その反対で、これらを自社で保有するのではなく、サービスとして提供されているものを利用してシステムを運用するのがクラウド・コンピューティング(クラウド)になります。
クラウドに対するオンプレミスのメリットとして、利用するサーバーやネットワーク機器などを自由に選定できることが挙げられます。たとえば、大規模な人工知能の学習などに利用する極めて高い処理能力が求められるシステム、あるいはシステムが停止すると大きな支障が生じることから高可用性が求められる、ミッションクリティカルなシステムなどでは、クラウドでは構築が難しいケースがあることから、オンプレミスが選択されることが少なくありません。
また、システムの運用において、クラウドではサービス提供事業者の都合に影響されることがありますが(クラウドの定期メンテナンスなど)、オンプレミスでは基本的に自社の都合を優先してシステムを運用できるメリットもあります。
デメリットとしては、ハードウェアなどを自社で資産として持つ必要がある、運用も自社で行うことが前提となるといったことが挙げられます。このため、システムの特性や要件などに応じて、適切にクラウドとオンプレミスを選択することが求められます。