タクシー業界の顧客接点における課題
高齢者における運転免許返納の動きが広がっていること、そして人口減少に伴う地方都市の公共交通ネットワークの縮小により、タクシーのニーズは年々高まりをみせています。一方、このような底堅い需要があるタクシー業界は、慢性的な人手不足が深刻な状況にあり生産性向上の取り組みが必要になっています。
人手不足のために車両の稼働率を高められない状況で売上拡大を目指すのであれば、お客さまの「タクシーに乗りたい」という配車依頼に対して、確実に受けて乗務員につなげること。それが予約時の顧客取りこぼしを防ぐポイントです。そこでタクシー業界では、配車依頼が可能なスマートフォンアプリの提供など、利用者がタクシーを呼ぶための手段を増やすなどの対応が進んでいます。ただ特に高齢者にとっては、オペレーターと直接会話しながら配車を依頼できることが安心感につながるため、現在でも電話での顧客接点は欠かせない重要なチャネルです。そこで見直したいのが電話の受付体制です。
具体的な課題としては、「お話し中になっていることが多くて、なかなか電話がつながらない」といったお客さまの不満は、取りこぼしの一例です。その電話がもしお得意さまからのものであれば、極めて大きな損失となりかねません。また、電話による配車手配が増えたことでフリーダイヤルを窓口にしている場合、通話料の負担が増加も課題となります。こうした課題を解決するには「ナビダイヤル」が最適です。「CS維持/向上」、「機会損失/生産性向上」、「業務効率化/コスト削減」3つのケースをもとに、解説していきます。
タクシー業界の「電話受付」のポイント1 CS(顧客満足度)の維持/向上
別の営業所への迂回で配車依頼の取りこぼしを防止
通常の電話回線を利用している場合、発信先が別の電話に出ていると、当然お話し中となり電話はつながりません。これに対しナビダイヤルは、お話し中の際に別の営業所に迂回するように設定できる機能があります。これを利用すれば、特定の営業所に配車依頼の電話が集中しているときでも、別の営業所のオペレーターが電話を受けることが可能となり、配車依頼の取りこぼしが防げます。
通話料無料のガイダンスでお客さまのストレスを軽減
電話受付で何も対策を行っていない場合、通話中の際はお話し中音や鳴りっぱなしとなるため、お客さまの不満につながります。また、PBXなどの電話設備を導入することで、お話し中の際に「ただいま電話が混み合っています」などのガイダンスを流すことが可能ですが、PBXのみの導入では、ガイダンスを流している間にも発信元負担の通話料金が発生してしまうのが難点です。ナビダイヤルであれば、ガイダンス中は通話料無料となり電話がつながるまでは通話料はかからないため、CSの維持向上が図れます。さらにガイダンスは、テキストを設定画面で入力すれば、自然な合成音声のガイダンスを流すことも可能です。また、英語のガイダンスも可能です。
タクシー業界の「電話受付」のポイント2 機会損失の抑止/生産性向上
お得意さまからの電話を取り逃がさない
タクシー会社にとって、長距離での利用が多い“お得意さま”の存在は大きいはず。電話がつながらなかったことで、そうしたお客さまからの配車依頼を取り逃せば、別のタクシー会社に鞍替えされてしまうといったことも十分に考えられます。
そこでぜひ活用したいのが、ナビダイヤルで提供されている発信電話番号ルーティングという機能です。あらかじめ設定したお得意さまの電話番号からの着信を優先的にオペレーターに繋げることが可能なので、お得意さまからの電話を取り逃さない環境を構築することができます。
コール数把握 ⇒ オペレーターの適正配置で生産性向上
電話による配車受付でのコールの取りこぼしは、機会損失に直結する問題となるため、早急に改善すべきポイントです。ただ、実際にどの程度のコール数があり、そのうちコールの取りこぼしがどの程度発生しているのかを把握するのは容易ではありません。
ナビダイヤルであれば、コールの集計や分析結果をWebブラウザで見ることができるトラフィックレポートの機能があります。PBXでは把握できない電話網側の着信状況について、不完了の理由も含め把握することが可能です(例えば、ガイダンスの切断、呼び出し中に切断など)その内容に沿ってナビダイヤル機能の最適化やオペレーターの適正配置を行うことより、配車依頼の取り逃しなど機会損失を防ぎ、生産性向上を実現できます。
タクシー業界の「電話受付」のポイント3 業務効率化、コスト削減
SMS送信によりWebサイトのFAQへ誘導
「電子マネーでの支払いは可能ですか」、「予約をキャンセルした場合に料金はかかりますか」など、タクシーの利用に関する問い合わせを電話で受けることも少なくないはず。こうした、よくある質問とその回答をWebサイトに掲載していれば、顧客にとってもわざわざ電話で問い合わせる必要がなく、またタクシー会社にとっても問い合わせ電話への応対で大事な配車依頼の電話を取り逃すといった問題を解消できます。
ただ現実には、Webサイトに情報を掲載していても認知されておらず、電話でお問い合わせされることが多いのも事実です。そこで活用したいのがSMS送信サービスです。受付窓口がお話し中だった場合、携帯電話にショートメッセージで「よくある質問はこちらにまとめています」などとしてURLを送ることも可能です。お客さまは再度電話をかけることなく、疑問を解消することが可能になり、コール数の削減にもつながります。さらに、Webに誘導することでお迎えタクシーや観光タクシーなどのサービスのPRにも役立ちます。
フリーダイヤルからナビダイヤルに変えてコストを削減!
通話料金を着信側で負担するフリーダイヤルをご利用中であれば、それをナビダイヤルに変更することでコスト削減を図ることができます。
ナビダイヤルは発信者が通話料を負担するサービスであり、着信者側の通話料負担をゼロにすることが可能です。なお全国一律料金にすることが可能なほか、通話料の一部を着信側で負担し、発信者の通話料負担を軽減することもできます。
あるタクシー会社では、それまで配車依頼の電話受付にフリーダイヤルを利用していましたが、通話料の負担軽減を目的として顧客が通話料を負担するナビダイヤルに切り替えました。この移行作業は慎重に進められています。フリーダイヤルとナビダイヤルを共存させる期間を設け、万が一の場合にはフリーダイヤルに戻せるようにしたほか、お得意さまには個別に電話して新しいナビダイヤル番号を伝えたり、タクシー車内でチラシを配布したりして周知を徹底、さらにナビダイヤルならガイダンス応対中に通話料がかからないこともアピールしました。これらの取り組みを行っている間、ナビダイヤルの利用率推移などをモニタリングしたところ、結果的に総コール数が減ることはなく、無事にナビダイヤルへの切り替えを完了しています。このタクシー会社では、フリーダイヤルからナビダイヤルへの切り替えにより、数千万円の通話コストをゼロにすることに成功しています。
まとめ
このようにナビダイヤルは、タクシー業界における「CS(顧客満足度)の維持/向上」から「機会損失の抑止/生産性向上」、さらには「業務効率化、コスト削減」までをトータルで実現します。業務生産性の向上、そして売上拡大を果たすためのツールとして、ナビダイヤルの活用をぜひご検討ください。