ロボティクスとは、ロボットのフレームや機構を設計する機械工学、ロボットに組み込んだモーターを動かす電気回路を制作する電気・電子工学、ロボットを制御するプログラムつくる情報工学に関する研究を総合的に行うロボット工学のことです。
ロボティクスの英語表記は「Robotics」、日本語では「ロボット工学」と訳されます。アメリカの作家、アイザック・アシモフが自身のロボットが登場するSF小説のために、robotに物理学(physics)などに使われている語尾「-ics」を付けた造語がロボティクスのルーツだといわれています。ロボティクスは、ロボットの構想、設計、製造、運用などを対象とした工学の一分野であり、人間の役に立つロボットを実現する学問です。現在、世界中で多くの大学や企業がロボティクスの研究に注力しています。
これからのロボットは、インターネットにつながったセンサーからさまざまなデータを収集し、AI(人工知能)で分析・判断して自律的に動作するようになります。ロボティクスが広く普及することによって、労働力不足の解消、業務の効率化、生活の品質向上など、さまざまな領域の問題を解決できると考えられています。現在は工場の生産用途、飲食店での配膳用途などで活躍するロボットがメジャーですが、今後は、高齢化を支える介護や医療、災害救助、警備、農業、観光、エンターテインメントといった幅広い分野での活躍が期待されています。
このように多様な用途での活躍が期待されるロボティクスは、これからの社会、ビジネスに大きな変革をもたらすと考えられています。近年では日本を含む世界各国の金融商品取引所に上場されているロボティクス関連企業の株式に投資を行い、中長期的な信託財産の成長を目指して運用を行う「グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年決算型)」といったETF(上場投資信託)も登場しています。