旭硝子株式会社
グローバルビジネスを支える安心のサービス
拠点間連携とセキュリティを強化
旭硝子株式会社
情報システムセンター
OA・ネットワーク グループリーダー
赤崎 峰大 氏
「高収益・高成長のグローバル優良企業を目指す弊社に最適なインフラを実現できました」
課題
バラバラに構築してきた各国のコミュニケーション環境を統合
1907年の創立以来、総合ガラスメーカーとして、さまざまな産業や社会の発展に貢献してきたAGC旭硝子。現在は、世界トップクラスのシェアを誇る建築用・自動車用ガラス事業に加え、液晶ディスプレイ向けガラスや電子部材などを提供する電子事業、フッ素・スペシャリティ製品などを提供する化学品事業といった多彩な事業を展開している。
現在、同社は「AGC plus」という新経営方針のもと、持続的な成長を目指している。具体的には、世の中に「安心・安全・快適」を/お客さま・お取引様に、「新たな価値・機能」と「信頼」を/従業員に「働く喜び」を/投資家に「企業価値」を、という4つのメッセージを掲げ、あらゆるステークホルダーにプラスの価値を提供しようとしている。
今日、多くの企業がビジネスのグローバル展開を重要な経営課題として掲げているが、同社は、すでに50年以上も前から積極的に海外市場に進出している。ただし、そのスタイルは、従来と現在とでは大きく異なる。
重量の重いガラス製品は輸送に適さないことから、かつては基本的に、現地で消費されるものを現地で作るというスタイルで事業を展開。そのため海外関係会社は独立性が非常に強かった。「一方、現在は、物流の革新が進んだこともあり、各国の拠点間で需給の状況に応じて生産設備や在庫を融通し合うなど、各国の拠点が連携するスタイルへと変化しています」とAGC旭硝子の赤崎 峰大氏は語る。
このような変化に対応するために、同社が着手したのが、グローバル規模で拠点間コミュニケーションをよりスムーズに行うための仕組みづくり「Global Communication Enhancement Project」(以下、GCEP)である。
具体的には、それまでバラバラに構築していたタイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、中国、香港、韓国、台湾といったアジア各国の拠点のメールインフラを統合。「さらに認証基盤も統合することで、事業のグローバル化に欠かせないセキュリティレベルの底上げも同時に図ることにしました」と赤崎氏は紹介する。
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対策
重要な設備を安心して任せられる実績にもとづく信頼性の高さを評価
この新たなグローバルコミュニケーション基盤を支えているのがNTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)のサービスである。
まず、AGC旭硝子は国内のデータセンターにメールインフラや認証基盤を集約。その上で、クラウドサービス「Enterprise Cloud」(以下、ECL)」を活用して、ファイアウォールやIPS、ロードバランサ機能を備えたメールやWebアクセス用のインターネットゲートウェイを構築し、メールインフラと各国の拠点とを接続する構成としたのである。
選定に当たっては、データセンターの堅牢性や運用監視の品質などを重視し、重要なインターネット関連設備を安心して任せられることを要件として掲げ、過去の実績などからNTT Comの提案を採用した。
というのも同社は、そもそも国内外のネットワークに「Arcstar Universal One」をはじめとするNTT Comのサービスを利用している上、ECLをグループのオフィシャルWebサイトや、受発注システムのフロント側Webサーバーの運用基盤として利用してきた。
「長いお付き合いの中で、信頼できるパートナーであることを実感しています。グローバル規模でインフラを統合して運用するには、各地域の現地キャリアをコントロールしなければならないなど困難な課題をクリアしなければなりません。その点、NTT Comは、各地域に拠点を配置し、グローバルできめ細かな対応が可能。困ったときにも、すぐに助けてくれる体制があり、非常に安心感があります」と赤崎氏は説明する。また、NTT Comのサービスに統一すれば、VPNとインターネットの接続も容易に行えることも決め手となった。
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効果
事業継続性強化をはじめ継続的なIT環境の改善に取り組む
GCEPを推進したことで、日本、アジア地域における同社のコミュニケーションスピードは格段に向上した。「インフラ統合時にアジア全域で統一アドレス台帳を整備したこともあり、面識がなくとも、拠点や部門を検索して必要なキーマンにアクセスできるようになりました」(赤崎氏)。さらにアジア全域を単一のメールドメインで運用できるようになったことから、異動などがあっても常に同じアドレスでメールを送受信でき、スムーズにコミュニケーションが行えるようになっている。
また、各拠点は自前でメールサーバーや認証サーバーを運用する必要がなくなり、インフラの構築や日々の運用管理にかかる負荷やコストが大幅に軽減。同時にプロジェクトの狙いであったセキュリティレベルの向上については、ウイルスチェックやインシデント管理などを日本側で集中的に行えるようになった。「SSLの脆弱性が問題になった際には、センター側の管理コンソールから各ユーザーのブラウザー設定を一斉に変更し、リスクを低減することができました」(赤崎氏)。
今後もAGC旭硝子は、グローバルビジネス最適化の観点から、オンプレミス環境に構築している各種業務システムをクラウドに移行するなど、継続的なIT環境の改善に取り組む計画だ。
例えば、スマートデバイス活用のためのMDMツールはECLで稼働させ、国内外を問わず、シームレスにあらゆる拠点に適用できる体制を整えた。他にも事業継続という観点から、現在、1カ所に集約しているコミュニケーション基盤やインターネットゲートウェイをECLを活用して二重化するなど、さまざまな施策を検討している。
「NTT Comには、持ち前のサービス提供範囲の広さや信頼性の高さを活かし、これからも我々の取り組みを強力に支援してくれると期待しています」と赤崎氏は強調した。
※「BizホスティングEnterprise Cloud」は2015年8月3日、「Enterprise Cloud」に名称を変更しました。
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導入サービス
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インタビュー動画
インタビュー内容を動画でもご覧いただけます。
旭硝子株式会社
概要
建築用、ディスプレイパネル用、自動車向けガラスを中心に、電子部材やその他の化学関連素材にかかわる事業を展開。特にガラス事業については世界トップクラスのシェアを誇る
URL
www.agc.com
(512KB)
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(掲載内容は2015年3月現在のものです。)
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