2019年11月21日
ネットワーク技術の標準化団体MEF主催「MEF 3.0 Proof of Concept Awards」において2部門を受賞
NTTコミュニケーションズ株式会社(以下NTT Com)は、米国のネットワーク技術標準化団体MEFが主催する「MEF 3.0 Proof of Concept Showcase」において、SD-WAN※1と5Gに関するPoC※2の取り組みについて発表し、同イベント内の「MEF 3.0 Proof of Concept Awards」の「MEF3.0 SD-WAN Implementation 2019」および、「Network Slicing Implementation 2019」を受賞しました。
MEF (Metro Ethernet Forum)は2001年に設立され、世界各国の通信事業者をはじめとする220社以上が加盟する権威ある標準化団体です。「MEF 3.0 Proof of Concept Showcase」では通信会社、通信機器メーカーが共同で最新のネットワーク技術の実用化に向けた取り組みを紹介しています。
「MEF Awards」については以下のウェブサイト(英語)をご参照ください。
https://www.mef.net/2019_MEF_Awards
1.受賞内容
・MEF3.0 SD-WAN Implementation 2019
MEFの標準仕様に準拠し、最も優秀なSD-WANサービスの実用化を行った事業者に贈られる賞です。NTT Comが発表した「Orchestrated Virtualized Multivendor SD-WAN Services」が、複数のSD-WAN製品で構成するサービスライフサイクル※3を1つのポータルとホワイトボックスCPE※4で管理・運用できる点が評価されました。
<発表内容>
SD-WANはこれまで標準化された技術がないため、独自仕様のネットワーク機器が数多く登場し、製品各社の技術に合わせて、提供方法や運用方法を確立する必要がありました。この課題に対しNTT Comは、MEFが標準化しているSD-WANの仕様、データモデル、各種インターフェース、テスト手法などを活用し、複数のSD-WAN製品の統一制御の実用化に向けたPoCを行いました。
ホワイトボックスCPE上に複数のSD-WAN製品の搭載を実現するユニバーサルCPEプラットフォームと同一ポータルを用いて、複数のSD-WAN製品を統一的に制御することを可能とするSD-WANサービス(MEF SD-WAN Presto API、MEF70標準※5に準拠)をパートナー6社と共同開発し、その評価・検証を行い、有用性を確認しました。
・パートナー:ADVA、Netcracker Technology、Silver Peak、Spirent Communications、Versa Networks、日本電気株式会社
・Network Slicing Implementation 2019
最も優秀なネットワークスライス※6技術の実用化を行った事業者に贈られる賞であり、NTT Comがパートナーと共同発表した「5G xHaul Sharing Slices with LSO Orchestration」において、複数事業者間でのネットワークスライスを活用した相互接続とオーケストレーター間連携による自動制御が評価されました。
<発表内容>
ローカル5Gなどの活用により、5G技術は、通信事業者に加えて企業や自治体での利用が見込まれています。このように、さまざまな事業者が共用する新たなネットワーク形態を実現するには、効率的にネットワークを構築する必要があります。NTT Comはパートナーと共同で、ネットワークスライス技術を活用し、5Gに必要なアクセス回線(xHaul)を複数事業者で共有するため、MEFの標準仕様を用いて複数事業者間連携によるEnd-to-Endのネットワークスライスの提供の有用性を確認しました。
・パートナー:日本電信電話株式会社、一般社団法人沖縄オープンラボラトリ
2.今後の展開
SDN※7、NFV※8技術の分野は、オープンソース開発プロジェクトや標準化団体が技術進歩に向けて活動しています。今後もNTT ComはMEFやONF※9への参画を通じて、SDN、NFV技術の発展をリードしていきます。
関連リンク
- 「Orchestrated Virtualized Multivendor SD-WAN Services」関連資料(英語)
- 「5G xHaul Sharing Slices with LSO Orchestration」関連サイト(英語)
- NTT技術ジャーナル2019年9月号
※1:SD-WANは、ネットワークをソフトウェアで制御する「SDN」技術をWANに適用し、通信内容に応じて、MPLSなどの閉域ネットワークとインターネットを自動的に振り分けて使うなど、柔軟なネットワーク利用を実現するサービスです。
※2:PoCは、Proof of Conceptの略で、「概念実証」という意味です。
事業化、サービス化に向けた新しい概念や理論、原理、アイデアの実証を目的に行う試作開発の検証やデモンストレーションを指します。
※3:サービスライフサイクルは、お申し込み⇒利用開始⇒設定変更⇒品質管理までのサービス提供プロセスを指します。
※4:ホワイトボックスCPEは、CPEのハードとソフトの機能を分離し、ソフトを用途に応じて選択してインストール可能なCPEです。
※5:MEF70標準は、MEFで規定されたSD-WANの標準仕様です。詳細は以下の英語サイトを参照ください。
https://www.mef.net/resources/technical-specifications/download?id=122&fileid=file1
※6:ネットワークスライスは、アプリケーションの用途に合わせ、ネットワークを低遅延や広帯域、高信頼などの特性に応じて仮想的に分割する技術です。
※7:SDN(Software Defined Networking)は、ソフトウェアによりネットワークの構成や設定を動的に制御する技術の総称です。
※8:NFV(Network Functions Virtualization)は、ネットワーク機器を汎用サーバの仮想化基盤上でソフトウェアとして動作させる方式のことです。
※9:ONF(Open Networking Foundation)は、2011年に設立されたSDNの基盤技術の標準化とオープンソースソフトウェアの開発を行う非営利団体です。
本件に関するお問い合わせ先
2019-R112