IT用語集

アノテーションとは

テキスト、音声、画像などのデータにタグやメタデータと呼ばれる情報を付けていく工程のこと。

アノテーション(Annotation)は、「注釈」を意味する言葉であり、ITの分野ではデータに対して追加の情報タグ(メタデータ)を付加する作業です。近年、アノテーションの需要が高まっている背景には、主に2つの要因が影響しています。

1つめはビッグデータの活用です。巨大なデータ群をビジネスで活用するためには、正確なデータ運用が必要不可欠です。アノテーションによって個々のデータがタグ付けされることで、ビッグデータを効率的に管理できるようになります。

2つめは、AIによる機械学習の実践です。AIの分野におけるアノテーションは、テキスト、音声、画像・動画データに情報タグを付与する作業を指し、特に「教師あり学習」においては欠かせない作業となっています。教師あり学習とは、教師データ(正解ラベルの付いたデータ)を読み込ませて、データの特徴やパターンを学習させていく手法です。まず、あらかじめ正解となる答えがわかっているデータをコンピューターに学習させます。学習のために大量の教師データが必要になることもあります。教師データによる学習を終えたのち、正解ラベルを付けない状態で未知の入力データから、正しいかどうかを予測できるようになります。この機械学習の構築に必要なデータを作るためのタグづけをする作業がアノテーションです。

AI開発におけるアノテーションはデータの種類によって方法が異なります。たとえば画像データの場合、画像内の対象を検出する方法(野菜、フルーツなど)、画像から領域を抽出する方法(この領域は食材、この領域は器など)、物に属性をタグ付けする方法(緑色、白色など)があります。

アノテーションとは、教師あり学習において正解のラベルを付ける作業

音声データのアノテーションでは音声を文章として書き起こし、単語一つひとつに意味をタグ付けしていく作業となります。アノテーションの質はAIの精度に直結するため、タグ付けの一貫性の確保や専門知識の共有といった、明確なガイドラインを設ける必要があります。

膨大なデータへのタグ付けを手動で行う場合、多くの手間とコストがかかります。そのため、アノテーションを自動化・効率化させるアノテーションツールを活用する企業も少なくありません。また、医療画像や金融情報、法律文書といったデータに対しては、専門知識と経験を持ったアノテーション代行サービスの利用が推奨されます。

AIモデルの構築に役立つアノテーションツールには、いくつかの注意点があります。1つは、アノテーションの目的に沿ったツール選びです。製品によって画像認識・動画認識・自然言語処理のいずれかに特化しているため、AI開発に合わせたツールを使用する必要があります。次に、操作性です。長期間にわたって大量のデータに対してアノテーションを行う場合は、作業効率に優れたツールや適切なガイドラインを設けることが重要となります。代行サービスを利用する際には、担当者とAI開発における考え方やイメージの共有ができる点にも気を付ける必要があります。

運用コストを重視する場合は、クラウドソーシングに連動したアノテーションツールの利用も選択肢の1つになりますので、AI開発の目的・予算に合わせたサービスの利用が求められます。

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