2016年5月25日
ネットワークカメラとクラウドのセキュアな接続をNTT Com のVPN接続用アプリケーションによって実現
NTTコミュニケーションズ(以下:NTT Com)は、ネットワークカメラとクラウドとのセキュアな接続をインターネットを介して容易に確立する動作検証について、2016年3月より検証を開始し、2016年5月に接続に成功しました。
本検証においては、ネットワークカメラ市場で世界最大のシェアを誇るアクシスコミュニケーションズAB(本社:スウェーデン、代表者:Ray Mauritsson 以下:Axis)の製品を活用し、NTT Comが開発したVPN*1接続用アプリケーションをAxisのカメラアプリケーション・プラットフォーム「ACAP」*2上で稼働させました。
「ACAP」は、数多くのAxis製ネットワークカメラが対応しているオープンプラットフォームです。今回の検証においては、「ACAP」対応ネットワークカメラにVPNアプリをインストールすることで、既存のインターネット回線上からVPNを利用したセキュアなクラウド接続を簡易に行うことに成功しました。
NTT Comは今後、他のカメラメーカーやアプリケーションプロバイダーと共に、同様の検証に取り組んでいきます。また、グローバルネットワークとネットワークカメラを組み合わせた新しいカメラクラウドソリューションを、広く世界中のお客さまに提供していきます。
なお本取り組みについては、「Interop Tokyo 2016」(2016年6月8日〜10日、於:幕張メッセ)に参考出展します。
<接続検証のイメージ>
1. 背景
社会における防犯などのセキュリティ意識が高まる中、コストの低下などを背景に、ネットワークカメラの普及が拡大*3しています。また、これらネットワークカメラはデジタル化などの高度化が進み、その用途もまた拡大しています。例えば、店舗や倉庫の映像をクラウド経由で本部からモニタリングすることでロジスティクスの効率化を図ったり、店舗を訪れた顧客の動きを分析しセールスの強化に活用したりといった形で、ビジネスへの浸透が急速に進んできました。
一方で、サイバーセキュリティ対策の施されていない監視カメラが外部から“覗き見”されたり、第三者の不正アクセスによる遠隔操作を受けたり、さらにはマルウェア(悪意のあるソフトウェア)に感染させられて情報漏洩を起こすといった問題が顕在化しています。
NTT Comは、今後ネットワークカメラを活用したビジネスの進展にむけて、サイバーセキュリティ対策が重要な課題となっていることを踏まえ、今回の検証を行いました。
2. 接続検証の内容
NTT Comは、ネットワーク仮想化技術によって、既存のネットワーク上にセキュアなVPNを迅速に構築できる「Arcstar Universal One Virtual」を提供しています。同サービスは、アダプタの設置やアプリのインストールのみで簡単・迅速・安価にVPNを利用できることが特長で、お客さまのネットワーク環境を問わずに導入できる高い汎用性を備えています。
今回の検証では、「Arcstar Universal One Virtual」のアプリケーションをACAPに対応したAxisのネットワークカメラにインストールし、NTT Comのクラウド基盤との間でセキュアなデータ通信ができることを確認しました。
これにより、広く普及しているACAP対応のネットワークカメラに対し、アプリをインストールするだけで簡単・迅速・安価にVPNを構築できることが実証されたため、今後多数のネットワークカメラの導入を想定している企業の場合でも、それらを簡単にセキュアなVPN対応のカメラとして活用することが期待できます。
3. 今後の展開
NTT Comは、本検証内容を踏まえ、グローバルなサービス提供や、多拠点に設置されたネットワークカメラとクラウド基盤や各種マネージドサービスとの連携、映像解析技術やAIなどの先端技術の活用などを検討していきます。また、他のカメラメーカーやアプリケーションプロバイダーと共に、同様の検証を継続していきます。
こうした取り組みを通じて、多拠点カメラクラウドの高度利活用による、お客さまのデジタライゼーション推進と、安心安全便利な社会の実現を目指していきます。
[別紙] 「多拠点カメラクラウドの高度利活用イメージ」参照
*1: Virtual Private Networkの略。
*2:Axisのネットワークカメラおよびビデオ エンコーダーにダウンロードしてインストールすることのできる、アプリケーション開発を可能にするオープンプラットフォーム。
*3:世界全体の監視カメラ市場は、対前年比110.9%(2014年)と高成長(メーカ出荷台数ベース、2015年5月現在の見込値)。出所:株式会社矢野経済研究所「監視カメラ世界市場に関する調査結果2015」(2015年8月7日発表)
本件に関するお問い合わせ先
経営企画部
広報室
山下、滝田
03-6700-4010
2016-R050