

2025年4月1日
綜合警備保障株式会社
NTTコミュニケーションズ株式会社
ALSOKとNTT Com、「tsuzumi」を活用して2025年大阪・関西万博でのアバターによる来場者対応をさらに効率化
綜合警備保障株式会社(代表取締役 社長:栢木 伊久二、以下「ALSOK」)とNTTコミュニケーションズ株式会社(代表取締役社長:小島 克重、以下「NTT Com」)は、2025年大阪・関西万博において、ALSOKが提供するアバターによる来場者対応の応答精度向上に、NTT Comが提供する大規模言語モデル(以下 LLM)「tsuzumi」※1を活用し、業務効率化への効果検証(以下 本取り組み)を行います。
1.背景と目的
昨今、多くの産業で少子高齢化と労働人口減少に伴う人手不足が顕在化していますが、警備業界も例外ではなく、アバターやAI等を活用した省人化・効率化の検討が加速しています。
しかし、警備業務で取り扱う情報はセキュリティ面やプライバシー保護の観点から秘匿性が高く、クラウドサービスでの利用に制限がありました。また、業務内容ごとに異なる専門性が求められることから、AIの学習やチューニングに発生するコストも課題となっていました。
そこで、閉域環境※2での使用が可能であり、業界特化型で軽量なLLMである、「tsuzumi」を用いることで、セキュリティと効率化を両立したアバターの運用をめざします。
2.本取り組みの概要
2025年大阪・関西万博のパビリオン「いのちの未来」※3に3台のアバターを設置し、以下の取り組みを行います。
① アバターによる来場者対応
来場者からの問い合わせ対応や、立ち入り禁止エリアの案内などにアバターを用いることで、限られた警備要員での効率的な案内業務を実現します。一次受付は自律応答するアバターによる対応とし、アバターだけでの応答が難しい問い合わせについては、ALSOKのオペレーターに切り替えて対応します。
アバターは、AVITA社のAVACOM※4を使用します。
② 「tsuzumi」による業務効率化
これまで、イベント等の案内業務では、来場者の問い合わせ傾向を把握し、課題を分析するために、会場の警備スタッフの対応履歴をすべて手作業でまとめ、レポートを作成する必要がありました。今回はアバターと来場者の会話内容を「tsuzumi」で要約することで、分析作業やレポート作成の効率化をめざします。
また、分析結果を基にチューニングを行い、アバターだけで応答できるケースを増やすことで、案内業務の効率化への有効性を確認します。
「tsuzumi」は、NTT Comが提供する閉域環境で運用することで、来場者のプライバシーや秘匿性が高い情報を取り扱う場合でも安全に運用できるシステムを構築します。

<アバターと「tsuzumi」の運用イメージ>
3.期間
2025年4月1日(火曜日)から2025年10月13日(月曜日)まで
4.各社の役割
- ALSOK:全体マネジメント、アバター運営、有人オペレーター
- NTT Com:「tsuzumi」による要約システムの構築、応対レポートの提供
5.今後の展開
本取り組みを通じて効果が確認でき次第、軽量で柔軟なチューニングが可能という「tsuzumi」の特性を生かして、幅広い業務へ応用することで、警備業界の業務効率化を推進してまいります。
NTTドコモ、NTT Com、NTTコムウェアは、ドコモグループの法人事業を統合し、法人事業ブランド「ドコモビジネス」を展開しています。私たちは社会・産業DXのマーケットリーダーとして「つなごう。驚きを。幸せを。」をスローガンに、人と人をつなぎ、コミュニティをつなぎ、さまざまなビジネスをつなぐことで、新たな価値を生み出し、豊かな社会の実現をめざします。
※1:「tsuzumi」は、NTT版大規模言語モデルです。日本語の処理性能を重視し、独自の大量のテキストデータを使って学習された言語モデルになります。
https://www.rd.ntt/research/LLM_tsuzumi.html
「tsuzumi」は日本電信電話株式会社の商標です。
※2:特定の拠点内、もしくは限られたユーザーのみがアクセスできる環境をさします。
※3:ロボット工学の第一人者・石黒 浩氏がプロデュースするパビリオンです。
※4:「AVACOM」は、AVITA社が提供するアバター接客(リモート接客・オンライン接客)サービスです。
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