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2022年3月28日

NTT Comの開発した要因分析手法がAISTATS2022にて採択

~高い精度で重要な要因をスクリーニング可能なAI技術を開発~

NTTコミュニケーションズ株式会社(以下 NTT Com)は、製造現場での機械学習におけるデータ分析において重要な要因を高精度にスクリーニングする手法「Effective Nonlinear Feature Selection Method(効果的非線形特徴選択法)」(以下 本手法)を開発しました。今回、その実用性と汎用性が認められ、世界最高峰の人工知能、機械学習、統計学の国際会議の1つであるArtificial Intelligence and Statistics(以下 AISTATS2022)にて採択されました。

本手法の詳細は、2022年3月28日から30日にオンライン開催されるAISTATS2022の機械学習分野で発表します。

1.AISTATSについて

AISTATSは1985年の設立以来、人工知能、機械学習、統計学、およびその関連分野の研究者が学際的に集まる場です。この学会は、当該分野での世界最高峰の国際会議の1つであり、研究者同士が互いのアイデアを共有する場として毎年開催しております。

2.本手法を開発した背景

近年、製造現場においては、人員不足や生産性向上の観点から、製品の品質管理や生産コストの管理に関する熟練作業員のノウハウをAIの利活用により伝承していくことが急務になっています。しかし、製造現場での安心・安全なAIの利活用のためには、以下の課題があり、導入がむずかしい現状があります。(詳細は、別紙1参照)

① 製品品質や生産コスト管理などに影響を与える要因が多岐にわたり膨大

② 製品品質や生産コスト管理などに影響を与える具体的な要因関係が複雑で不明確

③ ①②のような状態で組む機械学習モデルは計算量が膨大かつ精度が低く、納得感のある推論結果は導きにくい

3.本手法について

NTT Comは、これらの経緯も踏まえ、非線形特徴選択手法※1であるHSIC Lasso※2を拡張した本手法を開発しました。

本手法に基づき、特定の条件下でハイパーパラメータ(提案手法のAIの設定値)を自動調整することで、重要な要因のみを過不足なく絞りこむことができ、重要な要因を高精度にスクリーニングできることが確認されました。

加えて、このような高精度化を行っても計算速度が低下しないほか、大規模な計算リソース環境が不要で、プログラムを容易に実装できることも特徴です。

さらに、他の手法を用いたスクリーニングと比較した際、重要な要因の絞り込みなどいくつかの指標で高い予測性能を発揮することも確認されました。(詳細は別紙2、3参照)

これらの結果は、膨大で未知な要因の中から、実際の製造現場の課題に対応した本質的な少数の要因を安定的かつ高精度に提示できることを意味しており、本手法を活用することでより納得感のあるシンプルなAI構築につながることを示唆しています。このような実用性と汎用性が認められ、本手法がAISTATS2022にて採択されました。

4.今後について

NTT Comでは、2022年度にノンコーディングAIモデル開発ツール「Node-AI」※3における「要因分析」機能の一つとして本手法を実装し、お客さまとの検証を進めていく予定です。今後、製造現場をはじめとした、各業界における課題への適用可能性を検証し、Smart Worldの実現に貢献します。またカーボンニュートラルな社会を実現するべく、本手法を温室効果ガス排出の要因分析などにも活用していきます。


NTTドコモ、NTT Com、NTTコムウェアは、新ドコモグループとして法人事業を統合し、新たなブランド「ドコモビジネス」を展開しています。「モバイル・クラウドファースト」で社会・産業にイノベーションを起こし、すべての法人のお客さま・パートナーと「あなたと世界を変えていく。」に挑戦します。

NTT Comは、事業ビジョン「Re-connect X®」にもとづき、お客さまやパートナーとの共創によって、With/Afterコロナにおける新たな価値を定義し、社会・産業を移動・固定融合サービスやソリューションで「つなぎなおし」、サステナブルな未来の実現に貢献していきます。

※1:非線形特徴選択手法は、複雑な要因関係から重要な要因をスクリーニング可能な手法です。

※2:HSIC Lassoは、Hilbert-Schmidt Independence Criterion Lasso [Yamada et al., 2014]の略で、非線形関係を考慮した変数間の独立性に関する指標を活用した、近年注目される非線形特徴選択のひとつです。

※3:Node-AIは、ノンコーディングでAIデータ分析モデルを開発できるほか、コミュニケーション機能を活用して関係者間の活発・効率的なコラボレーションが可能になり、カスタムメイドAIモデルの短期間での開発・適用と継続的な改善を実現できるAI開発支援ツールです。


2022-R023

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