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製造業の技術継承はうまくいっていない?
スマートグラスで解決する方法

製造業の技術継承はうまくいっていない?スマートグラスで解決する方法

労働人口の高齢化に伴い、製造業では後継者への技術継承が課題となっています。人手不足のなか技術継承を行うためには、スマートグラスが解決の近道となるでしょう。

目次

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製造業の技術継承はうまくいっていない?

製造業は日本の基幹産業のひとつで、GDP、就労人口とも、日本全体の2割ほどを占めています。しかし、国内の労働人口の減少に伴い、人手不足が課題となっています。

製造業で労働人口が減少することは、技術継承も難しくなります。独立行政法人労働政策研究・研修機構が行った「ものづくり産業における技術継承の現状と課題に関する調査」(※)でも、多くの企業が事業継承を重要と認識する一方、53.8%の企業が「うまくいっていない」「ややうまくいっていない」と回答しました。

(※)独立行政法人労働政策研究・研修機構「ものづくり産業における技術継承の現状と課題に関する調査」

技術継承がうまくいかない理由のトップとしては、「若年ものづくり人材を十分に確保できていないから」が挙げられています(56.2%)。企業としては、若手に技術を継承してほしいと考えているものの、そもそも若手の人材が確保できていないため、技術が継承できていない、ということがいえそうです。

技術継承に成功している企業は何をやっているのか?

技術継承に課題を抱える企業が多数派となっている一方で、うまくいっている企業も見られます。調査対象となった企業のうち45%は、技術継承について「うまくいっている」「ややうまくいっている」と回答しています。

「うまくいっている」と回答した理由の1位は「計画的にOJTを実施しているから」でした。OJTとは、先輩従業員が後輩従業員に対し、業務に必要な知識や技術を実践しながら伝える、オン・ザ・ジョブ・トレーニング(On-the-Job Training)のことです。続く2位には、「指導者と指導を受ける側とのコミュニケーションがよく図られているから」(39.0%)、3位は「技能継承を受ける側の社員の新しい技能や知識を身につけようとする意欲が高いから」(35.1%)となりました。

この結果を見ると、技術継承に成功するためには、計画的にOJTを実施すること、指導者とその指導を受ける側との間で十分なコミュニケーションを取ること、指導を受ける側が意欲をもって取り組むことが重要といえそうです。

とはいえ先に触れたように、若手の人材がそもそも確保できていない企業も多いことが予想されます。人材を製造業に呼び込み、その人材が業界に定着するためには、従来の手法とは違った、新たな取り組みが求められているといえるでしょう。

スマートグラスなら、遠隔地でも現場の作業者と熟練者がコミュニケーションできる

スマートグラスなら、遠隔地でも現場の作業者と熟練者がコミュニケーションできる

製造業における技術継承の新たな取り組みとして、「スマートグラス」があります。

スマートグラスとは、通信機能やセンサー、カメラ、マイク、スピーカー、ディスプレイなどを備えた、装着型のデバイス(ウェアラブルデバイス)です。メガネのように装着するため、両手の作業が必要な製造業に適したツールといえます。

スマートグラスの利点は、遠隔での作業支援が可能になることです。例えば、現場作業者がスマートグラスを装着し、カメラを通じて映像を遠隔地の事務所にいる熟練者と共有するといったことも可能です。

熟練者は、スマートグラスが撮影した映像を確認し、作業者に対して音声や画面上で指示することによって、お互いが現地にいるような支援ができます。もちろん、現場の作業者から熟練者に気になったことを質問することも可能なため、双方向の充実したコミュニケーションが期待できます。一人の熟練者が、複数の現場を支援するといった使い方ができるのもメリットの一つです。

従来のOJTは、熟練者が若手につきっきりで教える必要がありましたが、スマートグラスを使えばその必要が無いため、熟練者の負担が軽減でき、さらに移動に要する時間や費用の削減にもつながるでしょう。

スマートグラスで気をつけるべきこととは?

スマートグラスを導入する際には、事前に確認しておくべき点があります。

そのひとつが、通信性能です。スマートグラスは基本的にはワイヤレスのものが多く、無線通信を通じてやり取りを行います。そのため、通信が不安定な場合、画像や音声が途切れて、業務に支障が出る恐れがあります。導入前にはあらかじめ使用する現場の通信状態を確認しておくべきです。同時に、機密情報を扱う場合には、セキュリティ対策が施されたデバイスも必要になります。

ほかにも、常時メガネのように装着して使用するため、掛け心地の悪いものは、使用者の集中力を削ぎかねません。快適に装着し続けられるものが求められます。

ドコモビジネスでは、スマートグラスとして「RealWear」、「GoogleGlass」を提供しています。どちらも現場作業者に適したシンプルなスマートグラスで、軽量かつハンズフリーで使用可能です。現場のスタッフが装着して使用するもののため、製品選択の際には、現場における使いやすさを判断の基準とするのが良いでしょう。

製造業の技術継承に課題を抱えているのであれば、スマートグラスがその解決法として有効的な手段となるはずです。

※本記事は2022年9月時点の情報を元に作成されています。

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