CX改善の事例

お客さまの声で進化「ドコモビジネスオンラインショップ」

商品の探しやすさやポイント特典の分かりづらさが課題だった「ドコモビジネスオンラインショップ」。ユーザーインタビューやアンケートを繰り返し、使いやすいサービスへと進化中です。

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ワンストップサービスとして誕生「ドコモビジネスオンラインショップ」

「ドコモビジネスオンラインショップ」は、法人向けモバイルのほか、インターネット回線、業務を支援するICTサービスを取り扱う、法人向けECサイトです。

2022年1月に誕生したNTTドコモグループの法人事業ブランド「ドコモビジネス」の展開に伴い、複数に分かれていたECサイトを2023年7月に統合。オンラインでの注文受付のほか、商品・サービスについて不安なことがあればオンライン上で相談できる仕組みを導入し、2024年5月にリニューアルオープンしました。

ドコモビジネスのオンラインショップのトップページ ドコモビジネスオンラインショップ トップページ

サイトの運営や改善を担うデジタルマーケティング部 マーケティング部門の生山亜希子はドコモビジネスオンラインショップの役割についてこう語ります。

「ドコモビジネスオンラインショップは、企業規模やロケーションに関わらず、幅広いお客さまに会員登録していただけます。好きな時間に好きな場所からサービスを検討し、必要に応じてオペレーターにオンラインで相談しながら商品を購入できる。そんな、気軽に日常使いしてもらえるサイトをめざしています」(生山)

ドコモビジネスオンラインショップのメリット

お客さまの動きから見えてきたドコモビジネスオンラインショップの課題

しかし、リニューアル後、サイトの利用状況を分析していく中で、いくつかの課題が浮かび上がってきました。同グループの山木戸啓美は話します。

「当初は、特に需要の高い『モバイル商材』を探しやすいよう、画面のインターフェイスやページ構成、メニュー表示などを設計していました。しかし、サイトに訪れたお客さまの動線を見ていると、機種が多すぎて探しづらそうな様子が見受けられたのです。また、ネットワークやSaaS・ソリューションなど、モバイル以外のサービスに関しても、探しやすさが課題でした」(山木戸)

「商品の探しやすさ」「会員登録の分かりやすさ」に対する改善要望は、社内からも多く寄せられました。

ほかにも、会員登録方法として「ビジネスdアカウントでの登録」と「メールアドレスでの登録」の2種類を用意していたものの、特典のある「ビジネスdアカウントでの登録」が伸び悩んでいるという課題も顕在化します。

これらの課題に対応するため、生山と山木戸のチームは2024年度、段階的なCX改善施策を計画。UI/UXの最適解をデザイン思考で導く社内のデザイン専門チーム(KOEL*)の支援を受けながら、ユーザーインタビューやアンケートを通じたお客さまの声の収集・分析を行い、改善を進めています。

* KOEL DESIGN STUDIO by NTT Communications:NTTコミュニケーションズのイノベーションセンター内に2020年に創設したデザイン組織。「人や企業に愛される社会インフラをデザインする」をビジョンとして掲げ、デザイン業務の支援や実践、組織的なデザイン業務の浸透などを行っています。

改善施策①:ユーザーインタビューにより改善点を抽出

ドコモビジネスオンラインショップのCX改善施策の第1弾として行ったのは、ユーザーインタビューです。サイトの使用経験がない被験者3名にご協力いただき、実際に画面を操作してもらいながら課題を洗い出しました。

「ドコモビジネスオンラインショップからiPhone 15を購入してください」というシナリオを用意し、それに沿った操作ができるかどうか、モニタリングしていきます。「あれ、どこにあるんだ?」「ああ、これか」など、被験者が操作中に口にした"つぶやき"も含めて観察。実施後に、被験者にインタビューも行いました。

すると、商品をカートに入れて申し込むところの過程はスムーズである一方、その手前の「目的の商品にたどり着くまで」に苦戦していることが分かりました。

会員登録に関しては、ほとんどの方が「メールアドレスでの登録」を選択。その理由として「ビジネスdアカウント自体が分かりづらい」「説明が多すぎて理解が難しい」といった声が挙がりました。

「ユーザーインタビューの内容を分析した結果、サイト上の情報整理ができていないという課題が確認できました。情報過多や文字の多い状態から、直感的に分かりやすいデザインへの改善を進めていく必要がありました」(山木戸)

そこで、重点課題と改善案を整理。画面のインターフェイスを改善したほか、サイト内のデザインを統一できるよう、ドコモビジネスオンラインショップのデザインガイドラインを作成し、サイト制作で連携している制作会社に展開しました。

ドコモビジネスオンラインショップの改善としては、主に以下を行っています。
・トップページのファーストビューの配置を変更し、サービスを探しやすく改善
・モバイル商材の特集ページを新設し、機種ごとの詳細ページへ遷移しやすい導線を設置
・ビジネスdアカウントによる登録に誘導できるよう会員登録画面の表示を改善

こうした取り組みにより、モバイルトップページから機種ごとの詳細ページへ遷移するリンクのクリック率(CTR)が向上したほか、モバイル以外のサービスページへのアクセス数の増加、サイトからの離脱率減少といった効果が表れました。

