中小企業のDXを阻む「圧倒的」な人材不足
コロナ禍をきっかけに進んだ働き方の多様化、円安と物価の高騰、深刻な人手不足など、企業を取り巻く環境は厳しさと不透明さを増しています。こうした環境下でも成長を続けるにはデジタル化、DXが不可欠ですが、規模の小さい企業ほど苦戦しているようです。
特に深刻なのが、DXの推進に不可欠なIT人材の不足です。中小企業庁が公表した2023年版「中小企業白書」によれば、「IT、デジタル人材は採用していない」という企業が7割に達し、「IT、デジタル人材が不足している」と訴える企業まで含めると9割を超えます。ほとんどの中小企業は、ITに関連する多くの業務を極めて少ない人数で実行しなければならないという状況にあるのです。
そもそも、多くの中小企業はIT部門を持っていないという現状があります。IT担当者はいても、1人ですべてのITの面倒を見る“一人情シス”や総務などの他部門と兼務している“兼業情シス”がほとんどです。IT人材を新たに雇用・育成するためには、何十万、何百万といった費用がかかってしまうため、たとえ社内からDXやデジタル化に対する要望が出ていたとしても、コスト面でなかなか応えられないという企業も多いのです。
さらに、地方になればなるほど相談できるパートナーも少なくなります。都心部以外の会社経営者にとっては、デジタル化を進める環境はまだ不十分で、デジタル化を進めるにあたり社外に頼ろうとしても、地方ではそもそも相談先が存在しないことが多いのです。
それでもデジタル化、DXの取り組みは待ってくれません。その結果、多くの中小企業は「何をすればよいのか分からない」「誰に相談すればよいのか分からない」という状況に陥っているのが現実です。では、中小企業が限られたリソースの中でDXを進めるにはどうしたらよいのでしょうか。
情シスがいなくても「安心」のワケ
苦境に立つ中小企業に向けて、ITサポートサービス「まるごとビジネスサポート」を提供しているのがNTTコミュニケーションズです。
これは、パソコンやスマートフォン、プリンタ、ネットワークなどの設定、WordやExcelなどのソフトウェアや業務用アプリケーションの設定・使い方を低価格でサポートし、企業のデジタル化、DXを支援する年中無休(9時~20時)のサービスです。同社 プラットフォームサービス本部コミュニケーション&アプリケーションサービス部の肥塚 夕季菜 氏は、次のように説明します。
「IT担当者を悩ませている大きな課題のひとつに「ノンコア業務」の負担があります。情シスは自社のビジネスバリューを高めるためのIT活用である「コア業務」に携わる必要がありますが、一方で、問い合わせ対応や定型作業などの「ノンコア業務」もまた欠かせない業務になります。双方の業務をバランスよく行う必要がありますが、IT人材が限られた環境下ではなかなか難しいという現状があります。
そうした状態を改善できるのが、『まるごとビジネスサポート』です。同サービスは、ITの設定・導入だけでなく、使いこなしまで支援するのが特長です。IT関連の専任者を置くのが難しい中小企業は、『まるごとビジネスサポート』を利用していただくことで、IT人材不足の解決につなげられます」(肥塚氏)
同サービスのサポートの内容は多岐にわたります。たとえば、パソコンであればWindows/Mac/Chromebookに対応。最近は教育分野でChromebookの導入が進んでいることもあり、「まるごとビジネスサポート」を活用する教育機関も増えているといいます。
一方、ソフトウェアのサポートも幅広く、「たとえばExcelであれば、関数やセルの書式設定、PowerPointであれば表・グラフの作り方などの基本的な機能や操作方法、ビデオ会議システムのZoomやWebex、Teamsなどの設定や使い方などもサポートします」と肥塚氏は話します。
ソフトウェアに関しては、NTTコミュニケーションズが中堅・中小企業のデジタル化・DXを支援する目的で運営するドコモビジネスオンラインショップで提供される「dX勤怠・労務管理」や「ビジネスdリモートデスクトップ」などの業務系のSaaSアプリケーションもサポート対象となるといいます。
現場訪問でのサポートにも対応
そんな「まるごとビジネスサポート」ですが、具体的なサポート方法としては「電話」「リモート」「訪問」の3種類が用意されています。
基本は電話でのサポートですが、電話で解決しない場合は、画面を共有してのリモートサポートを受けることが可能です。
