Excelには正しい入力方法がある
Microsoft社が提供している表計算ソフトMicrosoft Excel(以下、Excel)は、ビジネスに欠かせないソフトウェアの一つです。表計算やグラフの作成はもちろん、マクロ機能を使えばかんたんなシステムをつくることもできます。
一方で、Excelは便利でだれでも直感的に使えるからこそ、利用していると戸惑う場面がしばしばあります。特に第三者が作成したファイルを編集、再利用する場合です。たとえば、結合すべきでないセルが結合されていたり、一つのセルに複数の数字が入っていたりすると、本来行うべき計算がうまくいかず、結局作り直しとなり二度手間になってしまいます。
こうした事態が頻発すると、業務効率が悪化するばかりか、場合によってはミスが生じ、大きなリスクにつながってしまう可能性もあります。このような事態を避けるため、2020年12月に総務省より、「統計表における機械判読可能なデータ作成に関する表記方法について」(※)という資料が公開されました。この資料は、各省庁を対象としたものではありますが、一般企業にも参考になるため、いくつかポイントを抜粋して紹介します。
(※)総務省:統計表における機械判読可能なデータ作成に関する表記方法について
https://www.soumu.go.jp/main_content/000723626.pdf
Excelのまちがった使い方、正しい使い方
(1)1セル1データとなっているか
一つのセルに複数のデータが入力されていると、計算や並び替えを正しく行うことができなくなります。すぐにデータとして利用するためには、1セル1データの入力とすべきとされています。
(2)数値データは数値属性とし、⽂字列を含まないこと
入力するデータに円、¥、▲(マイナス記号)などを使うと、数字ではなく文字列として扱われてしまうため、計算ができなくなってしまいます。また、並べ替えなども正確にできなくなる場合があります。
(3)セルの結合をしていないか
Excelで作った資料を機械判読可能なデータとして利用する場合は、セルを結合するべきではありません。セルを結合していると、並べ替えやグラフ化ができなくなります。そのため、1件のデータは、横1⾏で表記し、セルの結合⼜は不必要な分離を⾏わないことが望ましいとされています。
(4)スペースや改行などで体裁を整えていないか
資料を作成する際、見栄えを良くするために行ってしまいがちなのがスペースや改行による微調整です。しかし、スペースや改行を入れるとデータの検索性が低下するほか、複数の表を横断的に利⽤する場合においても支障が起こる可能性があります。
こうした注意点は、Excelで作ったファイルを活用しないのであれば大きな問題にはなりません。しかし、ビジネスにおいて蓄積されたデータは、大きな財産です。常日頃から社内で統一されたルールで、Excelへのデータ入力を行っておけば、いざデータを活用しようとなったときにスムーズに利用することができるでしょう。
Excelなどのアプリケーションをうまく活用しよう
Excelを始め、ビジネスを効率良く進めるためにはさまざまなアプリケーションを活用します。しかし、適切な使い方ができなければ、かえって業務効率を落としてしまうことにもつながりかねません。とはいえ、社内に詳しい人材がいなければ改善することも難しいでしょう。こうした場合に役立つのが「まるごとビジネスサポート」です。
まるごとビジネスサポートは、アプリケーションの使い方を始め、パソコンやスマートフォンなどの設定や操作方法を遠隔でサポートするサービスです。機器の故障やネットワークに接続できないといった発生しがちな困りごとにも年中無休でサポートを提供しているため、気軽に問い合わせできる社外のIT担当者として機能します。
今やデジタルツールの活用は、ビジネスを円滑に進める上で不可欠といっても過言ではありません。もし、自社にITに詳しい人材が在籍していのであれば、まるごとビジネスサポートのようなサービスを利用し、積極的にデジタルツールを活用しても良いかもしれません。
※本記事は2023年11月現在の情報を元に制作されています。