モバイルトップページでの改善例 モバイルトップページでの改善例

改善施策②:動画を活用 複雑な手順やサービス解説を分かりやすく

ドコモビジネスオンラインショップの改善策 第2弾では、購入・利用されたお客さまがどういった点に分かりづらさを感じていらっしゃるのかを具体的に把握するため、会員登録、商品検索、オンライン相談、カート注文まで、購入における全プロセスについて、利用者を対象としたアンケート調査を1カ月間実施しました(2024年10月21日〜11月21日)。

その結果を分析したところ、ビジネスdアカウントの登録手続きが分かりづらいという声が引き続き多くあったほか、サービスによって注文の流れが異なることへの指摘もいただきました。会員登録については、「ビジネスdアカウントを開設するメリット」「ポイント特典」が伝わりづらく、手続きの途中で断念してしまう人が一定数いる状況でした。

そこで、「ご利用ガイド」の改善に着手したほか、12月から新たに動画を活用した手順やサービス内容の解説をサイト内に掲載することにしました。

「お客さまに分かりやすくお伝えしたいと思っていても、文言やイラストだけではイメージしてもらいづらかったり、長いスクロールが必要になったりするケースもあります。それではお客さまにとってはストレスですので、説明内容を2~3分の動画にまとめ、理解してもらいやすい形でご案内をしていく方法を取ることにしました」(山木戸)

動画の掲載は 2024 年 12 月からスタート(動画の一場面のキャプチャー) 動画の掲載は2024年12月からスタート(動画の一場面のキャプチャー)

サイトの使いやすさ お客さまの評価は11%向上

ドコモビジネスオンラインショップではCX改善施策を行う前と後で、お客さまに対して、サイトの使いやすさに関するアンケート調査も実施しています。

第1弾の改善施策の前は、「非常に使いやすい」「使いやすい」というポジティブな回答の割合は32.9%だった一方で、「使いにくい」「非常に使いにくい」というネガティブな回答が65.8%に上っていました。

しかし、第1弾の改善後は、ポジティブな回答の割合が43.9%に向上するなど、改善効果が見られています。今後、動画などを活用した分かりやすい解説を実現することで、どのようにお客さまの反応が変わっていくのか、こうした変化の値もモニタリングしながら、引き続き改善を重ねることにしています。

サイトの使いやすさ お客さまの評価は11%向上

さらに、ドコモビジネスオンラインショップでは、第3弾の改善施策も進行中です。再度のユーザーインタビューですが、初回よりも被験者を増やし、シナリオも初回同様の「モバイル端末を購入する」に加えて、「自由にサイトを操作し、何かのサービスを購入する」という2つのパターンで検証を行います。

「これまでの改善効果を確認すると同時に、先入観なく自由に使っていただく場合に、お客さまがどのような動きをされるのか、サイトのどこに目が行くのか、といった新たな気づきを得られるのではと期待しています」(山木戸)

さらなる使いやすさを実現し、中堅・中小企業のDX推進をサポート

ドコモビジネスオンラインショップのリニューアルから半年超。登録会員数は、統合前の各サイトを合計した登録数と比べても、数万件規模で増えています。

今回ご紹介した改善施策だけでなく、世の中のトレンドを反映した表示や、注目のトピックをタイムリーに取り上げるコンテンツの提供、独自のキャンペーンの企画などを展開し、お客さまのニーズの掘り起こしや商品・サービスへの理解の促進も図っています。

全国にあるNTTコミュニケーションズの支社・支店のメンバーや、営業活動で連携している株式会社ドコモビジネスソリューションズ、販売代理店各社の皆さんともさらに連携を深めながら、対面でのご案内に加えて、ドコモビジネスオンラインショップを通じた非対面でのお客さまとのつながりを強化していくことにしています。

「私たちは、ドコモビジネスオンラインショップが中堅・中小企業、地域社会のお客さまとの大切な接点と捉えています。会員基盤にもとづくマーケティング活動やオンライン相談、さまざまなアンケート調査などを通じて、お客さまのニーズや商品・サービスへの期待を把握し、お客さまの人材不足解消・生産性向上・売上拡大といったビジネスでの課題の解決をサポートしていきます。ぜひドコモビジネスオンラインショップをご利用ください」(生山)

中堅・中小企業のDX推進をサポートするドコモビジネスオンラインショップは、お客さまの声に真摯に耳を傾けながら、今後もより使いやすいサービスへと進化を続けていきます。

ソリューション&マーケティング本部 デジタルマーケティング部 マーケティング部門 担当課長 生山亜希子
ソリューション&マーケティング本部
デジタルマーケティング部 マーケティング部門 担当課長
生山 亜希子

「ドコモビジネスオンラインショップ」の企画・運営を統括しています。2024年5月にリニューアルオープンしてから、お客さまのDX推進をサポートするサービスのご提供に加え、何度も利用したくなる顧客体験をご提供できるよう、CX向上に日々取り組んでいます。

ソリューション&マーケティング本部 デジタルマーケティング部 マーケティング部門 山木戸啓美
ソリューション&マーケティング本部
デジタルマーケティング部 マーケティング部門
山木戸 啓美

「ドコモビジネスオンラインショップ」の企画・運営を担当しています。中堅・中小企業および地域のお客さまのDX推進をサポートするサービスの新規取り扱いをはじめ、販売推進およびマーケティング・広報活動に日々取り組んでいます。日常的にご利用いただけるサイトをめざしています。

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