
働き方を改革や生産性向上の大きな障壁に
働き方改革を加速させるため、多くの企業で見直されているのがコミュニケーション環境だ。特に営業やフィールドワークなど、社外で働く機会が多い職種の場合、場所にとらわれず従業員同士が円滑にコミュニケーションすることができれば、移動時間や移動時間や空き時間を有効に活用することが可能となり、業務効率は大幅にアップするだろう。
大和ハウスグループにおいて、電気設備メンテナンス事業に先駆的に取り組んできたエネサーブ株式会社(以下、エネサーブ)もコミュニケーション環境に課題を抱えていた。
エネサーブは、2003年より電力小売事業にも参入し、多様な地域・業種の顧客に対し、電力会社の送電線を介した電力販売を主力事業としている。現在、同社が注力しているのが、独自開発した電気設備の24時間遠隔監視システムから得られる膨大なデータを活用した、省エネに関するコンサルティングサービスだ。
そのような同社が働き方改革への取り組みを本格化したのは、2016年のこと。勤務時間体系の見直しや制度改革などを行い、柔軟に仕事ができる環境を整備してきた。しかし、これだけでは十分な成果を出すことは難しかったという。なぜならば、同社の営業担当者や技術者は客先に出向くことが多く、勤務時間の6~7割は社外で活動している。そうした社外で活動する社員にかかってきた電話への対応や内勤社員とのコミュニケーションにムダが多く発生していて、働き方を変え、生産性を向上する上で大きな障壁となっていたのだ。
作業はあくまでも顧客の業務に合わせて行うため、待ち時間などのスキマ時間が発生することも多かった。そこで外出中の社員のスキマ時間を有効活用することで、従来は帰社後に行っていた業務を現場で対応することができるのではないか。そのために、いかに社外と社内をシームレスに連携させるかを検討。同社が出した解決策が、スマートフォンの内線化による音声コミュニケーション環境の見直しだ。
同社常務取締役 管理本部長兼財務部長の西澤稔氏は「働き方改革は、残業時間を削減し、コストを削減できる施策と捉えがちですが、それ以上にムダな時間を有効な時間に変えて、生産性向上を図ることが重要です。社員のポテンシャルを引き出すために、重要な経営テーマとして認識しています」と話す。
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対策
全拠点の既存PBXを一斉にクラウド型PBXへ移行
スマホ内線化で社内外のコミュニケーション環境を改善
こうした課題の解決に向け、エネサーブでは通信環境の刷新を決意し、各社から提案を募った。いくつかのサービスを比較検討した結果、最終的に選ばれたのはNTT コミュニケーションズ(以下、NTTCom)の「Arcstar Smart PBX」である。
Arcstar Smart PBX は、FMCや内線通話機能を備えたクラウド型PBXである。PBXはクラウド上で提供されるため自社で持つ必要がなく、設備・保守コストを削減できる。また内線端末としては、IP-Phoneやソフトフォンに加えて既存のスマートフォンも利用可能だ。外出先であっても4G / LTE網を介してスマートフォンで内線を発着信することが可能な上、携帯キャリアを問わずに使えるというメリットもある。
同社総務部副部長の野阪努氏は、Arcstar Smart PBXを選択した理由について「クラウドサービスであるArcstar Smart PBX なら、これまでオンプレミスのPBXの運用管理にかかっていたコストなども削減できる上、社員に貸与したスマートフォンを内線電話として使うことで、コミュニケーションを改善にもつながります。働き方改革とコスト削減の2つを両立できるのは大きな魅力でした」と話す。
スマートフォンを容易に内線端末化できる点も評価された。野阪氏は「会社で貸与するスマートフォンにアプリをインストールして設定を行うだけなので、スマートフォンを内線端末として簡単に使い始められるのはよかったところです。実際、作業の手間はほとんどかかりませんでした」と振り返る。
図 エネサーブ株式会社のシステム構成イメージ
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効果
スマホ内線化がスキマ時間の活用につながり、
残業時間は1割近く減少、通信コストも25%削減
2016年12月、Arcstar Smart PBX の導入作業が始まった。複数拠点のクラウドPBX導入においては、既存PBXの更改タイミングに合わせて拠点ごとに順次切り替えるケースも多い。しかしエネサーブでは、運用が煩雑になることを避けるために全拠点一斉にArcstar Smart PBXに切り替えている。
実際の導入効果として、まず挙げられたのは通信コストの削減である。オフィス内、あるいは拠点間の通話だけでなく、外出中の従業員のスマートフォンへの発信やスマートフォン同士の通話も無料になったためだ。これによって通話料を約25%も削減している。さらにPBXが不要になったことで、その導入や運用にかかるコストをカットできたことも大きい。
次に、コミュニケーションの効率化を図れたことも大きなメリットだった。西澤氏は「スマートフォンの内線化で、外出中であっても内線電話を受けられるようになりました。代表電話にかかってきたお客さまや取引先からの電話も内線転送できるので、電話の取り次ぎやコールバックによるロスがなくなり、スムーズにコミュニケーションが図れるようになっています」と語った。
このArcstar Smart PBXの導入もあり、エネサーブでは残業時間がこの1年間で1割程度削減されているという。これは多岐にわたる取り組みの成果だが、外出中の社員がスキマ時間を使って、問い合わせ対応などを行うことが増え、帰社後に残業することが減ったこと、社内での電話対応や伝言メモ作成作業が軽減したことなど、スマートフォンの内線化により社内コミュニケーションが円滑になったことも重要な要因の1つになっている。
エネサーブの取り組んだスマートフォンの内線化を軸としたコミュニケーション環境の見直しは、働き方改革の推進とそれに伴う業務効率化、さらには通信コストの削減などの課題を抱える多くの企業の参考になるだろう。
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エネサーブ株式会社
事業概要
1965年12月設立。大和ハウスグループのなかで電気設備に関するメンテナンス業務の先駆者として、電力需要家の電気設備の安全保障、電力負荷平準化によるエネルギーコストの低減と環境保全を事業目的とし、産業社会を中心に総合エネルギーサービス業を指向。電気設備の安全保障、エネルギーコスト低減化と地球環境保全に貢献することを経営の基本方針とし、「提案型の総合エネルギーサービス業」として社会に幅広く貢献することを目指している。
URL
https://www.eneserve.co.jp
(316KB)
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(掲載内容は2019年1月現在のものです)
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