2021年01月19日

ボトムアップで新規事業を創出!
社内ビジネスコンテスト「DigiCom」のDemodayを開催
入社1~2年目の若手社員が1位と2位を獲得

ライブ配信の画面(M-pipe)。
視聴者からのコメントや「いいね!」などのリアクションが、リアルタイムで画面上に表示される。

NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)が実施する社内ビジネスコンテスト「DigiCom(デジコン)」のDemodayが11月18日、フルオンラインで開催された。

今回で開催6回目となるDigiComは、今年から、本気で事業化を目指す社員のための新規事業創出コンテストとして生まれ変わった。7月末の予選会を勝ち抜いたチームが事業アイデアの仮説構築とユーザーインタビューを実施。そのうちの11チームがDemoday に出場した。本記事では、そのイベントの模様をお伝えする。

昨年の記事(DigiCom 2019)はこちら

ユニークで多様なアイデアを、各チームが発表

Demodayには丸岡社長をはじめ、多くの役員・幹部もTeamsから参加し、発表を盛り上げた。

審査員は、教育プログラムやメンタリングなど、出場者のサポートから参画している株式会社フィラメント代表取締役CEOの角勝氏と、NTT Comの工藤潤一取締役アプリケーションサービス部長、稲葉秀司取締役イノベーションセンター長が務めた。

出場した全11チームのうち、最優秀賞と2位を獲得した以下2チームの発表内容を紹介する。

「私たちは宇宙の通信キャリアを目指す」

「Space Tech」チームは、入社2年目の井上大夢さん(第四ビジネスソリューション部)が「Ground Segment as a Service」というアイデア名で発表した。

発表する井上さん(Space Tech)

20年後には200兆円市場と言われる宇宙産業。その宇宙産業すべてに必要なのは通信であり、「私たちは宇宙の通信キャリアを目指す」と断言した。

その実現には多くの課題がある。まず、通信時間が短いこと。衛星は地球の周りを流れ星のように回っており、1つの地上アンテナと通信できる時間は1日のうち長くてもたった40分しかない。また、通信経路の設定が煩わしいという課題もある。NTT Comが有する最先端の経路設定技術とNTTがもつ世界中の通信用設備の活用で高品質のデータ通信をストレスフリー、ワンポータルで提供が可能、と説明した。

「Space Tech」チームはこの半年間、さまざまな宇宙プレーヤーと話し合ってきたそうだ。その皆さんが一様に「ようやくですか、NTTさん。待っていました、一緒にやりましょう」と言ってくれたという。最後に井上さんは、「宇宙からの情報は新たな価値をつくり、世界をより豊かにしていくと確信しています。これからも“Space as a Service”実現に向けて活動を続けていきます」と宣言してプレゼンを終えた。

発表後の質疑応答では、NTTの宇宙事業に関するコメント(稲葉取締役)や、データ分析の要素も加えるとアイデアの強みになるといったアドバイス(工藤取締役)のほか、「幅広くインタビューし、『一緒にやりましょう』という言葉を引き出したのはすごい」(角氏)といった感想が述べられた。

同じ社宅の新入社員コンビ。オンラインの新人研修からアイデアを得る

「コロコロコロッナ」チームは、今年入社の2人組。宮岸大輝さん(NTT Ltd.)が「Tag Talk~話すきっかけが見つかるビデオパーティー」というアイデア名で発表した。

発表する宮岸さん(コロコロコロッナ)

まず、入社後の体験談を披露。完全オンラインの新人研修では、同期と話しながら帰ることもできず、感じるのは孤独と閉塞感。この経験は、これから多くの人が直面し続けていく課題でもあるとし、オンラインのビデオチャットを楽しくするためのサービス「Tag Talk」を思い付いたという。

複数のルームがあるビデオチャットの場合、ほかのルームの様子が分からなかったり、多人数でも話す人が限られてしまったりという課題がある。Tag Talkには新たな出会いのきっかけやルームの移動に役立つ機能を盛り込んだ。

ユーザーインタビューでは、実際にオンラインの婚活パーティーに潜入して話を聞いた。皆さんは総じて話のきっかけを求めていることが分かったという。ビデオチャットの市場は今後ますます拡大が期待される。Tag Talkのビジネスモデルは、イベントの主催者から直接サービスの利用料金をいただくというシンプルな仕組みだ。イベントコミュニティー管理サービスの創設者にインタビューしたところ、「データ利活用の点でタグの情報はマネタイズにつながる」と興味を持たれ、「サービスの精度次第ではTag Talkへのプロモーション協力も考えうる」との意見を頂いた。

質疑応答では、「2020年8月からスタートしたオンラインワークスペース“NeWork”の発想と非常に似ていると思いました。2人はどこで出会ってこのサービスをやろうと思い付いたんですか」(工藤取締役)、「どこと組んでこのサービスを提供したいですか」(稲葉取締役)という質問に対し、宮岸さんは「同じ社宅の同期で、DigiComに一緒に出てみないかと話す中でこのアイデアが生まれました。婚活パーティーやハッカソンなどのオンラインイベント主催者とのコラボや、B向けでは新人研修や社内の交流会向けに何かとパッケージ化した形で提供するのも手かなと思っています」と答えた。

この2チームのほかにも、多様なジャンルのユニークな発表が続いた。ライブ視聴数は延べ人数で651と予想以上に多く、それぞれのチームに対してさまざまな感想や応援メッセージが寄せられた。

