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【読書】「タイプ」や「違い」を知れば、
人間関係はスムーズに

【読書】「タイプ」や「違い」を知れば、人間関係はスムーズに

NewsPicks +d編集部NewsPicks +d編集部が、本の要約サイト「フライヤー」とコラボし、NewPicks +dの読者向けに話題の書籍の要約をお届けする連載「10分読書 +d」。
今回は『「他人に振り回される私」が一瞬で変わる本』(日本実業出版社)をお届けします。
ぜひ、新たな知識を手に入れてください。

目次

人間関係に悩む時間とエネルギーを少しでも節約し、やりたいことに集中して本来の自分で生きるのが、本書の目指すところである。

著者は、JAL国際線の客室乗務員として働きながら心理学を学び、現在はコミュニケーション心理学などに関するセミナー講師として活躍する山本千儀氏だ。

著者によると、人間関係が上手くいかないのは、相手と自分の違いがわからないからだという。そこで本書では、相手と自分の違いを理解し、尊重するメソッドを教えてくれる。

本書には、人間関係の「悩み」を「気づき」に変えるためのヒントが詰まっている。活躍の場が広く、人間関係の悩みが多い人にぜひ、一読をおすすめしたい。

【必読ポイント!】 気質の基本を知る

性格を構成する「気質」と「人格」

人間関係において「相手と上手くかみ合わない」と感じるのは、その人と自分の違いがわからないからだ。違いを知れば、モヤモヤが晴れ、相手を尊重しやすくなり、ストレスが軽減される。

人間の性格は、生まれ持った「気質」と、後天的な生育環境によって育まれる「人格」によって形成されると考えられている。

生まれ持った気質が核となり、気質の周りを取り囲むように、人格の膜がつくられていくイメージだ。年齢を重ねるにつれ、人格の膜が分厚くなり、気質が見えにくくなることがある。

気質の3タイプ:理論型、感覚型、行動型

人の性格の土台となる「気質」について、詳しく見ていこう。ここでは、著者が学んだ日本コミュニケーション心理学協会の溝口和廣会長による「理論型」「感覚型」「行動型」という分類を採用する。

理論型は、思考を重視し、理由を知って納得してから動こうとするタイプだ。自分で段取りをし、準備が整ってから行動することを好むため、他人のペースで動かされるのが苦手である。

感覚型は、感覚や気分で動くタイプだ。好き嫌いがハッキリしており、情に流されやすく、人に気をつかいがちな傾向がある。

行動型は、初動のスピードが速く、理屈を知るよりもまずは試して理解しようとする。ムダを嫌い、話を聞いている途中で「結論は?」「結局どうするの?」と発言することもある。性格の土台になっているのは、以上の3つの気質だ。それぞれの違いを知れば、あらゆる人間関係が円滑なものになるとともに、ビジネスでのセールスやクレーム対応などにも適切に対応できるだろう。

Caiaimage/Sam Edwards/gettyimages
Caiaimage/Sam Edwards/gettyimages

異なるタイプの3人が旅行の計画を立てたら?

私たちは、異なる気質の人と接すると、違和感を抱いたり、心地悪さを感じたりするものだ。だが、自分とは違うタイプの人もいるのだと知れば、その違和感や心地悪さを許容できるようになるだろう。

たとえば、気質の異なる3人が一緒に旅行の計画を立てているとしよう。

感覚型のBさんは、パンフレットに載っている綺麗な景色に反応して「この景色、すごくない! ここに行こうよ!」と言う。イメージ重視のタイプだから、ビジュアルのインパクトに惹かれたのだ。

理論型のAさんは、事前に情報収集をし、綿密な計画を立ててきたようだ。Bさんの発言に対してこう言った。
「そこに行くとなると〇時〇分のバスに乗るしかないから、ランチのお店には間に合わないかも。駅前の美術館の周りはいろいろお店もあるし、効率も良くて、その後の移動もスムーズよ」

