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【読書】人を陥れる
「攻撃欲の強い人」への正しい対処方

【読書】人を陥れる「攻撃欲の強い人」への正しい対処方

NewsPicks +d編集部が、本の要約サイト 「フライヤー」とコラボし、NewPicks +dの読者向けに話題の書籍の要約をお届けする連載「10分読書 +d」。今回は『他人を攻撃せずにはいられない人」(PHP研究)をお届けします。ぜひ、週末のひととき、新たな知識を手に入れてください。

この記事はNewsPicksとドコモビジネスが共同で運営するメディア「NewsPicks+d」編集部によるオリジナル記事です。ビジネスやキャリアに役立つコンテンツが無料でご覧いただけます。 NewsPicks+d 詳しくはこちらをクリック

目次

世の中には、他人を攻撃せずにはいられない人がいる。
本書では他人を攻撃せずにはいられない「攻撃欲の強い人」を取り上げ、事例にもとづいてその心理メカニズムを分析する。

攻撃欲の強い人の特徴、ターゲットとなる人が抵抗できなくなる理由、攻撃が及ぼす影響について述べている。どのように対応すべきかがわかる処方箋も紹介されているのがありがたい。

まずはどのような特性があるのかを知り、かれらの「攻撃しようとする意図」を理解する。その解決への第一歩をこの本とともに踏み出そう。

「攻撃欲の強い人」の特徴

相手の幸せを破壊し、支配する

攻撃欲の強い人は、「破壊」を欲している。

強い怒りや敵意をもって、他人の幸せや成功すべてを壊そうとする。周囲への影響を顧みず、自分の道を邪魔する者の足を引っ張る。正当な理由があるかのように振る舞い悪意を隠して、あるいはそもそも悪意にすら気づかずに行動することもある。

かれらは、全てを自分で支配したい。とにかくけちをつけ、あら探しをして自分の力を誇示しようとする。

うまく機能していた場をわざわざ壊し、あえて「自分のやり方」を導入し、それを決して変えようとしない。

都合が悪くなると責任転嫁する。

周囲にイエスマンを集めて、自らの存在意義を強調しようとする。このなかで出来上がった組織は、早晩つぶれる。

こうした人と一緒にいると徒労感や疲労感を覚える。最初は何となく感じるくらいだったとしても、言動を細かく観察すれば、あなたの世界を混乱させるタイプの人なのかが見えてくるはずだ。

攻撃に対する反応の種類

では自分自身の身を守るためには、何をすればよいのだろうか。「自分がターゲットになったときの体・心の反応」と、「誰かが攻撃された時に周囲に見られる反応」の2軸から考えてみたい。

「急に気力や自信をなくす」「罪悪感にさいなまれる」「反論してもムダだと思う」「あの人がいると心身の不調が出てくる」といった場合は、できる限り距離をおくべきだ。早急に誰かに相談し、助けを求めよう。

自分が直接のターゲットではなくても、攻撃欲の強い人は周囲に影響を及ぼす。重苦しい雰囲気が漂い、もめ事や不和が絶えない。病気や事故、退職も増えて全体的に沈滞したムードが漂い、疲弊している。

そんな状況でも、攻撃欲の強い人は「自分の正しさ」を確信している。間違っているのはいつも他人であり、その考え方を変えさせようとしても無駄だ。

(写真:vejaa / gettyimages)
(写真:vejaa / gettyimages)

人を壊すために使う「武器」

攻撃欲のある人は、さまざまな方法で心身を破壊してくる。

攻撃をとがめられても「わからないふり」をして、しらを切る。非難した側が逆に責められ、「攻撃している非常識な奴」扱いをされることもある。その結果、何をやっても何を言っても効果がないと感じて疲弊することになる。

自分以外の人間には何の価値もないと思っているため、「他人の価値を無視」する。

「愛している」と言いながら人前ではバカにするなど、言葉と真意、言っていることとやっていることに大きな「ズレ」を生じさせ、相手を混乱させる。

罪悪感を抱くように仕向けて自分の攻撃欲を隠蔽しようとするのも常套手段だ。

こうした“武器”が巧妙に使われると、自分も周囲も容易に反撃できない状況へと陥ってしまう。

反撃できない被害者たち

被害者が反撃できなくなってしまう理由は、いくつかある。

たとえば、「上司には逆らえない」「子供は親の言うことを聞くべき」「他人に不快感を与えるようなことをしてはいけない」といった「善」とされている社会通念が頭をもたげて、強く言い出せない。

