日本パレットプール株式会社
IT推進部長

「今回の施策はユーザー部門の要望を受け、ソリューションの選定をIT推進部主導で進めたのですが、総務部が全社員の名刺にスマホの番号を入れて配るなど、かなり前向きに受け止められたと思っています」

 

課題

各支店のPBXのコスト、稼働削減に向け
社用スマホを軸にした新たな電話環境の構築に挑む

日本パレットプール株式会社は、全国16カ所の支店・サテライト(営業拠点)と約200カ所のデポ(サービス拠点)を設け、パレットを必要な場所でレンタル、不要になった場所で返却するパレットプールシステムにより、保管、輸送などに関わる物流の効率化をサポートしている。同社にとって電話は、パレットプールシステムを支える支店間や支店と顧客間をつなぐ不可欠のツールだ。従来、各支店ではオンプレミスのPBXおよび固定電話で内線・外線を利用しており、ここにいくつかの問題が生じていたという。

「これまでは各支店で個別にPBXを導入・運用しており、各種設定や老朽化によるリプレイスなどは地元の業者を手配していたため運用に大きなコスト負担がかかっていました。そもそも、各支店で利用している内線では社員1人ひとりに番号が付与されておらず、当たり前のように取り次ぎが生じていました。このような古い電話のシステムを刷新して無駄なコストを削減、全拠点で一括管理したい、全社員を載せた電話帳をつくりたいと常々、考えていたのです」と語るのは、同社のIT推進部長の堀江氏だ。

それ以前より、同社の営業担当から社用スマホが欲しいという要望は上がっていたものの、経営層からは「それだけで経費増は見合わない」と社用スマホの導入は棚上げになっていた。「しかし、各支店から五月雨式にPBXのリプレイスの稟議が届いたことで流れが変わりました。それを目にした経営層が稟議を却下し、コスト削減、業務効率化に向けて社用スマホをからめた新たな電話環境をつくってほしいという指示があったのです。私自身も従来の内線・外線の仕組みには疑問を持っていたので“渡りに船”でした。社用スマホ導入を軸に、新たな電話環境をつくるためのサービスの比較検討を始めました」(堀江氏)

このページのトップへ

 

対策

各支店のPBXを撤廃してクラウドPBX上に集約
工事不要のIP電話サービスで導入コストを削減

課題の解決に向けて堀江氏が目をつけたのは、PBXのクラウド化。各支店のオンプレミスのPBXを、クラウド上のPBX1台に集約することで全支店の電話が一括で管理できるようになり、設定やリプレイスにかかるコストも大幅に抑えられるためだ。「複数のキャリア、ベンダーにお声がけし、クラウドPBXの比較検討を行いました。ミニマムな構成から始めたい私たちの意向にいちばん合致した提案をいただけたのが、NTT コミュニケーションズ(以下、NTT Com)でした。加えて、NTTといえば電話のイメージが強いので、経営層や社員にも受け入れられやすいと判断し、パートナーに選定しました」(堀江氏)

しかし、クラウドPBXの導入にあたり堀江氏には小さな懸念があった。「各支店にIP電話用の回線を引き込む必要があり、少なからずコストがかかってしまうことです。そのことをNTT Comに相談したところ、近日、電話番号を変えずに、引き込み工事不要で利用できるIP電話が新サービスとしてリリースされるという情報をいただいたのです。そこでサービスのリリースを待って導入を進めることにしました」(堀江氏)

同社が選定したのは「Arcstar Smart PBX」。クラウド上のIP電話サーバーによりPBX機能と内線機能を実現することで電話の一元管理ができ、設備導入や運用保守にかかるコストを削減できるクラウド型PBXサービスだ。スマホやPCなどの多様なデバイスで、ロケーションを問わず無料で内線電話を利用できるなどの特長がある。併せて導入した外線用のIP電話サービス「Arcstar IP Voice(Smart PBX) 0ABJ番号」は、物理的なアクセス回線不要で市外局番の03、06から始まる0AB~J番号が利用可能。つまり、これまで固定電話で利用していた電話番号がそのまま利用できるメリットがある。

「いきなり、電話がスマホに置き換わることで社内の混乱を避けるため、設定方法や操作方法などをわかりやすく解説する操作マニュアルを全社に配布、さらに説明会も開催しました。最初にスマホを導入して慣れてもらってから、その3カ月後にクラウドPBXを導入するプロセスで進めました」(堀江氏)

導入イメージ

このページのトップへ

 

効果

クラウドPBXによるスマホの内線化で業務効率を向上
電話の運用にかかるトータルコストと稼働も大幅に抑制

PBXのクラウド化により、すべての社員のスマホに番号が割り振られた。「取り次ぎの手間がなくなり、いつ、どこにいても電話をかけられる、受けられるようになったことで確実にコミュニケーションが密になり、業務が効率化できています。内外線を直通化できたことは、営業担当はもちろん、社員の反応も良好です」(堀江氏)

各支店のPBXを撤廃、社員間の内線が無料で利用できるようになり、外線もIP電話による割安な料金で利用できるためコスト削減効果も出ている。「初期費用はかなり抑えられたと感じています。おそらく、設備の導入や運用保守にかかるコスト、通話にかかるランニングコストも想定通りの削減効果が出ています。まだ保険として各支店に固定電話を残しているのですが、操作に慣れてスマホからの発信が増えれば、さらにランニングコストを抑えられると踏んでいます」(堀江氏)

各支店の電話を一括で管理できるようになったことで、さまざまな設定の変更も容易になった。「Web上のコンソールから転送設定や代表グループの設定変更などが簡単にできるようになったので、人事異動やオフィスのレイアウト変更時の対応も楽になりましたね。これまで業者に依頼していた作業コストも抑えられています」(堀江氏)

「今回、FAXを電子化する提案も受けましたが、現場の混乱を懸念してFAX回線はそのままにしてあります。複合機にFAX回線を残しておき、電話も受けられるようにハンドセットを追加することで、万一、クラウドPBXに故障が生じたときの備えにする予定です。いわゆるBCPの通信手段ですね」(堀江氏)

堀江氏は複数端末で着信した代表電話を誰が応対したかわかる機能追加など、サービス改善に取り組むNTT Comのサポート対応を高く評価し、今後の提案にも期待している。「私たちは全国で事業を展開していますので、各地で起きたトラブルや課題に対してワンストップで対応にあたっていただけると助かります。さらに豊富なITの知見を活かし、AIやIoTといった最新のテクノロジーを駆使してパレットプールシステムを自動化、効率化できる提案をいただけることにも期待しています」(堀江氏)

このページのトップへ

導入サービス

Arcstar Smart PBX

Arcstar Smart PBXは、PBXやビジネスホンを使用せずに、クラウド上にあるIP電話サーバによりPBX機能と内線機能を実現するクラウド型PBXサービスです。

詳しくはこちら
日本パレットプール株式会社

日本パレットプール株式会社

日本パレットプール株式会社

事業概要
1972年、日本にレンタル方式のパレットプールシステムを構築する理想を掲げて発足。パレットをはじめとする各種物流関連機器の提供を通じて保管、輸送などに関わる物流の効率化を支援している

URL
https://www.npp-web.co.jp


(掲載内容は2024年9月現在のものです)


関連リンク

注目の導入事例 最新のビジネスソリューション・ICT活用事例をご覧いただけます

このページのトップへ