助成金から始める「シニア人材」の活用術

助成金から始める「シニア人材」の活用術

シニア人材活用のため、政府は現在「65歳超雇用推進助成金」という助成金制度をスタートしています。どうすれば助成金を受け取れるのか、解説します。

目次

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1.60歳代でも勤労意欲を持った人は多い

政府は現在、たとえ高齢者であっても、意欲と能力のある限り年齢に関わりなく働くことができる「生涯現役社会」の実現を掲げています。

専門的な知識やスキルがあり、コミュニケーション能力に長けたシニア人材の雇用は、企業の競争力を底上げする一助になるでしょう。意欲的に働くシニア人材が現場にいれば、そのモチベーションは周囲に波及し、職場の活性化につながるだけでなく、職場のダイバーシティ(多様化)にも期待できます。

内閣府が2020年度に行った「第9回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」(※)によると、「収入の伴う仕事をしたい、続けたい」と回答した人の割合は、60~64歳が73.3%、65~69歳が51.0%と、過半数を超えています。この数値は高齢になるにつれ落ちていきますが、60歳~70歳代前半であれば、勤労意欲を持った人は多くいることがわかります。

(※) 内閣府「令和2年度 第9回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査結果」

2.定年を引き上げる/撤廃するだけで助成金が貰える

このような高い勤労意欲を持ったシニア人材の採用を促進するために、政府は「65歳超雇用推進助成金」(※)という助成金制度をスタートしています。これは、シニア人材の継続雇用の延長や、定年の引上げなどを行う企業に対し、助成金という形で支援することで、希望者全員が安心して働ける雇用基盤を整備するためのものです。

(※)厚生労働省「令和4年度65歳超雇用推進助成金のご案内」

助成金には3つのコースが用意されています。1つ目が、「65歳超継続雇用促進コース」です。

これは2022年4月以降、シニア人材の雇用が働きやすいよう労働協約や就業規則を変更した企業に対し助成を行うものです。対象となるのは、(1)65歳以上への定年引上げ、(2)定年の定めの廃止、(3)希者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入、(4)他社による継続雇用制度の導入の4つのうち、いずれかを実施した事業主です。

支給額は、同社が抱える60歳以上の被保険者の数が多ければ多いほど、その措置内容の年齢が高ければ高いほど、高額になります。たとえば60歳以上の被保険者数が1~3人の企業が、定年を65歳まで引き上げた場合、支給額は15万円となりますが、60歳以上の被保険者数10人の企業が、定年を70歳以上に引き上げた場合、支給額は105万円となります。

定年を引き上げる/撤廃するだけで助成金が貰える

3.シニア人材を雇用する仕組みづくりも助成金の対象となる

2つ目の「高年齢者評価制度等雇用管理改善コース」は、高年齢者の雇用管理制度を整備した事業主に対し、経費の一部助成を行うものとなります。

対象となる具体的な措置は、シニア人材の能力を評価する仕組みと賃金・人事処遇制度、短時間勤務制度、在宅勤務制度、研修制度、専門職制度、法定外の健康管理制度など。これらの制度を見直したり、もしくは導入することが、助成金を受けるための要件となります。

助成金の対象となる経費は、雇用管理制度の導入に必要な専門家への委託費やコンサルタント料やその実施に伴う機器やシステム、ソフトウェアなどの導入料の2つ。支給額は、中小企業事業主が経費の60%、中小企業事業主以外が45%ですが、請した事業主が、厚生労働省が定める「生産性要件」の条件を満たしていた場合は、それぞれ75%、60%に引き上げられます。

4.非正規→正規雇用転換でも助成金が発生。申込みはお早めに

3つ目は、50歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者を、無期雇用、つまり正社員に転換させた事業主に対し、その人数に応じて助成を行う「高年齢者無期雇用転換コース」です。支給額は対象労働者1人につき生産性要件を満たした中小企業が60万円(中小企業以外は48万円)。生産性要件を満たさなかった場合は同48万円(同38万円)となります。

主な支給要件には、無期雇用転換計画書を提出して認定を受けること、有期契約労働者を無期雇用労働者に転換する制度を社内規定すること、無期雇用労働者を転換後6カ月以上雇用し、賃金を支給することなどが挙げられます。

これらの助成金制度は、恒久的に募集を継続しているわけではありません。たとえば最初に挙げた「65歳超継続雇用促進コース」は、2021年度も募集を行っていましたが、申請が非常に多かったことから、年度の途中で募集が終了されました。

シニア人材の採用に積極的な企業はもちろん、これからシニア人材に力を入れていきたい企業も、65歳超雇用推進助成金の検討を進め、早めに申し込むと良いかもしれません。

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