2016年5月16日
マイナンバーカードを利用した認証プラットフォームサービスの提供に向けた総務大臣の認定を取得
〜オンライン商取引やFinTechサービスの安全な本人確認や認証に活用可能〜
NTTコミュニケーションズ株式会社(以下:NTT Com)は、マイナンバーカード(個人番号カード)*1を使って公的個人認証サービス*2 (Japanese Public Key Infrastructure 以下、「JPKI」)を利用することができる認証プラットフォームサービスの2016年9月からの提供に向けて、本サービスの提供に必要な総務大臣の認定を取得しました。
本サービスは、Webサイトにおけるサービス契約やオンラインバンキングの口座開設など、本人確認が必要なケースに活用できるオンラインサービス事業者向けの認証プラットフォームサービスです。本サービスを利用することで、マイナンバーカードを使ったセキュアな認証を、自社のWebサービスやオンラインバンキングなどへ容易に採り入れることが可能になります。
1. 背景
マイナンバー制度の開始に伴って、2016年1月より、オンラインサービスにも利用できる公的な身分証明書としてマイナンバーカードの交付が始まりました。これに伴って、従来「e-Tax (国税電子申告・納税システム)」などの行政サービスで利用されていたJPKIが民間事業者に開放され、ビジネスにおけるJPKIの利用が可能になりました。ただし、JPKIのシステムに接続するためには、高度なセキュリティ対策などの厳しい基準を満たす必要があります。
NTT Comはこのような背景を踏まえ、総務大臣認定済みの認証プラットフォームをサービスとして提供します。これによって、オンラインサービス事業者の方は、マイナンバーカードを利用した認証手段を手軽に導入できるようになります。
2. 概要
本サービスは、マイナンバーカードのICチップ内に格納された電子証明書などを活用し、電子署名情報の有効性を検証するプラットフォームサービスです。カードリーダーが読み取った電子証明書を公的個人認証サービスセンターが発行する失効情報と照合することなどにより、有効な電子署名情報であるかどうかを検証します。
3. 特長
(1) API接続で簡単に利用可能
APIを介して、本サービスと既存のサービスを簡単に接続することができます。事業者は、JPKI用のシステムを構築したり、総務大臣認定取得の手続きを行ったりすることなく、簡単に本人確認機能を利用することが可能です。
(2) サービス利用者、サービス提供事業者双方の手間を大幅に削減
カードリーダーにマイナンバーカードをかざし、暗証番号を入力するだけで本人確認が完了します。従来、免許証などの確認書類を写真に撮ってアップロードしたり、郵送したりしていた手間が大幅に削減でき、書類の誤記入を防ぐことも可能です。
事業者側にとっては、情報の確認や管理の稼働も大幅に削減することができます。
<参考>MVNO事業者による活用例
音声対応SIMカードの販売時には、携帯電話不正利用防止法によって本人確認が義務付けられています。この本人確認に本サービスを活用することで、MVNO事業者側のオペレーション稼働やコストが削減できるほか、サービス利用者の利便性も向上します。
なお、NTT Comのスマートフォン向け高速LTE通信SIMカード「OCN モバイル ONE」(音声対応SIM)の販売時において、本サービスを用いたマイナンバーカードによる本人確認の自動化を今後検討していきます。
*1:マイナンバーカードは、希望者本人の申請により交付され、マイナンバー(個人番号)を証明する書類や本人確認の際の公的な身分証明書として利用することができるICカードです。
*2:公的個人認証サービスとは、インターネットを通じて安全・確実な行政手続き等を行うために、他人によるなりすまし申請や電子データが通信途中で改ざんされていないことを確認するための機能を提供するサービスです。
関連リンク
2016-R045