サブスクリプションとは、商品やサービスを購入することなく、一定の期間、サービスや商品を利用できるビジネスモデルです。一般的に料金を支払っている間は、自由に商品やサービスを利用できますが、契約が終了するとそれらは利用できなくなります。
サブスクリプションは「サブスク」とも呼ばれ、すでに幅広いサービスで採り入れられています。たとえばサブスクリプション型音楽配信サービスでは、一定期間の利用料を支払うと、その期間はサービスに登録されている音楽が聴き放題になります。映画などの動画をインターネット経由で配信する有料動画サービスでも、月額料金の支払いでコンテンツが見放題になるサブスクリプション型が一般的です。その他、雑誌や書籍が読み放題になる、洋服やカバンなどをレンタルできるサブスクリプションサービスも登場しています。
ソフトウェアをサブスクリプション形態で提供するサービスも増えています。月単位、あるいは年単位で契約して料金を支払うと、その期間は対象のソフトウェアを利用できるという内容です。永続的にソフトウェアを利用できるライセンスを購入する従来の形式に比べ、安価にソフトウェアを使い始められる、短期間だけ利用する場合であればライセンスを購入するよりも安価であること、さらに企業で利用する場合にはライセンスを資産として計上する必要がないがメリットとなります。
また多くのクラウドサービスも、サブスクリプション型のサービスとしてとらえることができます。たとえばマイクロソフトが提供するMicrosoft 365®では、メールの送受信などの機能を提供するExchange、社内のメンバー間でのコミュニケーションに使えるTeams、ファイル共有に利用できるOneDrive for Businessなどのサービスを月単位、あるいは年単位で料金を支払うことで利用できるサービスです。プランによってはWordやExcel、PowerPointといったOfficeアプリケーションを利用する権利も含まれています。Microsoft 365®には関連付けられたアカウントがあり、必要に応じてインストール、再インストールするといったサブスクリプションの管理ができるようになっています。
多くの企業が参入するサブスクリプションですが、メリットばかりではありません。たとえば、契約に不要な機能やコンテンツが含まれる、利用しない月でも支払いが発生する、買い切りではないため解約後は手元にコンテンツや商品が残らないといったデメリットもあります。
人々のライフスタイルが所有から利用へと変化しているように、企業においてもモノやライセンスを資産として保有せずに利用できれば財務上の負担を軽減できるメリットがあることから、今後幅広い領域にサブスクリプション型のサービスが広がる可能性があると考えられます。
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