Vポイント統合による競争激化が
「ポイ活」を加熱させる
2024年4月、「TSUTAYA」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブが展開してきたポイントサービスの草分け的存在「Tポイント」が、三井住友フィナンシャルグループの展開する「Vポイント」と統合し、新たなVポイントが誕生しました。両社の試算によると、今回の統合で実際にサービスを利用する会員数は約8,600万人になる見込みです。これまで携帯大手4社などが形成していたポイント経済圏の新勢力として名乗りを上げたわけです。なぜ、多くの企業がポイントサービスに注力しているのでしょうか。それは消費者の間で加熱する「ポイ活」ブームに起因すると考えられます。
クレジットカードの普及やキャッシュレス決済の多様化により、私たちの暮らしのまわりでどんどんポイントが身近になっています。それに伴いポイントを賢く貯めて、貯めたポイントを活用して、お得に生活する「ポイ活」が活性化しています。無料で始められ、ネットショップでの買い物、銀行口座の開設、ホテルや飛行機の申し込みなど、多様な場面でポイントを貯められることがポイ活の人気を支えています。
GMOメディア株式会社「ポイ活」に関する調査によると、約9割の人が「意識してポイントを貯めている」と回答。その理由として「ポイントが貯まる場所が多いから」(42.6%)、「ポイントが貯まるキャッシュレス決済を利用するから」(41.8%)、「ポイントを使える場所が多いから」(40.5%)という回答がトップ3にラインインしています。生活圏内にポイントが貯まる、使える場所が増えたこと、キャッシュレス決済の利用機会が高まったことなどがポイ活の追い風となっているようです。
ポイ活ブームを受けて、共通ポイント発行元の各社によるポイントを売りに顧客を囲い込む「ポイント経済圏」の形成が進みました。これまで携帯大手4社を中心に各社が激しい競争を繰り広げてきています。携帯大手4社が公表している会員数は、個々が日本の人口規模に匹敵します。KDDIなどの「Pontaポイント」は1億1,000万人以上、楽天グループの「楽天ポイント」は1億人以上、NTTドコモの「dポイント」は約1億人、ソフトバンクの「PayPayポイント」は6,300万人以上で、合計すれば日本の人口を大きく上回る数字になります。日本人の多くがポイントを掛け持ちで利用していることがみてとれます。つまり、ここにVポイントが参入することでポイント経済圏の競争がひときわ過熱することは明らかで、今後ますますポイントの市場規模は拡大していくでしょう。
企業の「ポイ活」が経営者や経理担当者にもたらすメリットとは?
経営者にとって経費の削減は円滑に事業を回すために欠かせない指標の1つです。とはいえ、社員1人ひとりの領収書をいちいちチェックするのは現実的に不可能だと考えている方も多いのではないでしょうか。一方で経費を管理する当事者である経理担当者も、月末月初には、支払い、立て替え払いといった経費精算、あるいは支払先が複数あるため対応に時間を取られている方も少なくないでしょう。そこで解決の一助としておすすめしたいのが企業の「ポイ活」です。
ポイ活と聞くと個人のもの、コンシューマーのものだと思っていませんか。実は法人企業でもポイントが貯められて、上手に使いこなすことで経費削減などが可能になります。たとえば、企業・個人事業主向けの法人クレジットカードには利用額に応じてポイントが貯まり、賞品やマイルなどに交換できるポイントプログラムというサービスがあります。この法人クレジットカードを活用することで企業の経営者、経理担当者にさまざまなメリットが生じることをご存じでしょうか。
経営者のメリット
- オフィス用品や公共料金などの支払いを法人カードに一本化すれば振込手数料が削減できる
- 支払いを決済の2ヵ月後などに設定できるためキャッシュフローにゆとりが生まれる
- 社員の経費利用を可視化できるため、不適切な利用を抑止できる
- ポイント還元や海外旅行傷害保険、宿泊施設の優待割引などビジネス向けの特典が利用できる
経理担当者のメリット
- 出張旅費や接待費などの支払いを法人カードで一本化すれば仮払いや立替え払いの稼働がなくなる
- 法人カードで事業上の支払いを行い、個人の支払いと分けることで経費精算の手間を削減できる
- 法人カードで支払いを一本化すれば時間が節約でき、ポイントも多く貯められる
- ポイントの活用により備品購入のみならず、急な支払いにも追加予算の申請なしでも対応できる
上記のような理由から、法人クレジットカード(およびポイ活)の活用をおすすめします。
ただし、クレジットカードの契約名義人が法人の場合、貯まったポイントの所有権は法人にあります。経営者や従業員の私的な使用はできないため注意が必要です。法人名義のカードで貯まったポイントは、備品の購入費にあてるなど、会社にとって必要な商品やサービスの利用に限ります。次項ではクレジットカードのほかにも、法人企業がポイントを貯められるお得なサービスについてご紹介します。
ITサービスの利用でもポイントが貯められる
法人クレジットカードに限らず、いまや航空会社のマイレージをはじめ宿泊施設、レンタカーの利用やオフィス用品の購入で貯められるさまざまなポイントもあります。こちらのポイントを意識して積極的に活用していくことをおすすめします。
たとえば、いまやクラウド、ネットワーク、スマホといったIT関連のサービスは、ビジネスの生産性向上、収益拡大のために不可欠となっています。これらのITに関するサービスを利用することで貯められるポイントがあるのをご存じでしょうか。
NTTコミュニケーションズ、ドコモが提供する対象のサービス・ソリューションの注文や利用で貯まる「ドコモビジネスポイント」では、貯めたポイントをドコモ回線やドコモ光の料金の支払い、スマホ・PCの周辺機器の注文などに利用可能です。
ポイント獲得のためには、ビジネスdアカウントでの会員登録が必要です。そのアカウントで「ドコモビジネスオンラインショップ」に会員登録し、ポイント対象のサービスを注文することで約4カ月後にポイントが獲得できる仕組みになっています。
ドコモビジネスオンラインショップの購入金額にポイント付与率をかけたものが獲得ポイント数になります。たとえば、ドコモビジネスオンラインショップで安全運転支援サービス「LINKEETH DRIVE Safety」を3ID契約した場合、ポイント付与対象外のオプションサービスを除いた金額に10%のポイント付与率をかけることで15,000ポイントが獲得できます。
さらにポイント付与は購入金額だけではありません。入会金・年会費無料の「ドコモビジネスメンバーズ」に加入することで、一部対象サービスについては毎月の利用金額でドコモビジネスポイントが貯まります。月々の利用金額200円につき1~10ポイントが貯まり、ドコモ回線の継続利用期間や指定サービスの加入状況に応じてステージが上れば進呈されるポイントも多くなります。定期的にもらえるポイントがアップするキャンペーンもありますので、かしこく使いこなしてポイントを貯めていきましょう。
購入金額、月額利用金額で貯めたポイントは毎月の料金の支払いはもちろん、ドコモビジネスオンラインショップにおけるデータ量の追加、電池パックの交換、スマホやPCなどの周辺機器の購入に使えます。ポイントは1日にして成らず。コツコツ貯めて、かしこく使うのが企業運営におけるポイ活の鉄則です。
現在、ドコモビジネスオンラインショップではさらなる品揃え拡大に向けた準備を進めています。会社でNTTコミュニケーションズやドコモのサービス・ソリューションを利用しているのであれば、無料かつ簡単な手続きで始められるため、是非ともポイ活を検討してみてはいかがでしょうか。いずれポイ活は広く企業に普及するでしょう。先見の明で、今から始めておくことをおすすめします。