行動型のCさんはこう言う。「今そこまで細かく決めないとダメかな? 現地でホテルのコンシェルジュに聞くのは? 新しい発見があるかもね」
行動型のCさんは、細かなプラン作りを重視する理論型のAさんを理解できず、「どうして計画にそこまでこだわるのかな」と思っているようだ。

だが、Aさんが理論型だとわかれば、「段取りを立てたいタイプだから予定が気になっているのかも」と納得できるだろう。

また、Cさん自身が行動型であるとわかっていれば、「私はその場その場で決めたいから、最初からすべてを決められるのが苦手」と自覚できる。

感覚型のBさんも、AさんとCさんの思考グセを知っていれば、2人のやり取りにクスッと笑えるようになるかもしれない。
お互いの行動パターンや思考のクセを知れば、相手を理解し、受け止めやすくなるのだ。

「口グセ」からタイプがわかる

気質は話し方に表れる。理論型の人は説明が長くなりがちで、感覚型の人は感覚的な表現を好み、行動型の人は相手の話が長くなると聞かなくなるクセがある。

理論型の代表的な口グセは「つまり~、要するに~」「分析が必要」「具体的に説明すると……」だ。感覚型は「何となくそう思った」「ピンときた」「上手く言えないけど……」。行動型は「結論は何?」「まず行動が先でしょ」「やってみないとわからない」である。

こうした口グセは、普段は口にしなくても、切羽詰まった時やプライベートでリラックスしている時などに出やすい。相手のタイプを知りたいなら、そうしたタイミングに観察してみよう。

相手の気質タイプを把握したら、それに合わせたコミュニケーションを取ってみるのも一つの手だ。

例えばLINEに返信する際、理論型の人には具体的な内容を意識する。感覚型の人は感覚的な表現を好み、相手に共感を求めるため、「私もすごいと思った!」「わかるよ!」といった言葉が喜ばれるだろう。
行動型の人には、長文ではなく、端的な言葉でリズムよく返信していくと良い。

maroke/gettyimages
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気質タイプ別の褒め方

相手を褒める時も、気質タイプごとに響く言葉は異なる。

理論型の人が相手なら、論理性や知識の豊富さ、アイデアなどを褒めると良いだろう。「説明が論理的で細かいところまでわかりやすいです!」「何でも知っているんですね!」などがその一例だ。

感覚型の人に対しては、人柄や親切さ・気づかいを褒めると響きやすい。「あなたのお陰です!」「あなたと一緒にいるといつも楽しいです」などといったフレーズである。

行動型の人は、少し下手に出つつ、スピード感を褒めると効果的だ。「早いですね!」「すごい! 尊敬します」などというと、良い気分になってくれる。

相手のタイプに合わせて褒めることは、相手を喜ばせるギフトを贈ることと同じだ。心に響く言葉を伝えるためには、相手のことを正しく知る必要がある。

気質の考え方をビジネスに応用する

気質タイプ別 セールストーク

気質タイプをセールストークに応用してみよう。

理論型のお客様は詳しい商品説明を求める傾向がある。このタイプには、原材料の産地や製造工程のこだわりなどを説明し、他社の商品より優れている点を強調すると良い。

感覚型のお客様は、商品そのものより「この人から買いたいか」を意識するため、誠実に頑張る姿を見せるのがポイントとなる。このタイプには、高額商品であっても、販売員の人柄によって購買を決める人が多くいる。

行動型のお客様は体験を重視する。細かく商品説明するより、サンプルを渡したり、商品を体験できる機会を提供したりするほうが望ましい。

もちろん、すべてのお客様が3タイプに分かれるわけではないし、自分とは違うタイプの行動をすることもあるだろう。それでも、相手の傾向を意識すれば、プレゼンがうまく進みやすくなるはずだ。

気質タイプ別 クレーム対応

気質タイプの考え方はクレーム対応にも応用できる。

理論型の人は、嘘をつかれたり、だまされたと思ったりしたときに怒りのスイッチが入りやすい。ルールを守らない人にイライラしがちなのも特徴だ。
また、「どうしてそうなったのか」を追及する傾向がある。理由や背景を知って納得したいのだ。

