オンライン診療は、
対面の診察と何が違うのか?

オンライン診療は、対面の診察と何が違うのか?

日本の医療機関でもオンライン診療が始まりつつあります。対面での診療とは、何がどう違うのでしょうか?医療機関におけるDXの進化とともに解説します。

目次

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オンライン診療は2000年以前から始まっていた!?

オンライン診療とは、遠隔医療のうち、医師~患者間で情報通信機器を通して、患者の診察及び診断を行い、診断結果の伝達や処方等の診療行為をリアルタイムに行う行為のことです。これは、厚生労働省が2018年3月に発表した「オンライン診療の適切な実施に関する指針」にて規定されています。

日本のオンライン診療は、実は1997年に、厚生労働省の通知により始まっていました。当時は初診からのオンライン診療が認められておらず、離島・へき地の住民といった遠隔診療患者の対象も例示されていました。加えて、ICT技術も進んでいなかったため、一般的に認識されているとは言い難い状況でした。

しかし2020年、新型コロナウイルス感染症が流行したことで、政府は時限的に初診患者へのオンライン診療を解禁。さらに2022年度からは、初診からのオンライン診療が恒久化されるようになりました。すでに多くの医療機関がオンライン診療への対応を進めており、スマホやパソコンを通じた予約・問診・診察・処方・決済が可能になっています。

オンライン診療のメリット・デメリットとは?

オンライン診療は、先に触れたように自宅に居ながら診察を受けられる点が特徴です。そのほかにもメリットがありますが、一方でオンラインならではのデメリットも懸念されます。ここからはオンライン診療のメリットとデメリットの側面から見てみます。

オンライン診療のメリット

外出せずに自宅での診察が可能

オンライン診療の最大の特徴は、場所を選ばずに医療サービスが受けられる点にあります。たとえば、発熱で外出できない状況であっても、自宅に居ながら受診が可能です。病院から遠くに居住している人にとっては、通院のための移動時間や交通費が省けるため、たとえ長期間診察を受けることになったとしても、負担軽減につながるでしょう。

受付や会計の待ち時間の短縮

オンライン診療は、待ち時間の短縮にも貢献します。

対面診療の場合、受付・受診・会計のそれぞれのタイミングで、待合室での待ち時間が発生します。中には待ち時間を抑えるために予約システムを導入している医療機関もありますが、それでも前の人の診察時間が長引くことで、待ち時間が発生しがちです。

しかしオンライン診療は、予約時間きっかりにスタートすることが基本となっているため、待ち時間が発生しにくいシステムとなります。会計についても、診療後にPCやスマホ操作で決済を行うため、待合室で名前が呼ばれるのを待つ必要もありません。

院内感染の恐れがない

病院は体調がすぐれない人が集まる場所です。そのため、ほかの患者の病気が自分に感染したり、自分の病気がほかの患者に感染する恐れは無いとは言い切れません。

その点オンライン診療であれば、そもそも病院に足を運ばないため、感染防止対策という観点でも有効といえるでしょう。

自宅で薬が受け取れる

オンライン診療の後、薬が処方された場合は、特別な管理が必要なものや対面での服薬指導が必要なものを除き、郵送で受け取ることが可能です。処方せんをメールやFAX、郵送で受け取り、薬局で購入することにも対応しています。

オンライン診療のデメリット

対面で診察できないことによる検査不足

オンライン診療は、パソコンやスマホのディスプレイ越しに診察が行われます。そのため、問診が中心となり、当然ながら触診や聴診はできません。対面と比べると、検査不足な側面があることは否めません。

オンライン診療の結果、医師が追加検査や治療が必要と判断した場合は、来院が必要となるケースもあります。

対応している医療機関が限られている

オンライン診療は、すべての病院が導入しているわけではありません。対応している病院もあれば、していないところもあります。かかりつけの病院がオンライン診療を導入しているかどうかは事前に確認しておくべきでしょう。

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オンライン診療は地方の医療を救う

オンライン診療は地方の医療を救う

メリットでも触れたように、オンライン診療は外出せずに自宅での診察が可能なため、地方の医療に貢献する可能性を秘めています。

高齢化・過疎化が進む地方では、医療サービスをどのように提供していくかが課題となっています。たとえば医師が不足している地方の病院では、近くの病院に応援依頼をし、専門医が来院することで診察を行っています。しかし、近くの病院といっても往復の移動に何時間もかかる場合もあり、医師にとっては大きな負担なります。

こうした場合にオンライン診療を活用すれば、医師は遠く離れた場所からでも診察できるため、わざわざ移動する必要はありません。患者側にとっても、体調が優れない中、病院に足を運ぶ必要が無くなるため、負担の軽減につながるでしょう。

課題である「遅延」「セキュリティ」を解決する方法がある

このようにオンライン診療を行う際に、重要なポイントとなるのが「通信」です。たとえばスマートフォンを使用して診察を行う場合、通信の遅延が発生する恐れも考えられます。途切れ途切れの通信で、医師と患者の間で円滑なコミュニケーションを取ることは困難です。さらにいえば、医療という極めてプライベートな話題を取り扱うため、通信には高いセキュリティが求められます。

この「ズレが発生しづらい通信」と「セキュリティ性の高い通信」の両方をクリアしたサービスは、実は5Gのスタートとともに始まっています。それが、ドコモビジネスが提供する「docomo MEC」です。

(※)docomo MEC

「docomo MEC」は、ユーザーに近い位置にサーバーやストレージを配備する「MEC」という仕組みを採用した5Gの通信サービスです。そのため、通信にズレが生じにくく、かつインターネットを経由しないため、セキュリティも高い通信が可能になります。

ドコモビジネスではすでにMECを利用した医療サービスをスタートしており、オンライン診療では難しい皮膚の変化なども確認することも可能になっているといいます。さらに、若手の医師・看護師が多くの症例を学ぶ機会も増え、スキルアップにつながっているケースもあるといいます。

少子高齢化が進む中、オンライン診療は今後もニーズが高まることが予想されます。しばらくは病院で診察を受けることを比べると不便なことも多いでしょうが、docomo MECのように新しいテクノロジーが搭載されたサービスが登場していくことで、やがてはオンライン診療の方が優れた診察が受けられる、という日も来るかもしれません。

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