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ドコモビジネスのSmart Workstyleが描く
“従業員への信頼”×DXから始まる
働き方改革の効果的な進め方

ドコモビジネスのSmart Workstyleが描く“従業員への信頼”×DXから始まる働き方改革の効果的な進め方

従業員を信頼することをベースに社内ルールを見直せば、業務は劇的に効率化でき、働きやすい環境が実現できるかもしれません。そのような改革を目指す、ドコモビジネスのSmart Workstyleについて、Smart Workstyle推進室の川田英二室長が解説します。

目次

働き方改革を妨げるのは“性悪説”かもしれない

写真:ビジネスソリューション本部 事業推進部 Smart Workstyle推進室 室長 川田英司

NTTコミュニケーションズ株式会社
ビジネスソリューション本部 事業推進部
Smart Workstyle推進室 室長
川田英司

「コロナ禍を受けて多くの企業でテレワークが普及し、従来の働き方を見直す動きが加速しました。多くの企業で、いまだ働き方改革は重要な経営課題の一つです。

NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)では、社内外に見られる働き方改革の課題を解決するために、自ら率先して組織変革を前提とした働き方改革を推進。さらに「Smart World」構想の柱の1つとして「Smart Workstyle推進室」を設立しています。同推進室が“お手本”として目指しているのが、スマートフォンとネットワークさえあれば簡単に人とつながり、欲しいものが手に入るコンシューマーの世界です。

「現在、コンシューマーの世界にはGAFAなどによる便利なサービスがあふれ、不便なサービスは淘汰されます。一方、ビジネス、エンプロイー(従業員)の世界には利便性よりもルールが重視された使いづらい仕組みが存在し、ほかに選択肢がないため淘汰もされません。

このため、申請書や帳票を作成・印刷し、上長承認サインをもらい、PDFファイルにして申請・提出する、分厚い操作マニュアルを数十ページ読まないと利用できない非効率な社内システムがなくならないのです」

問題の根本は “性悪説”でルールがつくられていることにあると川田室長は指摘します。

「ルールを重視するあまり、利便性は二の次になってしまっています。一度、不正が発生すると再発防止策として、手間のかかるプロセスを追加したり、社内のバックエンド側では、複数人の担当者・管理者が不正を見落とさないようチェックを重ねています。ここに日本での働き方改革が進まない落とし穴があります。さまざまなものをデジタル化し、適正かどうかの判定を人からコンピュータ(AI)へシフトさせれば、無駄な業務はなくなり、時間も短縮でき、結果的にコストも抑えられるのではというのが取り組みの発端です」

Workstyle変革DXソリューションのコンセプト

現在、Smart Workstyle推進室では「Workstyle変革DXソリューション」という取り組みを進めています。これはデータ利活用、デジタル化、モバイルファーストの視点から「すべての働く人が、最適な働き方を選び、活躍できる世界」の実現を目指すものです。

このようなデジタル面からの取り組みに加え、企業内の制度やカルチャーを変えていくことも重要になるといいます。

「私たちは、社会やビジネスで将来の予測が困難な状態である“VUCA(ブーカ)”の時代に突入しています。この時代に、従来の全社一律で全従業員に平等なルールでは、突発的な変化には対応できません。

これからは従業員を“信頼し、適正チェックはコンピュータ(AI)に任せる”という前提のもと、一人ひとりが柔軟に状況を判断し、自律的に行動できる“従業員ファースト”のルールづくりや、環境の見直しが必要になってくるはずです」

※「VUCA(ブーカ)」:Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の頭文字をつなぎ合わせた言葉。これら四要因により、現在の社会経済環境が極めて予測困難な状況に直面しているという時代認識を表しています。

従業員を信じれば、業務の無駄は劇的に減る

企業規模が大きくなるほど、社内に根付いたルールを変える難易度は高くなります。多くの社内関係者にルール変更の必要性を納得させる必要があるためです。

そこでSmart Workstyle推進室ではNTT Com社内に、まず社内ルール適用外のエリア「特区」をつくりました。そこで「交通費申請プロセスの削減」「調達プロセスの自由化」という2つの施策のトライアルを行っています。

