辻野 大輔Daisuke Tsujino

テーマ
5G

5G技術を中心に、社会課題やDX推進に向けモバイルネットワークがどのように活用されているのか、課題や期待値なども含め情報発信していきたいと思います。よろしくお願いいたします。

辻野 大輔

経歴

インフラ業界の中で継続的な成長を見せる通信業界に惹かれ、2008年、新卒で株式会社NTTドコモに入社。関西支社にてモバイルネットワーク建設・計画を担当。2016年に本社のネットワーク本部に異動し、無線ネットワーク方針、事業計画策定を担う。 2021年からは法人営業本部で法人5Gビジネスに関わり、2022年7月より NTT コミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)にて法人5Gビジネスに携わる。「docomo business プライベート5G」のサービス開発を担当中。お笑いが好きな大阪人で、よく呑みよく笑う。趣味はロードバイク、野山を駆け巡るトレイルランニング。

活動履歴

インタビュー

  • 01

    エバンジェリストとしての得意分野とミッション

    NTTドコモ入社時よりモバイルネットワークの建設・計画に携わっています。2021年より法人向け5Gビジネスに特化し、さまざまなサービスに関わってきました。5Gネットワークは大きく3つの領域「無線アクセスネットワーク」「コアネットワーク」「リンク」から成り、私の担当は無線アクセスネットワーク関連です。3つの領域があって5Gネットワークが機能するわけですが、無線アクセスネットワークは最も端末寄りで、お客さまとの距離が近い領域となります。「つながりやすい」「処理速度が速い」などの品質をお客さまが体感しやすい部分といえます。

    これまで私自身は開発畑ではなく、LTEの展開計画策定や中期ネットワーク方針策定などに従事してきました。法人向け5Gビジネスの分野では、常にお客さま目線で現場の問題解決力が求められます。通信環境における日々の困りごとや不満などお客さまの声を聞いて、それをサービス開発につなげ、ネットワークの価値を高めることに尽力してきました。NTTドコモグループにおいて私のようなポジションで業務経験を積んできた人はそう多くはないと思いますので、私が今後も力を発揮していける分野と考えています。

    今後6Gの導入も予定されていますが、まずは5Gを具体的にどう活用すべきなのか、その最適解をカタチにしていくのがわれわれのミッションです。エバンジェリストになったことで、さまざまな業界の方と意見交換させていただける機会が増えました。お客さまの生の声を社内へ伝え、サービスの改善やNTTドコモグループの一体感醸成に寄与していきたいです。同時に、社外の皆さまにも産業利用ならではの課題などを改めてご紹介し、5Gに興味を持っていただけるよう努めてまいります。

  • 02

    これまでの活動を代表するプロジェクト

    「5G SA」と「5Gワイド」のリリースに関わりました。5G SAは、LTE(4G)のコア装置と5Gの基地局を組み合わせて使用する旧来の5G NSAとは異なり、5G基地局単体で5Gネットワークを利用できる新方式です。この5G SAを法人向けに先行して推進するプロジェクトを担当してきました。

    5G SAは“真の5G”として登場しましたが、残念ながらSAという規格単独では高速大容量以外のキラーサービスを作り出して提供するには至りませんでした。そこで次の担い手となったのが、ドコモビジネス独自の法人向けサービスである5Gワイドです。5Gワイドは一般のご契約に比べて優先的にパケットを割り当てられることで高いスループット(一定時間の処理速度を表す)が可能になり、混雑環境での安定的な通信が期待できる画期的なサービスとして発表されました。

    この技術によって動画やゲームなどのエンタメ、マス的な領域中心で成長してきたモバイルネットワークをこれまで以上に大企業・公的機関を含むエンタープライズの領域で、5Gワイドとプライベート5G (共有型)のメニューを組み合わせ、社会課題の解決や産業の高度化に貢献できると確信しています。

  • 03

    ドコモビジネスと共に描く未来

    モバイルネットワークの価値は、楽しさや便利さの前に安心安全につながることにあります。しかし現時点において、日本全国どこでもネットワークがつながる状況はまだ実現されていません。陸上でつながるエリアを広げ、空、海と拡大することが可能になれば、将来的に無線ネットワークを固定ネットワークのように社会・産業の基盤ネットワークに組み込んでいくようなことも考えられます。われわれは、固定・無線をハイブリット技術に活用し、グローバルからもお手本とされるような5G活用事例を生み出すことをめざしています。

    そこで大きな役割を果たすのが、5Gの新技術となるスライシングの活用です。スライシングとは、ネットワークを大きな土管に例えるなら、その土管の中に小さな土管を作り、特定の用途で使えるようにすること。この技術によって、より無線ネットワーク活用の幅が広がっていくと考えています。被災時や遠隔医療、自動運転への活用など、無線ネットワークでつながることで多様なシーンでの安心安全を作り出します。

    ドコモビジネスには固定・無線どちらにも強いケイパビリティがあり、有スキル者も多く在籍しています。特にエンタープライズ領域は無線の技術だけで完結するものではなく、エンド・ツー・エンドでお客さまと伴走しながら環境やソリューションを共有して考えていくもの。その過程を営業部門と協力しながらやり遂げられる、それだけの力が当社にはあると感じています。

※本記事の内容は取材時のものであり、組織名や役職などは取材時点のものを掲載しております。