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IPネットワーク運用者向けオペレーションシステム
「トラフィック解析ツール」の提供について
~トラフィック解析および異常トラフィック検知・防御補助を実現し負担を軽減~
NTTコミュニケーションズ(略称:NTT Com)は、IPネットワークにおけるトラフィック収集・解析およびDDoS攻撃*1などの異常トラフィック検知・防御補助を実現する「トラフィック解析ツール」の提供を平成20年8月4日より開始します。
1.提供背景
近年IPネットワークへの攻撃件数は増加傾向で、平成19年に国内で確認されたDDoS攻撃の件数は約1万2000件(警察庁調べ)に上り、IPネットワークを運用するISPやデータセンター事業者などのお客さまより攻撃対策ツールを求める声が上がっています。
そのようなお客さまの要望を受け、NTT Comは、NTT情報流通プラットフォーム研究所と連携して進めている安定したネットワーク運用を実現するオペレーションシステム開発の第一弾として、IPネットワークの運用を行っているお客さま向けに「トラフィック解析ツール」の提供を開始します。
2.本システムの概要(別紙1参照)
トラフィック解析ツールは、NTT Comの提供するネットワーク運用システムです。
本システムをお客さまネットワーク内に設置することにより、以下の機能を提供します。
(1) DDoS検知・防御補助
〔1〕 | ネットワークの監視を行い、異常トラフィックを検知し、ネットワーク運用者に通知 |
〔2〕 | リアルタイムに異常トラフィックの検知・防御状況をユーザ専用ポータルで閲覧可能 |
〔3〕 | 異常トラフィックに対し、お客さまの防御装置と連動して、ユーザ専用ポータルより防御設定を簡単に行うことが可能。 |
(2) トラフィック解析
〔1〕 | AS番号、IPアドレス、ポート番号、インターフェースなどの監視レポート機能を活用し、トラフィック解析が可能。 |
〔2〕 | レポートはCSVファイル*2で保存ができ、ダウンロードが可能。 |
3.本システムの特長
(1)利用しやすい日本語のユーザ専用ポータルサイト(別紙2参照)
他社にはない日本語での画面表示で、容易に異常トラフィックの検知、トラフィック解析、防御設定が可能です。また、これらのトラフィック解析を活用し、早期に設備設計を計画することもできます。
その他にも、グルーピング、アクセスログの管理、権限の付け外しなどユーザ管理機能も充実しているため、お客さまのエンドユーザに対して、ポータル機能を切り分けて提供できます。
(2)高いDDoS攻撃解析と防御連携機能
DDoS検知にあたり、異常トラフィックの特性を簡単に理解できる閾値が表示されるため、検知したDDoS攻撃の情報を細かく解析することができます。
またユーザ専用ポータルサイトとお客さまの防御装置を連携し、サイト上でワンクリックするだけで防御装置の遠隔操作を行い、迅速にDDoS攻撃対策を行うことが可能です。
(3)ルータ100台まで監視でき、大規模ネットワークにも対応可能
100台までのルータを同時に監視することができます。他社では対応できない大規模なネットワークにも本ツール1台で柔軟に対応可能です。
(4)ネットワーク運用者の稼働を劇的に削減可能※
実運用に即した利用しやすい仕様となっているため、ネットワーク運用者の異常トラフィック検知・防御およびトラフィック解析業務を大幅に削減することが可能です。
4.提供内容
(1) 提供形態
ソフトウェアとハードウェアが一体のアプライアンスBOXとしての提供になります。
*ご希望により、アプライアンスBOXの保守サービスも提供可能です
*防御装置については、オプションサービスにて弊社より提供可能です
(2) 提供エリア
日本国内
(3) 受付開始日
平成20年8月4日(月)
5.今後の予定
お客さまニーズや市場動向を踏まえ、海外での提供を予定しております。また、引き続きNTTグループとしてNTT研究所と連携し、ネットワーク運用システムを順次開発・提供予定です。
* | 1:DDoS攻撃(ディー・ドス コウゲキ・Distributed Denial of Service Attack) インターネット上の複数の第三者のパソコン、サーバーに攻撃プログラムを仕掛け、特定のサーバーを標的に大量の情報を送りつける攻撃。サービス妨害(DoS攻撃)に対して、分散サービス妨害ともいわれる。 |
* | 2:CSVファイル データをカンマ(",")で区切って並べたテキストのファイル形式です。汎用性が高く、異なるアプリケーション間のデータ交換に利用できます。 |
<※参考:商用化前フィールドトライアルでの実績>
・異常トラフィック検知・制御作業
本システム導入前に80分かかっていた作業が20分で可能となり、75%の時間短縮を実現。
・トラフィック解析関連作業
ユーザ専用ポータルサイト利用により作業が簡略化され、作業時間が導入前と比較して90%程度削減。