「私のためにしてくれている」「しつけのため」と正当化する素地が被害者側にあるケースもある。

逆に、攻撃欲の強い人のほうから「先輩は尊重すべき」などと振りかざしてくることもある。まずはそれ自体がその場で適切か疑わなくてはならない。

被害者本人が依存している場合もある。

経済的な理由であることが多いが、攻撃欲の強い人は、それを利用して恐怖心を煽っている。

「一人でやっていけるはずがない」「次の仕事は見つからない」などと脅し文句を言ったり、「他人にどう見られるか」という第三者からの評価をちらつかせたりして、思い通りに操作しようとするのだ。

自己愛の果てに

攻撃欲の強い人は、自身の考え方こそ唯一最良であり、他人のものの見方などは一切考慮しない。

相手は抵抗せずに賛同すべきだとの強い信念を持つ。それに付き合っているうちに無力感でいっぱいになり、いつしか「他者の欲望」を満たそうと従順に振る舞うようになる。

攻撃欲の強い人は、自分と違う考え方に信念を揺さぶられることに耐えられないのだ。

他人の考え方を尊重するためには、自分の決断を変更したり、自分の落ち度や過失を認めたりする必要も出てくる。その居心地の悪さを避けようとして、自己防衛に走るのだ。

自分が誰よりも優れているという「自己愛の塊」であり、「自分は重要人物だ」と思い込んでいる傲慢さがあるからこそ、自分より「弱い」他者との境界を遠慮なく踏み越えてしまう。

自分以外の人と仲良くすることで自分の影響力が及ばなくなるのは不安であり、知らないところで幸福になることに怒りすら覚える。その背景にあるのは羨望だ。

だから、ターゲットとなる被害者を孤立させようと、周囲の人に不信感を抱くように仕向ける。

話し合おうとしても、「時間がない」「こんなことでは応じられない」と煙幕を張ったり、大声でその場を支配しようとしたりする。

自分に問題があったとしても、全ての責任を外部に投影し、自分は「無垢」なままであるかのように行動する。これこそ、「自己愛のなせるわざ」だ。

(写真:Khosrork / gettyimages)
(写真:Khosrork / gettyimages)

【必読ポイント!】 攻撃のターゲットになりやすい「いい人」

寛大さは偽装した悪徳

被害者たちは、攻撃欲の強い人が何を求めているのかわからず、予測不能な反応に戸惑う。

ターゲットになりやすい人の側も、「他者の欲望」をできるだけ満たそうとするあまり、真の意図が余計に見えづらくなっている。相手が自分を利用しようとしているなどとは信じられず、目の前の現実から目を背けようとするからだ。

不和や葛藤への恐怖、愛情を失うことへの恐怖、金銭・役職などの「利得」を失うことへの恐怖などを抱き、支配から逃れることができない。

自分の欲求が無視され、怒りと敵意を感じるようになったとしても表に出すことはなく、自罰的な感情をくすぶらせる。

そうしているうちに心身にも不調をきたすことになってしまう。

その姿は怒らない「寛大さ」として映るかもしれない。しかし実際は、いい人だと思われたい、反論するのも面倒だ、後で復讐されるのは怖い、といった感情の産物なのだ。

こうした状況が続くなら、さらに弱いものに対して似たような仕打ちをする「置き換え」が起きるだろう。それもできないなら、自分の内側に向かうしかない。「自己処罰」は、病気という形で「元の対象」への復讐となるのだ。

イネイブラーにならないために

自分の身は、自分で守らなければならない。攻撃欲の強い人の「イネイブラー(支え手)」になっていないか、振り返ってみてほしい。

「イネイブラー」とはもともと、アルコール依存症の患者に酒代を与えたり、飲酒の不始末の尻拭いをしたりする人を指す。

献身的に振る舞うことで、結果的に患者が依存症から回復することを妨げてしまう。そこにあるのは共依存的な関係だ。

攻撃欲の強い人の周囲にも、親切で優しく、他人の悪意に傷つけられてもすぐに忘れて笑顔で接しようとするイネイブラーがいないだろうか。

「黙々と働いていればいつか相手の態度が変わる」と淡い期待を抱く。そんな展開は幻想にすぎない。

離別や病気、失職などの喪失体験をしたり、人間の嫌な部分には目をつぶってすぐ理想化したりする人は、幻想を壊すような現実への直面を避ける傾向にある。満たされないリアルを乗り越えるために自己暗示をかけ、攻撃欲の強い人の鴨にされてしまうのだ。