交通費精算プロセスの削減は、「モバイルSuica」へのチャージを法人クレジットカードで行い、交通機関を利用するという非常にシンプルな施策です。

「これにより従業員は交通費の立て替えや申請業務がなくなりますし、管理者も振り込む手間がなくなります。さらに、利用データをチェックする場合、人手であれば膨大なログからピックアップしてチェックしなければならず、時間もコストもかかります。

一方、コンピューター(AI)であれば入館ログやスケジューラー、位置・エリア情報も含めた全データの適正チェックを過去に遡って全件監査できます。この網羅性は不正利用に対する牽制にもなるでしょう」

実際に、NTT Comの営業部を対象にトライアルを行った結果、満足度調査では100%を記録しました。忙しい月末に発生する、面倒な交通費申請の手間がなくなったことが満足度につながったといいます。

調達プロセスの自由化は、従業員に法人プリペイドカードを配布し、AmazonなどのECサイトで商品購入ができるようにする施策です。この施策の狙いは、従業員に会社で定めた調達システム以外の選択肢を与えることにあります。

「社内で定められた調達システムで購入する場合、社内稟議に2時間、在庫がない場合には納期まで2週間かかることもあります。プリペイドカードを利用して、発注先を限定しなければ、発注は5分で済み、早ければ翌日には商品が届くようになります。しかも、頼んだ商品が会社に届く調達システムと異なり、自宅での受け取りも可能です」

各施策から見えてきた従業員のニーズ

これらの施策を通して、従業員から寄せられた声を整理すると、「自ら働き方を選べる」「自分で考え行動できる」「無駄な作業から解放される」という3つのポイントが見えてきました。

「このニーズに答えることで業務の無駄がなくなり、生産性が高まるだけではなく、従業員のモチベーションを高める、健康面を改善するといった副次的な効果も生まれてくるのではないかという仮説に辿り着きました。このような取り組みを続けることで、すべての従業員が自由に活躍できる世界をつくりたいと思っています」

施策から生まれたサービス「Smart Go®」と「Staple」

ドコモビジネスでは交通費精算プロセスを削減するサービス「Smart Go®」を提供。経費精算アプリ一体型の法人プリペイドカードサービス「Staple」も提供しています。

NTTグループを変えられれば、大きな成功事例になる

Smart Workstyleのコアバリューは「法人キャッシュレス」「“私”の証明」にあります。好きな場所で自由に働けるようなシステムを実現するには、スマートフォンを使ってのスピーディなお金のやりとり、簡単な自己証明ができる仕組みが前提となるためです。

「ドコモビジネスではスマホのアプリに社員証データを集約するデジタル社員証サービス『Smart Me®』を提供しています。将来的には多様なSaaSアプリとの連携などにより、デジタル社員証などによる企業間のビジネスマッチングなども提供していく計画です」

Smart Workstyle推進室の取り組みは従業員向けであるため、直近の目標としては約30万人が在籍するNTTグループへの導入にあります。

「優れたサービスであっても企業の制度やカルチャーを見直さない限り全社導入は不可能です。逆にコンプライアンスや制度・ルールがしっかりと整備されている“NTTグループ”を変えられるなら、大きな成功事例になると思います。

私たちが制度・カルチャーの変更を含めた成功事例をつくり、広く水平展開することで、ワークスタイル変革の先駆者となることを目指しています」

After/Withコロナの時代は、これまで先送りにしてきた働き方を見直す好機ととらえることもできます。時短、残業時間の削減だけでは根本的な働き方を変えることはできません。通勤定期代の廃止やオフィススペースの縮小、対面からリモートへの営業スタイルの移行など、解決すべき課題は山積しています。そのような課題をお持ちの方は一度、自社内外で豊富な働き方改革の実績を持つドコモビジネスにご相談ください。

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