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書類選考もDX化する時代。「AI面接官」は従来の採用活動をどう変えるか

書類選考もDX化する時代。「AI面接官」は従来の採用活動をどう変えるか

新たな人材を採用する際に欠かせない「面接」を、AIが代行するサービスが徐々に実用化されています。AIは候補者のポテンシャルをどのように見抜くのでしょうか?

目次

採用に付きもの「面接」は、AIで効率化できる

「面接」といえば、企業が新たな従業員を採用する際に行われるものです。企業側は応募者が自社に適した人材なのか、応募者側は自分が働きやすい職場なのか、双方で意見を交わす場として、ビジネスシーンでは日常的に実施されています。

しかし、面接は企業にとって負担がかかる業務でもあります。人事担当者が応募者のプロフィールやスキルシートに目を通し、書類選考を通した候補者に連絡を取ってスケジュール調整を行い、面接後は自社に適した人材であるのか評価を行います。さらに二次面接、三次面接などがある場合は、これらを何度も繰り返します。

さらに、新卒採用に力を入れる企業の場合、学生からの大量のエントリーシートを処理し、選考を通った多くの学生と面接する必要があります。加えて、面接にて学生が持つポテンシャルも見抜くことも求められます。企業に優秀な人材を迎え入れるのはビジネスでは重要なポイントではあるものの、その過程で人事担当者には相当な苦労が強いられることになります。

こうした面接における負担を、AIを搭載した面接ツールで効率化する動きが見られます。

AI面接官が一次面接までのプロセスを97%効率化

たとえば株式会社VARIETASでは、新卒採用の書類選考から一次面接をAIが担当する「AI面接官」というサービスを、2024年5月よりスタートしています。

AI面接官では、採用候補者が企業に提出したエントリーシートの内容をAIが読み取り評価し、一次面接の実施、実施後の面接評価まで行います。

面接は学生とAI面接官がWeb会議にて”対面”し、学生はAI面接官の質問に対し、音声で回答します。回答の内容によって、その後のAI面接官の質問内容は適宜変更されます。面接が終わった後は、新卒採用で一般企業が評価する30の評価項目を各5段階で自動評価。表情や面接の応答スピード、人柄やポテンシャルも評価の対象となります。

同社ではAI面接官を採用することで、新卒採用における二次面接までのプロセスを約97%効率化でき、経営資源をより重要な業務に集中させることができるとしています。さらに2023年10月から学生向けに提供されているベータ版では、学生からの満足度は95%と高い評価を得ているといいます。

すでにAI面接官を新卒採用に採り入れている企業もあります。2024年10月にAI面接官をトライアル導入していたキリンホールディングス株式会社は、新卒採用での本格導入を決定。株式会社横浜銀行でもトライアル導入が決定されています。

人間よりも、AIの面接官の方が緊張しない!?

AI面接ツールはこのほかにも存在します。2024年10月には株式会社PeopleXが、AI面接官事業に参入しました。同社のサービスでは、画面上にAIや3DCG技術を活用したバーチャルヒューマンが登場し、履歴書、職務経歴書内容に基づき質問を行います。

同社が採用面接を受けた経験のある10~50代の男女400名を対象に行ったアンケート調査によると、人間よりもAIの面接官の方が「公平に判断される」「緊張せずにのぞめる」という意見が多く見られました。加えて、調査対象の86.2%が「一次面接にはAI面接官を取り入れて良い」と、AIによる面接に好意的な意向を示す結果となりました。

さらに2024年11月には株式会社ギブリーが、新卒採用における一次面接をAIが行うAI面接ツール「Track AI Interview(β)」の提供開始を発表しました。同サービスでは面接の内容をAIが録画し、内容を要約。3領域15項目の評価基準で候補者をスコアリングします。さらに、一次面接の日程調整もAIが行います。同社では本ツールを導入することで、採用業務の工数を80%削減できるとしています。

アルバイトの採用にも、AI面接が活用されています。株式会社タレントアンドアセスメントが2017年10月から展開するAI面接サービス「SHaiN」は、スマートフォンでAIと対話しながら面接を行うツールで、ヒアリング結果をもとにAIが自動で評価レポートを作成します。

同サービスには主に新卒・中途採用向けのスタンダートプランと派遣・パート・アルバイト採用向けのライトプランの2種類があり、多くの企業のアルバイト採用に利用されているといいます。2024年8月には、応募者がAI面接を希望後に、採用担当者からの案内を待たずにAI面接が行える「セルフエントリー機能」も搭載。採用担当者が応募者を確認したり、受検URLを発行する業務が簡略化され、業務負担が大幅に改善できるとしています。

AIが下す評価は、自社の評価基準と合っているか?

ここまで挙げたAI面接ツールでは、面接業務のAI化によって、採用担当者の業務負担の改善に対する効果がアピールされていますが、それ以外にもさまざまな効果が期待できます。たとえば、これまでは書類審査で落としていた応募者にも面接の機会を設けることで、エントリーシートでは判別できない才能を持った人材を発掘することも可能になります。

さらに従来の面接では、面接官によって対応の質が異なってしまい、場合によっては”圧迫面接”のように、面接官が応募者に悪印象を与えてしまうケースもあります。しかしAI面接官では、基本的にはAIのアバターが応募者と対面するため、AIが誤動作をしない限り、面接官が応募者に悪印象を残す可能性は低いです。

AI面接ツールにはこのようなメリットがあるとはいえ、最終的に採用を決定するのは人事担当者です。たとえAIが高く評価をした人材だとしても、実際には自社には適さない人物である可能性も十分に考えられます。AIの評価が自社に合うよう、評価軸を定期的にメンテナンスするという、新たな業務が発生するかもしれません。

さまざまな業務がデジタル化される今、人事が担う業務も例外ではありません。もし採用活動に負担を感じているのであれば、今回の記事で紹介したAI面接サービスを活用しながら、業務の適切なリソースシフトを実施してみてはいかがでしょうか。

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