プラットフォームサービス本部コミュニケーション&アプリケーションサービス部の石川 怜奈氏は次のように説明します。
「たとえばリモートサポートであれば、オペレータが必要な箇所を指し示してお客さまを支援する“赤ペン機能”や”指さし機能”が用意されています。また、お客さまの許可をいただいた上で、オペレータが直接操作することもできます。パソコンでもスマートフォンでも画面を共有しての支援が可能です」(石川氏)
さらに現場での作業が必要な場合は、訪問サポートにも対応します。追加料金は発生しますが、ハードウェアの故障など現場対応が必要なときも安心です。
用意されているプランは次の3つです。
・回数無制限プラン(税込10,000円/月)
・20回までプラン(税込3,740円/月)
・5回までプラン(税込2,200円/月)
石川氏によれば、最も利用されているのが「回数無制限プラン」だといいます。これは、月1万円で回数に制限なく、月に何回でも問い合わせ可能なプランです。
「中小企業では新たにIT人材を雇いたいと考えていても、コスト面で難しいケースが多いと聞きます。新たにIT担当者を1名雇う際に人件費が月に数十万円かかることを想定すると、『まるごとビジネスサポート』は最上位プランの「回数無制限プラン」だとしても、たったの1万円で費用対効果が高いため、非常に喜ばれております」(石川氏)
なお、回数無制限プランでは、オプションとして「IT資産管理 by ジョーシス」という情報システム部門向けのIT資産の一元管理サービスも用意されています。
「中小企業では、“ひとり情シス”という言葉に代表されるように、ITに関する煩雑な管理業務に圧迫されて本業に手が回らないという課題があります。資産台帳をExcelで管理していたり、社員が入退社をする度にさまざまなアカウント発行・削除業務をしなければならないといった状況です。こういった課題に「IT資産管理byジョーシス」は有効です」(石川氏)
このサービスでは、バラバラに管理しがちな「デバイス台帳」や「アプリ台帳」を、従業員に紐づく形で結合させることで、SaaSやソフトウェアなどのアプリ・デバイスを1つの画面で管理できます。このように一元管理することで、ノンコア業務の削減、ITコストの最適化、さらにはセキュリティ強化までも実現することが可能となります。
IT担当の負荷が「ほぼゼロ」になる実力とは
このように企業のIT使いこなしを強力に支援する「まるごとビジネスサポート」ですが、すでに多くの企業に導入され、IT人材不足の解決に貢献しています。たとえば、導入している介護関連の企業もその1社です。
「あるお客さまでは、ソフトウェアの使い方など社内のITに関する多くの問い合わせが総務担当者に来ており、本来の業務に支障をきたしていました。そこで、『まるごとビジネスサポート』を導入いただいたところ、問い合わせがほぼなくなり、本来の業務に集中できるようになったと伺っています」(石川氏)
また、全国に現場がある建設関連の企業も、「まるごとビジネスサポート」で業務を効率化しました。
「現場の事務所にはIT担当者がいないため、分からないことがあるたびに本社のIT担当者に問い合わせがあったといいます。内容によっては現地対応も必要だったため、非常に負担が大きかったと伺っています。それが『まるごとビジネスサポート』ですべて解消したということです」(石川氏)
このほか、IT部門を持つ規模の大きい中堅企業での導入も少なくないといいます。特に全国に店舗や支社を持つ企業にとっては、各拠点からの問い合わせ対応がIT部門の大きい負担となっていることが多いです。その負荷を減らすため、「まるごとビジネスサポート」を活用するケースが増えてきています。
多くの中小企業の実情について肥塚氏は、次のように述べます。
「業務の効率化やコストの最適化を積極的に進め、本来やるべきことに限られたリソースを集中させることが重要です。しかし、分かっていてもIT人材不足によって進められないのが多くの中小企業における実態です。ぜひ、『まるごとビジネスサポート』を活用して、こうした状況を打開していただければと思います。お客さまにとって、NTTコミュニケーションズが『相談できる、また信頼のおけるパートナー』となれば幸いです」(肥塚氏)
IT人材不足を根本的に解決する手段がない以上、その役割を社外に求めるのは合理的です。IT人材と同じ機能・役割を月数千円~1万円で利用できる「まるごとビジネスサポート」は、中小企業にとっては間違いなく有用なサービスといえるでしょう。ぜひ、活用していただきたいです。