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2022年11月24日、新ドコモグループの新規事業創出コンテスト「ZERO ONE DRIVE」のDemodayがOPEN HUB Parkにて開催され、上位5チームの事業アイデアの発表と表彰結果がNTTドコモグループ内にリアルタイム配信された。本記事では、Demodayの模様を報告する。
「ZERO ONE DRIVE」はNTTドコモ、NTT Com、NTTコムウェアの3社がこれまで進めてきた新規事業創出施策を融合したコンテストで、ドコモグループの社員が通常業務の枠を超え、自らのアイデアから新規事業を創出する。NTTドコモグループ行動原則「問い続けよう。踏み出そう。かけ合わせよう。」を体現する取り組みだ。
Demodayはまず、3社の代表取締役の開会あいさつでスタートした。続いて、事務局からZERO ONE DRIVEの取り組みの紹介や審査員の紹介などがあり、5チームの発表に移った。
発表1チーム目の「agri-relife」は、質の高い果実を作るために生育途中で間引かれる未熟な果実が、使い道がなく廃棄されてしまう課題に着目。農家から廃棄される予定だった果実を引き取り、食用以外の製品に加工し販売する仕組みを事業案として提案。アイデア起案者の切田さんは大学時代から農業の課題に興味を持ち、今回のアイデア検討でも実際にみかん農家さんと一緒に農作業をしながら課題の深掘りをしていった。
発表2チーム目の「Deaf Tech(デフテック)」は、チームリーダー/アイデア起案者の三浦悠里さんの聴覚障がい当事者としての自らの経験をもとに、聞こえない・聞こえにくいことによる日常の負の課題に着目。音声をリアルタイムに文字情報で伝えるサービスを提案。出願済特許(特願2022-186669)の音声認識技術を活用したサービスで、「聞こえない人・聞こえにくい人が『音声情報』から取り残されない社会」の実現をめざす。
発表3チーム目の「RehaTech(リハテック)」は、半年以上のリハビリを要する患者さんにとって健康保険では、充分なリハビリが受けられず(リハビリ期間制約など)、保険外の全額自費でのリハビリ(自費リハビリ)をするケースがあることに着目。自費リハビリ施設を探そうと思ったときに、施設探しに苦労しているという課題に取り組んだ。仮説検証インタビューでは、自費リハビリ施設の利用者だけでなく、施設側も認知/集客に課題を抱えていることが分かり、両者にWin-Winな自費リハビリ施設の検索プラットフォームを提案した。
発表4チーム目の「サニグラ」は、なりすましによる不正注文、転売というEC通販サイトの課題に対して、現在の本人認証方法は、本人性は高いもののカゴ落ち(途中離脱)のリスクが高い方法か、カゴ落ちのリスクは低いが本人性が低い方法の二極化していることに着目。音声SIMを使った本人認証により、本人性が高くカゴ落ちのリスクが低い、バランスの取れたセキュリティサービスを提案した。
発表最後のチーム「Sound Desert」は、経済的に厳しい状況に置かれている音楽アーティストの課題を解消するため、この解決策の一つとして、Web3(分散型インターネット)やNFT(非代替性トークン)を活用し、「推し活」というファンビジネスで顧客単価を最大化する方法に着目した。かつてレコードやCDが世界中で流通した世界観をWeb上に再構築し、二次流通、三次流通の売上の一部をクリエイターに還元する仕組みづくりをめざしている。
※2023年3月初旬に「Sound Desert」(β版)を展開予定
5チームの事業アイデアについては、ドコモグループの新規事業創出に関わる部署の4人が審査を実施、金賞、銀賞、銅賞を決定した。審査基準は「顧客は誰か」「課題の抱える課題は何か」「解決策は適切か」「優位性/新規性はあるか」「収益を得る仕組みが構築されているか」「市場規模が十分か」の6つ。また、ライブ視聴者によるオーディエンス賞の投票も実施した。
審査員講評では、「課題意識と熱意が伝わるプレゼンで優劣がつけがたかった」と評価しつつも、「競争優位性」や「マネタイズ」についてはさらなるブラッシュアップが必要というアドバイスがあった。また来年以降応募する人に向けて、日頃から生活の中で課題を探し続けることが大切だというメッセージもあった。
最後に、NTT Comの菅原英宗副社長が閉会の言葉を述べ、新ドコモグループとして初めて合同開催した「ZERO ONE DRIVE」のDemodayが終了した。コンテスト終了後は、事業化をめざし、さらに検証を進めていく予定だ。
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