1.テレワークの「周りが見えない不安」にどう対処する?
コロナ禍の影響で、一気に普及したテレワーク。第一回目の緊急事態宣言が発令された2020年4月の時点では、多くの企業が「とりあえずテレワークができるようにしよう」と応急処置の対応をしており、テレワークは一過性の働き方と考えられていました。しかしコロナ禍が長期化している現在では、働き方のひとつとしてテレワークを恒久化する動きが大手企業にも広がっています。ソーシャルディスタンスの確保はもちろん、ワークライフバランスやBCP対策など、テレワークが今後担う役割について期待の大きさが伺えます。
しかしテレワークを当たり前の働き方にするには、環境の整備にまだまだ多くの課題があります。その中の一つが、チームワークの問題です。今までは、同じ場所で仕事をしていたため、誰かが問題を抱えているのがすぐにわかりましたが、テレワークでは働く人の顔が見えないため、お互いの状況かがわかりにくくなっています。
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社が行った「テレワーク中の評価に関する意識・実態調査」によると、一般社員に対し、出社勤務時とテレワーク勤務時で、「上司への進捗報告」業務についての変化を聞いたところ、「やりにくくなった」「どちらかというとやりにくくなった」が36%でした。同じく、管理職に対し「部下への仕事の指示出しや進捗確認」への変化を聞くと、49.2%がやりにくさを感じている結果となりました。
オフィスで働いている時は、周りの様子を見て、困っていたら他のメンバーが助けることができました。しかしテレワークでは、上司は部下がきちんと仕事をしているか不信感を募らせ、メンバーは他の誰かが困っていても何もできないということが起こりえます。各自が別々の場所で働いている状況で、いかに進捗を共有するかということが大切なポイントになってきます。
(※) パーソルプロセス&テクノロジー株式会社 「テレワーク中の評価に関する意識・実態調査」(2020年11月)
また、かねてより業務の生産性を阻害する要因として問題となっているのが、作業のための作業時間の増大です。つまり、実際に行うべき作業のための作業、例えばメールでのやり取りや情報収集、社内調整などに多くの時間が費やされているのです。McKinsey Global Instituteの調査結果によると、労働者は就業時間の約61%を作業の調整にあてていると言われています。
2.チームの仕事、プロジェクト、タスクを可視化 - Asanaとは
Asanaは、こうした「周りが見えない不安」や「作業のための作業」を解消し、従来以上に仕事のマネジメントレベルを一気に引き上げることができるサービスです。Facebookの創業者とエンジニアが開発したものが原型となっていて、現在は世界各国で利用されています。
まず、Asanaの特徴は見やすく、使いやすいことです。ワークマネジメントツールの中でも、Asanaは利用者を選ばす、どのような方でも簡単に使えるように設計されています。タスク管理ツールやプロジェクト管理ツールといえば、「管理者」や「マネージャー」といった立場の人のためのツールという印象が強くあります。しかし、Asanaは、様々な部署、様々な業務で利用しやすい操作性と親しみやすさが特徴です。
Asanaには次のような機能があります。
- ●リストビュー
- タスクと担当者、期限の一覧を表示します。一覧をみながらタスクを追加したり、担当者を割り当てたりといった操作が可能です。
- ●タイムライン
- タスクがどのような順番で実行されるかを示した図です。タスク間の依存関係や重複しているタスク、未スケジュールのタスクが一目でわかります。
- ●ボード
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タスクをステータスごとに表示します。重要なタスクや仕事の行き詰まりがわかります。
また、必要な業務をこなすよりも、業務を調整するのに時間がかかっているという調査結果もあります。Asanaには、煩雑な作業を効率化する便利な機能があります。
- ●ルーチン作業を自動化
- Asanaには煩雑な作業を自動化する仕組みが用意されています。例えば、プロジェクトに必ず必要なタスクをテンプレートとして登録しておけば、タスク作成時にもれがなくなります。また、カスタムルールを作成することで、条件を設定して期日の設定や担当者の割り当てを自動化することが可能です。
- ●100を超える他システム連携
- 例えば Googleカレンダー にAsanaのタスクを追加してカレンダーから期限を確認する、Gmail の受信トレイからメールの内容をAsanaのタスクに変換する、AsanaのタスクにMicrosoftのOne Driveにある文書を添付する、といったことができます。
- ●ワークフローのカスタマイズ
- プロジェクトのニーズに合った役割と責任を定義して、ワークフローを設定することができます。
- ●豊富なレポート機能
- チームの進捗がグラフ化されるため、リアルタイムで視覚的に状況を把握して、問題点を早期に発見することができます。
3.Asanaの活用事例
Asanaは、単なるタスク管理だけでなく仕事全体をマネジメントすることができるツールです。導入企業によるAsanaの活用事例をご紹介します。
- ●新入社員の入社プロセスをテンプレート化
- 新入社員について総務部門、配属先の部署でまたがるプロセスがある場合に、テンプレート化することで、必要な準備や確認事項が可視化され、部署間での確認する手間を省くことができます。
- ●月末業務など毎月繰り返し行うタスクを自動生成
- 月末に行うタスクを毎月自動生成することで、作業もれがなくなります。
- ●生産計画への適用
- 作業指示をトリガーとして、納期を自動計算してタスクを自動生成し可視化することで、的確なリソース配分が可能になります。
- ●Googleフォーム と連携しタスクを生成
- 例えば営業部門が獲得した受注を制作部門に依頼する際に、Googleフォーム から依頼事項を入力すると、Asanaにタスクが生成され、制作部門の責任者にSlackで通知されるように設定することができます。
- ●メモ代わりに
- セクション別にタスクを生成し、さらにタスクはサブタスクに分岐できるので、メモを階層化して整理できます。タスクは簡単にサブタスクへ移行できます。
4.Asanaのアップデート情報
Asanaでは便利な機能や改良を毎月リリースしています。ここでは最近リリースされたもののなかから主な便利機能をご紹介します。
- ●プロジェクト横断レポート
- すべてのプロジェクト・チームの状況をリアルタイムで可視化し、必要なチャートをまとめたダッシュボードを作成できます。
- ●ServiceNow との連携
- ServiceNowは、IT部門におけるシステム開発やインフラ運用において重要事項を管理するツールです。例えば、一定以上の重要なインシデントがServiceNowで登録されると、Asanaでタスクが自動的に生成され、顧客チームが対応するといった使い方ができます。
- ●取り消しアクション
- ルールを使って、「タスクの割り当てを解除する」「期日をクリアする」「タスクを別のプロジェクトに移動する」といったことができます。
- ●マイタスクのボードビュー
- 自分のタスクをプロジェクトのボードビューと同じように可視化し、列から列へタスクを移動することができます。タスクは、午前中の作業・午後の作業に分類したり、今週やるべきことを整理したりと、自分の仕事のスタイルにあった設定が可能です。
- ●ゴールリマインダー
- 進捗の更新などを促す通知を送ることができます。
導入したお客様からは「プロジェクトの状況が透明化された」という声をよく聞きます。各メンバーだけでなく、管理者のタスクも登録することで、プロジェクト全体で問題となっていることがないか確認し、全員が自律的に動くことができるようになります。Asanaは、コロナ禍で対面でのコミュニケーションが減る中でも、単なるタスクではなく、仕事をマネジメントできるツールとして効果を発揮しています。より自律した組織を目指してツールを導入のお考えの方は、ぜひドコモにご相談ください。