目と耳を働かせ人間を観察し、過酷な現実を受け入れる覚悟が求められる。

「見せかけの幸福にしがみつこうとするタイプ」も、目の前の現実を否定しがちだ。

毎日夫から罵倒され殴られていても、庭つき一戸建ての家に住む幸せな家族像から逃れられない。

上司からの理不尽な仕打ちを受けても、一流大学を出てブランド企業に勤めているという「理想的な状況」から降りられない。

「離婚したら生活レベルを下げなければならない」などと感じてしまう。

承認欲求の強い人ほど、手に入れた幸福という幻想を手放す勇気が持てない。周囲に「幸福」を見せびらかしたい。

窮屈な思いをして仮面をかぶり続けるより、伸び伸びと自分らしく暮らした方が幸せなのではなかろうか。

(写真:Bulat Silvia / gettyimages)
(写真:Bulat Silvia / gettyimages)

攻撃欲の強い人に効く処方箋

一刻も早く、脱出する

攻撃欲の強い人には、どのように対処すればよいのだろうか。「やられたらやり返したい」と感じるのも無理はないが、それは得策ではない。重要なのは「支配されて振り回されている関係」から直ちに脱出することだ。

どんなに恐ろしく見える相手にも、必ず弱点はある。むしろ弱点を抱えているからこそ、それを白日のもとにさらされる瞬間を恐れている。

恐怖に訴えるのは、自信のなさや無力感の裏返しだ。周囲との信頼関係をうまく築けないために、相手より優位に立って支配しようとする。

つまり、攻撃欲の強い人は臆病な意気地なしであり、真正面から立ち向かう勇気を持たない人なのだ。

もし攻撃に悩まされているならば、かれらと心理的な距離を保つために次の3つの問いを思い浮かべてみてほしい。

「なぜ、こんなふうにふるまうのか?」「一体何を恐れているのか?」「何に対して劣等感を抱いているのか?」

すぐには答えが見つからなくても、かれらの弱さを思い描き、客観的に観察することは、かれらに対する恐怖や無力感を和らげてくれるはずだ。

(写真:nicoletaionescu / gettyimages)
(写真:nicoletaionescu / gettyimages)

相手に応える義務はない

残念ながら、攻撃欲の強い人は変わらない。ターゲットを破壊し、羨望の対象だった「幸福」が消えるまで攻撃は続く。

相手が変わるかもしれないと期待してはならない。変えられるのは自分自身の考えだけだ。相手の期待に応えようとする心がけは、捨ててしまおう。

最良の解決策は、できるだけ会わないように行動することだ。顔を合わせないようにすることは、逃避ではない。「逃げるなんて、臆病者のすることだ」などと言うかもしれないが、そんな言葉を真に受ける必要はない。

職場から離れられない、同じ屋根の下にいるなど、どうしても会話をしなければならない場合は、表面上は礼儀正しく、世間話程度にとどめ、距離を置く。私生活や心配事などを話すと隙を見せることになる。質問されたとしても、正確に答える義務はない。

攻撃欲の強い人は、要求をほのめかして欲しいものを手に入れようとする。

たとえその内容に察しがついても、無視してよい。

そこで罪悪感をかき立てようとしてきても、「なぜ、あなたがこの仕事をしないのですか?」などと明確な説明を求めてみよう。そうしたことを繰り返すうちに、わなを仕掛けるような行動はとらなくなるはずだ。

他人を幸福にする、あるいは不幸にする力、それだけの影響力が自分にある、という幻想を抱くと、罪悪感にさいなまれてそこを利用されることになる。そうした万能感を捨ててしまえば、もっと楽に生きられるだろう。

この記事はドコモビジネスとNewsPicksが共同で運営するメディアサービスNewsPicks +dより転載しております。

提供:フライヤー
編集:斉藤和美
デザイン:山口言悟(Gengo Design Studio)

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