なぜ最低賃金は引き上げられたか
毎年のように引き上げが行われる最低賃金。2023年10月にも実施され、東京では2022年の1,072円から1,113円に、全国平均では、961円から1,004円へと43円の引き上げが行われました。
この最低賃金の引き上げには、賃上げによって消費を促し、日本経済を発展させるといった目的や社会情勢の変化による急激な物価上昇など、さまざまな理由があります。もちろん労働者にとっては望ましいことですが、経営者にとってみれば、人件費が増加するため、悩ましい問題かもしれません。
一般的に最低賃金の引き上げは企業に次のような影響があると言われています。
人件費の増加
最低賃金が上がることにより、2023年10月の最低賃金よりも低い賃金を設定していた企業は、引き上げを行わなければなりません。そのため、企業によっては人件費が増加してしまいます。
新規採用がしづらくなる
上記に伴い、人件費が増加すれば現在雇用している従業員の維持に資金が回る可能性があるため、新しい人材を採用するのが難しくなる恐れがあります。
その他にも、人件費が増加することで、利益が減少したり設備投資が抑制されるといった影響が考えられます。
最低賃金引き上げに関する助成金・補助金
こうした問題に対し、政府では最低賃金引き上げに向けた支援事業を行っています。ここではその一部を紹介します。
業務改善助成金
事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を引き上げ、設備投資等を行った中小企業・小規模事業者に、その費用の一部を助成する制度です。「(1)中小企業・小規模事業者であること(2)事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内であること(3) 解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がないこと」を満たす事業者が対象となります。
キャリアアップ助成金
有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といった非正規雇用労働者の正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する仕組みです。たとえば、賃金規定を改定し、非正規雇用者の基本給を3%以上賃上げする場合には、キャリアアップ助成金の「賃金規定等改定コース」が利用できます。
事業再構築補助金(最低賃金枠)
2022年10月から2023年8月までの間で、3か月以上 最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員の10%以上いることを要件とし、利用できる補助金です。
また「ものづくり補助金」や「IT導入補助金」は、最低賃金引き上げを受けて、最低賃金引上げ幅以上に賃上げの努力を行う場合、補助金の採択において加点措置が得られるようになっています。
(参考)厚生労働省:最低賃金引き上げを受けて賃上げに取り組む皆様へ
https://www.mhlw.go.jp/content/001169488.pdf
助成金や補助金を効率的に申請する方法がある
今回紹介した、最低賃金引き上げに伴う助成金・補助金のように、企業を支援するための制度は数多くあります。しかし、数多くあるからこそ、「自社にマッチする制度を見つけられない」といった問題も発生しています。また、申請したい助成金・補助金があったとしても、書類を揃えたり提出したりするには相応の手間がかかります。
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経営者にとって、賃上げは短期的に見れば悩ましい話です。しかし、今回紹介したような補助金や助成金を活用し、無理なく従業員に還元できれば、満足度の向上にもつながるはずです。ドコモビジネスでは「無料助成金診断」も用意していますので、自社に受給の可能性がある制度を一度確認してみてはいかがでしょうか。
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※本記事は2023年11月現在の情報を元に制作されています。最新かつ正確な情報は官公庁や自治体のホームページなどをご確認ください。