レガシーシステムとは、過去の技術や仕組みで構築されているシステムを指す用語です。1980年代に多くの企業が導入した、メインフレームやそれを小型化したオフコン(オフィスコンピューター)と呼ばれるコンピューターを使ったシステムを主にレガシーシステムと呼びます。
メインフレームは独自OSで稼働するほか、アプリケーションソフトウェアはCOBOLなどの言語を使い、自社の業務に合わせて独自に開発することが一般的です。アプリケーションソフトウェアの改修が必要になった場合は、自社、あるいは外部のシステムインテグレーターなどに依頼して対応することになりますが、メインフレームの技術に精通した技術者は高齢化が進んでおり、人材不足が大きな課題となっています。
1990年代後半から2000年代に入ると、仕様が標準化または公開されている技術を用いたオープン系などと呼ばれるシステムに多くの企業が移行します。ただ、この時期に開発されたオープン系システムであっても、すでに最新の技術に対応することが難しいことから、レガシーシステムと呼ばれることがあります。
2018年に経済産業省が公表した文書である「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」では、約8割の企業がいまだにレガシーシステムを抱えているとした上で、「IT人材が不足する中、レガシーシステムの保守・運用にIT・ソフトウェア人材が割かれており、貴重な『IT人材資源』の“浪費”につながっている」と指摘しています。