2013年2月19日
アジア主要都市を高信頼・低遅延でつなぐ光海底ケーブル
「Asia Submarine-cable Express」の香港ルート運用開始について
NTTコミュニケーションズ(略称:NTT Com) は、Telekom Malaysia(本社:マレーシア)、PLDT(本社:フィリピン)、StarHub(本社:シンガポール)と共同で建設を進めてきた、アジア主要都市を結ぶ高信頼・低遅延*1の大容量光海底ケーブル「Asia Submarine-cable Express」 (略称:ASE)について、香港向けのルートが完成し、2013年2月8日より運用開始しました。これにより、ASEは、2012年8月20日に運用開始した日本・マレーシア・フィリピン・シンガポールを結ぶルートを含め、当初予定していた全てのルートが開通したこととなります。
NTT Comは、ASEの高信頼性や低遅延性を活かし、企業向けのArcstarグローバル専用サービス、Arcstar Universal One、グローバルIPネットワークサービスなどを拡充していきます。
1.香港ルートの特長
香港は、シンガポールと並び、アジア地域の経済活動の中心である国際金融都市であり、高スペックな通信インフラが求められます。
ASEの香港ルートは、NTT Comが香港 将軍澳(チュンクワンオウ)に建設した「香港TKOデータセンター」(2013年春に提供開始予定)に直接陸揚げされており、そのままデータセンターのサーバールームと直結しています。これにより、アジア主要都市と香港TKOデータセンターを結ぶネットワークサービスを、従来よりも低遅延かつ低コストで提供できるようになります。また、NTT Comが自ら保有する海底ケーブルとデータセンターのもと、ネットワークサービスやクラウドサービスなどを一体的に提供できるため、お客さまはより信頼性の高いグローバルICT基盤の構築が可能となります。金融商品の高頻度取引*2などマイクロ秒*3を争う金融機関のお客さまにも最適です。
2.今後の展開
NTT Comでは、今後、主に東南アジア(特にメコンエリア)に、ASEの陸揚げ国を拡大していく予定です。また、グローバルデータセンターも一層拡充し、高品質なネットワークサービスとデータセンター、クラウドサービスをエンド・エンドかつワンストップで提供していきます。
(参考) ASEの概要
ASEは、地震や台風といった自然災害の多発地域である台湾南沖バシー海峡付近を回避するとともに、日本から香港、シンガポールまでのケーブル敷設距離を最短ルートで設計することで、高い信頼性と低遅延を実現しています。
- 総延長:約7,800km
- 設計容量:15Tbps以上
- 陸揚げ地:日本、フィリピン、シンガポール、マレーシア、香港
- 参加通信事業者: NTT Com、Telekom Malaysia、PLDT、StarHub
- ケーブルルート:別紙参照
関連リンク
- NTT Com グローバル Watch Vol.3 「アジアの金融市場の成長を支える、低遅延ネットワークと高機能データセンター」
- (ニュース)アジア主要都市を高信頼・低遅延でつなぐ光海底ケーブル「Asia Submarine-cable Express」の運用開始について(2012年8月9日)
*1: IP網などで,パケットを送出して相手先に届くまでの時間を遅延値といい、低遅延とはより早くパケットが相手側に届くこと
*2:プログラムにより自動的に株などの金融商品を取引する「アルゴリズム取引」のうち、小口注文を高頻度で行う取引。HFT(High Frequency Trading)とも呼ばれる。
*3: 100万分の1秒