受賞チームと喜びのコメント

全チームのアイデア発表後、表彰式が行われた。受賞したのは以下の4チーム。

なお、今年はコロナ禍でチームの集合写真を撮影できないため、皆の似顔絵をイノベーションセンター(以下、IC)の斉藤久美子さんが描き、代用した。そのイラストも併せて紹介する。

最優秀賞

チーム名:Space Tech

「Ground Segment as a Service」

Space Tech メンバー

IC斉藤さんによるメンバーのイラスト(以下、すべて同じ)

受賞チームからのコメント:

「宇宙は会社として馴染みの薄い分野です。しかし市場の展望は明るく、NTT Comの事業領域と非常に親和性が高い分野です。そこで新規事業として絶対に始めるべきだと考え今回参加しました。結果として『最優秀賞』の評価を頂きましたが、これからが本当のスタートです。皆さんの力を私たちに貸してください。一緒に宇宙を拓いていきましょう!」

2位

チーム名:コロコロコロッナ

「Tag Talk~話すきっかけが見つかるビデオパーティー」

コロコロコロッナ メンバー

受賞チームからのコメント:

「完全オンラインの新人研修で感じたことから生まれたアイデアを評価、そして表彰していただき、とてもうれしいです! アイデアについての日を跨いだ議論や、特許出願など、さまざまな経験を積むことができ、非常に濃い時間を過ごすことができました。関わってくれた全ての方に感謝いたします。Demodayは終わりましたが、私たちの活動は何も終わりません。コロコロコロッナは走り続けます」

3位

チーム名:Team Cats Me If You Can

「Smart Findingの世界観で実現する ネコドコサーチ」

Team Cats Me If You Can メンバー

受賞チームからのコメント:

「私たちのチームは『ある』はずのものが『ない』という不安感を解決するSmart Findingの世界観で2018年から毎年デジコンに参加しています。今回は3度目の挑戦で初めて決勝に進出し、3位に選んでいただいてとてもうれしいです。このアイデアを形にして、世界の猫ちゃんと飼い主が離れ離れになってもすぐにRe-Connectできる社会を実現できるよう頑張ります!」

審査員特別賞

チーム名:人生100年

「あたま定規 ―脳の健康 いつでも、どこでも、だれでも、声ではかる―」

人生100年 メンバー

受賞チームからのコメント:

「人生100年時代と言われる今、認知症は大きな社会問題です。われわれはNTTの強みである音声とAIによる認知機能チェックにより、誰でも簡単に短時間で認知機能を確認することで、認知機能を確認する習慣の浸透、認知機能のチェックが必要な業務への適用をしていきながら、『声による健康プラットフォーマー』を目指しています」

審査員講評

工藤取締役

表彰の後は審査員の講評に移った。工藤取締役は「全チームともレベルが高くて点差がつかず、ほぼすべてのチームが受賞に値すると言っても良いほどの内容でした。また、実体験に基づいたサービス提案は何よりも勝ることを実感し、併せて社会的課題の解決という意識を強く持っていることがよく分かりました」と感想を述べた。


角氏(フィラメントCEO)

フィラメントCEO角氏は「企業は社会を良くするための装置だと思っています。特に、NTT Comグループは公共性の高い企業。未来に向けた推進力とならなくてはいけません」と強調し、「今日のDemodayや事業のローンチはプロセスの一部。社会を良くするために、これからも精いっぱい伴走させていただきます。頑張っていきましょう」と出場者に呼び掛けた。


稲葉取締役

稲葉取締役は、「昨年よりも世界感とか、ビジネスモデルの仮説の期待感が大きくなった、というのが率直な感想です。また、オンラインでここまでできることにあらためて感動しました」と述べ、イノベーションセンターで運営しているBIチャレンジについても紹介(新規事業のアイデアは常時受け付けており、DigiComはその入口の一つ)。さらに「社外の方と共に新事業を考える”Open Innovation Program”は、今年からExTorch(エクストーチ)というブランド名で装いも新たに実施します」とアピールした。

この後、3つのグループに分かれてオンライン交流会が開かれた。ここにも丸岡社長はじめ多くの経営幹部が参加し、若手社員と一問一答のやりとりや活発な意見交換などが繰り広げられ、社員にとって大変有意義な時間となった。

イラストギャラリー

最後に、出場した7チームの似顔絵イラストを一挙紹介する。前述したとおり、これらはICの斉藤久美子さんによる描画。「NTT Graphic Recording Association」の一員として、さまざまなイベントでグラフィックレコーディングを行っている。

なお、12月18日、受賞チームを中心としたDemodayの開催内容が、CNET Japan に掲載された。

次は宇宙ビジネスに進出!?--NTT Comの新規事業創出社内コンテスト「DigiCom2020」開催レポート

また、2021年2月に開催されるオンラインイベント「CNET Japan Live2021」にてDigiCom事務局とDemoday入賞チームが講演を行う予定。

社員メッセンジャー

NTTコミュニケーションズイノベーションセンター プロデュース部門

斉藤 久美子

NTTドコモグループ新規事業創出プログラム「docomo STARTUP」、オープンイノベーションプログラム「ExTorch(エクストーチ)」などの事業創出をミッションとした施策の事務局を担当しています。社員のチャレンジを社内外に発信します!

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