理論型の人を怒らせてしまった時は、「謝罪+理由」が効果的だ。まず謝罪をし、怒りの原因となった物事や発言がどうして生まれたのかを、順を追って説明する。すべて正直に話せば納得してもらえる可能性が高い。

感覚型の人は、人前で貶されたり恥をかかされたりすると傷つきやすい。
このタイプの人は、人情深く他人のために尽くすことが多い反面、感謝してもらえないと怒りのスイッチが入ることがある。感覚型の人の気づかいをスルーするのはNGだ。

感覚型の人を怒らせてしまった時には、「謝罪+傾聴と同情と共感」で対応しよう。謝罪の後、相手の発言を傾聴し、共感する。
心のこもった声色やトーン、態度で「そんなつもりではなかった」「わかってなくて、傷つけてしまってごめんね」などと誠実に伝えると良い。

行動型の人は、人から見下されるとカチンとくることがある。
行動型の人が怒ると、「なぜやらないの?」「どうして動かないのかな?」といった言葉を発するケースが多い。支配的になり、相手を思い通りに動かしたいという気持ちが見え隠れする発言が端々に出る。

このタイプの人には「謝罪+結論+低姿勢」を基本とし、あくまで低姿勢・謙虚に対応しよう。謝罪後は簡潔かつ詳細な報告をした上で「次はどうすればいいですか?」などと指示を仰ぎ、その通りに動くと、行動型の怒りを鎮めることができる。

mapo/gettyimages
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気質タイプ別 上司のトリセツ

気質タイプに配慮したコミュニケーションは、セールストークやクレーム対応だけでなく、組織内のやり取りにも役立つものだ。ここではまず、気質タイプ別の上司のトリセツを紹介しよう。

理論型の上司は、説明が長く、段取りを決めたり結論を出したりするまでに時間がかかる傾向がある。報告は細かい情報まで伝えると良いだろう。シンプルに物事をまとめ、すぐに行動できる人物が部下だと、組織がうまく動きやすい。

感覚型の上司は表現力がありアイデア満載だが、一方で理論性と計画性に弱みがある。部下にぴったりなのは、数字に強く、冷静で客観的に物事を見られるタイプだ。

行動型の上司は、走りながら考えるタイプで、軌道修正することもたびたびある。「部下に教えるよりも、自分でやったほうが早いしラク」と考えがちで、じっとしていない人が多い。そんな上司の不在時、組織を任せられる部下が必要不可欠だ。

上司部下の関係では、気質の違いが上手くハマり、お互い補い合えるケースが多いものだ。特性の違いを恐れるのではなく、お互いの強み・弱みを活かす方法を前向きに考えることが大切だ。

気質タイプ別 部下の指導法

次に、部下の気質タイプ別の指導法を紹介する。

理論型の部下は、段取りや順序を重んじるため、事前に計画や進め方などを詳しく伝えておくのが望ましい。スケジュールを細かく決め、マニュアルを渡して順番通りに指導するのも良いだろう。「とにかくやってみたらわかる」というスタンスは苦手である。

kazuma seki/gettyimages
kazuma seki/gettyimages

感覚型の部下は、自分の現状をわかってほしいという気持ちが強いため、まめなサポートが必要だ。「大丈夫?」「わからないことがあったら、いつでも聞いてね」などと相手に寄り添う姿勢を見せると、安心して動いてくれる。

行動型の部下は、OJT形式を採用し、上司のやり方を真似てもらうのが効果的だ。このタイプは、事前に上司に相談せずに行動し、「〇〇をしておきました」などと事後報告をすることも多い。
場合によっては「行動する前に一言報告してください」と指導する必要があるだろう。

kazuma seki/gettyimages

この記事はドコモビジネスとNewsPicksが共同で運営するメディアサービスNewsPicks +dより転載しております 。 
提供:フライヤー
編集:斉藤和美
デザイン:山口言悟(Gengo Design Studio)

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