特定非営利活動法人パンゲア
財団法人ハイパーネットワーク社会研究所
児童の参加でベトナム農村地域の生産性を向上
日本発のICT技術による開発支援「YMC-Viet Project」実験開始について
-ベトナムの児童が携帯電話やインターネットを利用して
ベトナムの農家と日本の農業専門家のコミュニケーションを実現-
NTTコミュニケーションズ株式会社(以下:NTT Com、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:有馬彰)、特定非営利活動法人パンゲア(以下:NPOパンゲア、所在地:京都府京都市、理事長:森由美子)、ハイパーネットワーク社会研究所(以下:ハイパー研、所在地:大分県大分市、理事長:公文俊平)は、総務省ユビキタス・アライアンス・プロジェクト(※1)の一環として、「ベトナムにおける児童を媒体とした農業支援システムを活用したサービスモデルの実証実験(YMC-Viet Project)」(以下、本実験)を実施します。
1.実証実験の背景
成人識字率の低い家庭が多いベトナムの農村地域において、識字率の高い児童が、携帯電話やインターネット、NPOパンゲアが主唱・提供する翻訳機能等を有した<YMC (Youth Mediated Communication) システム(※2)>を利用し、日本の農業専門家と、親世代のベトナムの農業従事者のコミュニケーションを仲介することで、農業の生産性の改善に役立つ仕組みを実現するものです。
2.実証実験概要
(1)概要
途上国の社会・経済ニーズに応えるモデル事業として、識字率の低い農村であるベトナム国ヴィンロン省トラオン地域において、児童を介して、日本の農業専門家から稲作に関する情報を現地農業従事者に提供、情報共有を行うモデルシステムを構築します。
ベトナムの農村地域に構築されたICTセンターでは、センターの端末を使って、稲作を行っている家庭の児童が収集した温度・湿度・稲の育成具合、農業従事者である両親からの質問等の情報をYMCシステムに入力します。この情報は、<言語グリッド>(※3) 上の翻訳システムによってベトナム語から英語および日本語に翻訳されます。日本の農業専門家は、これらの情報を閲覧し、再びシステムを経由して稲の育成状況に合ったアドバイスを提供します。このアドバイスは日本語から再び英語、ベトナム語に翻訳されます。翻訳にあたっては、児童がより理解しやすい言葉になるよう、Bridger(ブリッジャー:橋渡し役)と呼ばれるメンバーがオンラインのサポートを行います。これにより、ベトナムにおける稲の増産に加え、安定的で安全安心で高品質な稲作の実現が期待できます。
(2)体制
本実験は、ベトナム農業農村開発省の協力を得て、以下の体制で実施しています。
- プロジェクトマネージャー:NTT Com
- YMCシステムの開発・提供:NPOパンゲア
- 農業専門家としての知識提供:農研機構中央農業総合研究センター、東京大学附属生態調和農学機構、学校法人東京農業大学、国立大学法人三重大学
- プロジェクト全体の評価、支援:ハイパー研
- 現地通信設備およびサーバープラットフォーム:NTT Communications(Vietnam)Limited、Global Data Service Joint Stock Company (略称GDS)
3.実験スケジュール
2011年2月16日~2011年3月31日
4.その他
デモンストレーションを含むオープニングセレモニーを以下の通り、開催します。
【セレモニー詳細】
日時:2011年3月3日 10:00~13:00
場所:REX Hotel(レックス ホテル)
141 Nguyen Hue Blvd., Ho Chi Minh City, Vietnam
Tel: (84 8) 38292185 Fax: (84 8) 38296536
概要:プロジェクト概要説明プレゼンテーション、実験の様子を映像で紹介、YMC システムのデモンストレーション