2014年9月11日
本田技研工業、NTT Comのクラウドを採用
大容量CADデータの高速流通基盤をグローバルで実現し、
世界6極同時の製品開発・調達・生産を加速
~従来型サービスに比べ、30%のコスト削減、最大14倍のデータ共有高速化を実現~
NTTコミュニケーションズ(以下:NTT Com)は、本田技研工業株式会社(以下:Honda)のグローバル戦略パートナーとして、世界6極*1のHonda拠点や約10,000社のサプライヤーが利用する、製品や部品のCAD*2データなど大容量データを高速に共有・加工できる機能を、NTT Comが世界9カ国/地域・11拠点に基盤を展開するクラウド「Bizホスティング Enterprise Cloud」上で提供しています。
これにより、サプライヤーネットワーク・システムのグローバル共通化を進め、地域毎の製品開発・調達・生産をより安価・迅速に実現しています。
主にAPACエリアでの利用を想定した日本とシンガポール基盤の提供を2013年より開始しており、従来利用していたサービスと比べて年間コスト30%削減およびデータ共有速度最大14倍向上を確認しています。今後、他地域の基盤への拡大も検討中です。
1.背景
世界6極/54カ国にグループ会社を展開して自動車事業拡大を進めるHondaは、2011年より、地域毎の需要に即した商品を競争力のある価格で迅速に市場投入するため、世界6極に存在するHondaグループが、相互に連携しながらも、それぞれが同時に開発・調達・生産を行うことができる体制の構築を推進しています。一方で、開発や部品調達にかかわる業務にて、世界の部品メーカー各社との間でやりとりされるCAD等の大容量データは、地域ごとに個別仕様で構築されたファイル転送システムなどで運用されており、セキュリティレベルのばらつき、地域間のデータ転送時の遅延、業務やシステム導入にかかる時間やコストの増加などにつながっていました。
同社のこれらの課題を解決するため、NTT Comは、システム導入にかかる時間やコストを削減できるクラウド基盤で、地域ごとに仕様の異なるシステムを共通化できる「Bizホスティング Enterprise Cloud」などを活用したトータルソリューションを提供しています。
2.クラウド型ファイル高速転送基盤の特長と導入効果
(1)CADなどの大容量ファイルを快適に送受信する高速ファイル転送システム
ファイル転送システムが稼働するクラウド基盤はすべてNTT Comの提供する高品質の企業向けネットワークサービス「Arcstar Universal One」に直結しており、地域を跨ぐ基盤間の転送はこのネットワークを経由することで高速転送を実現しています。従来のファイル転送システムと比較して、グローバルでの高速データ共有が可能となり、世界6極に存在するHondaグループが開発や部品調達にかかわる業務で利用する個別システムを、グローバルレベルで共通化するだけではなく、業務スピードの向上を実現しています。
(2)グローバルレベルで標準化されたセキュリティ機能
地域ごとに個別仕様で構築されたファイル転送システムをグローバルクラウド環境に移行するにあたり、Camellia*3によるファイル暗号化およびSSL*4による通信経路の暗号化を一元的に適用することで、グローバルレベルでのセキュリティポリシー標準化を実現しました。
(3)グローバルに展開するクラウド基盤上でのサービスであり、迅速かつ安価な利用が可能
高品質なグローバルネットワークで相互接続される、9か国/地域・11拠点で展開しているNTT Comのクラウド基盤上で稼働するサービスのため、世界6極どの地域からでも柔軟性の高いグローバルクラウド環境を安価に、快適に利用できます。これにより、従来、日本国内やタイのHondaグループ各社がシステム導入にかかっていた納期の90%短縮および年間コストの30%削減が実現しました。
<クラウド移行完了後のシステム構成イメージ>
3.今後の展開
NTT Comは、Hondaのグローバル戦略パートナーとして、Hondaの自動車事業を支えるICT基盤をグローバルレベルでクラウド化するだけではなく、自動車業界のグローバルスタンダードサービスとなりうるクラウド基盤を提供していきます。
(参考)
本田技研工業株式会社 http://www.honda.co.jp/
所在地 | 〒107-8556 東京都港区南青山2-1-1 |
代表者 | 代表取締役 社長執行役員:伊東 孝紳 |
資本金 | 860億円(2014年3月末現在) |
設立 | 1948年(昭和23年)9月 |
関連リンク
*1:日本、北米、南米、欧州、中国、アジア。
*2:製品の設計や製図にかかわるデータ。
*3:世界最高水準の暗号化技術。ISO/IEC国際標準暗号、欧州連合推奨暗号(NESSIE)、IETF標準暗号等多くの国際標準暗号・推奨暗号に採用されている。
*4:Secure Sockets Layerの略。インターネット上で情報を暗号化して送受信するプロトコル。