2014年6月12日
アジア主要都市を高信頼・大容量・低遅延でつなぐ光海底ケーブル
「Asia Submarine-cable Express」のカンボジアへの拡張について
NTTコミュニケーションズ(略称:NTT Com)は、2014年6月12日、アジア主要都市を結ぶ大容量光海底ケーブル「Asia Submarine-cable Express」(略称:ASE)のルートを拡張し、カンボジアへの接続を実施することについて、Chuan Wei (Cambodia) Co. Ltd.(略称:Chuan Wei、本社:カンボジア)と合意しました。
今後NTT ComはASEのカンボジア向けルート敷設の準備を進め、成長著しいメコンエリアを拠点とする企業に対し、高信頼・大容量の通信環境を提供します。
1.ASEカンボジアルート敷設の背景
カンボジアにおいては、同国政府による外資企業の誘致政策などを受けて、グローバル企業の積極的な進出が続いています。タイのバンコクからベトナムのホーチミン市を結ぶ南部経済回廊の中心に位置し、経済成長の著しいこのエリアでは、企業活動の活性化に伴い急増しつつある通信需要を支えるため、信頼性が高く大容量のネットワーク環境が求められています。
NTT Comは、今回の合意により、国際光海底ケーブルの接続が実現していないカンボジアにおいて、世界に先駆けてその実施に着手します。これにより、カンボジアのみならず、メコンエリア各国と、シンガポール、香港、日本等のアジア主要都市間で高信頼・大容量の通信環境を提供します。
ASEのカンボジア国内への接続によって、同国内でも、インターネットをより安定した品質で利用できるようになります。
2.今後の展開
NTT Comは、デジタルコヒーレント技術*を活用した100Gbps光伝送システムの光海底ケーブルへの導入を進めており、世界中で高速かつ安定した通信を実現するためのICTインフラの拡充に努めています。
また、今後も東南アジア各国にASEの接続地点を増やしていくとともに、グローバルデータセンター(Nexcenter)も一層拡充します。これにより、高品質なネットワークサービスだけではなく、データセンターやクラウドサービスも一体として、エンド・エンドかつワンストップでの提供を可能にします。
(参考) ASEの概要
ASEは、高い信頼性と低遅延を実現した大容量光海底ケーブルです。地震や台風といった自然災害の多発地域である台湾南沖バシー海峡付近を回避するとともに、日本から香港、シンガポールまでのケーブル敷設距離を最短ルートで設計しています。
- 総延長:
- 約7,800km
- 設計容量:
- 15Tbps以上
- 陸揚げ地:
- 日本、フィリピン、シンガポール、マレーシア、香港
- 参加通信事業者:
- NTT Com、Telekom Malaysia、PLDT、StarHub
*:複数の位相(波の形)だけでなく、光の持つ性質の1つである偏波状態にも信号をのせることが可能なため、1波長に100Gbpsの大容量情報をのせて伝送できる。また、デジタル信号処理と組み合わせることで高い受信感度を実現するため、より多くの100Gbps高速信号を同時に伝送でき、かつ長距離ルートでの利用も可能になる。