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株式会社IHI

内線・外線電話をクラウド化
TCO削減に加え、「1人1番号制」も実現

IHI
株式会社IHI 情報システム部 ICT企画グループ 主幹 松井 秀憲 氏

株式会社IHI
情報システム部
ICT企画グループ 主幹

松井 秀憲 氏

「2013年に策定したグループ経営方針の3カ年計画では、『つなぐ』をキーワードに据えています。今回のNTTコミュニケーションズの提案は、まさにその思いに合致したものでした」

株式会社IHIエスキューブ エンタープライズソリューション事業部 グローバルエンジニアリンググループ チーム長 玉井 文敏 氏

株式会社IHIエスキューブ
エンタープライズソリューション事業部
グローバルエンジニアリンググループ
チーム長

玉井 文敏 氏

「NTTコミュニケーションズの技術者が親身に迅速に対応してくれたことで、短い準備期間でしたが、無事に本番稼働を行えました」

 

課題

自社所有のPBXの老朽化に加え
コミュニケーションの非効率さが問題に

 1853年、「石川島造船所」として創業以来、橋梁など大型構造物、運搬機械をはじめとする産業機械、エネルギー関連機器、ジェットエンジンなどの航空宇宙や先端素材に至るまで、幅広い分野の総合機械・ソリューションを提供するIHI。160年以上培った高度なエンジニアリング力を武器に、日本の社会インフラやものづくりの屋台骨を支えている。

 そんな同社ビジネスの原動力となるのが、全国各地の工場だ。中でも愛知事業所は、油機・シールド掘進機や、海洋構造物といった大型構造物を生産する工場として、40年以上の歴史を誇る。「しかし、課題もありました。長年の操業を経てインフラが老朽化。特に、社内外とのコミュニケーションを担う電話環境に関して、さまざまな課題が浮上していたのです」と同社の松井 秀憲氏は打ち明ける。

 具体的には、長年使ってきたPBXの保守期限が迫っていた。また拠点設立以来利用してきた事業所構内の内線電話網も老朽化。音声品質問題に加え、物理的に断線している箇所もあるなど、対策が必須の状況だったという。

 問題はほかにもあった。敷地が広い愛知事業所では、内線端末に固定電話とPHSを併用。PHSは現場で働く社員や関係者に配布して、工場内を行き来する間も、場所に関係なく連絡がとりあえる環境を実現してきた。「しかし、PHSは構内の内線通話用での利用を主目的に展開を行っていたため、PHSを持っている場合でも、外線利用は一部に限定されていました。外部の関係者や取引先に電話をかける際には、一度事務所に戻る必要があり、非常に非効率でした」とIHIグループの情報システムを担当するIHIエスキューブの玉井 文敏氏も語る。

 そこで同社は、PBXの保守切れを機に、愛知事業所の電話環境を全面的に見直すことを決断。PBXおよびネットワーク環境の老朽化、外線通話時の非効率という2つの課題を解決する方法を検討し始めた。

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対策

資産を持たず、運用負荷とコストを抑制
携帯電話を活かして新たな環境を考案

 同社は、愛知事業所の状況を精査した上で、次のような仕組みを目指すことにした。

 「まずPBXについては、将来にわたる運用・更改の手間やコストをいかに抑えるかを重視。PBXを自社で持たず、クラウドサービスとして『利用』することにしました」(松井氏)。さらに電話網のIP化も実施。そうすることで、すでに敷設済の構内ネットワークを利用でき、配線老朽化の問題も解消することができる。

また、現場の電話環境の改善に向けては、このクラウドPBXと携帯電話を組み合わせる方法を考案した。具体的には、新たに携帯電話をFMC(Fixed Mobile Convergence)端末として導入し、内線も外線も、携帯電話1台で行えるようにするというものである。

 「これなら『1人1番号制』を実現し、場所によらず内線・外線の受発信が行えるようになります。工場内のやりとりが迅速化できると考えました」と松井氏は言う。

 これらの計画を具現化する上で、同社が選んだのが、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)が提供するユニファイドコミュニケーション基盤「Arcstar UCaaS」、および、外線IP電話をサービスとして利用できる「Arcstar IP Voice」、そして、NTTドコモが提供する携帯電話内線化サービス「オフィスリンク」だ。これにより、音声通信環境の「フルIP化」「クラウド化」が実現することになる。

 「アイデアを相談した際、最も親身になって方法を検討し、提案してくれたのがNTT Comでした。また将来、同様の仕組みを全社展開する場合も、国内はもちろん、グローバルにビジネスを展開するNTT Comなら安心です」と松井氏はNTT Comの採用理由について述べる。

 玉井氏も次のように続ける。「IHIエスキューブは、IHIグループの情報システムを安定稼働させる重要な役割を担っています。音声系はその中でも重要なインフラですが、すべてNTTグループのサービスという点で安心感がありました。またIHIグループは、かねてNTTドコモの携帯電話を数多く利用してきましたので、将来的に、それらをFMC端末として活用できる点もポイントとなりました」。

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効果

使い勝手を維持しつつ、コストを抑えて「1人1番号制」の電話環境を実現

 こうして愛知事業所は、両ソリューションを導入。「FMC端末は事業所の内勤者ほぼ全員と現場の職班長を中心に計450台を配布しました。その分、固定電話の台数は大きく削減しています。また、外線通信コストは、従来の約2割削減できました」(松井氏)。

 これにより、コミュニケーションの効率が向上。例えば、従来は各部門の固定電話にかけていた内線が、個人あてにかけられるようになった。いつでも、どこでも、用件をタイムリーに伝えられる上、内容によって、外線をかける必要がある場合も、FMC端末からその場でかけることができる。

 「FMC端末の配布に際しても、利便性の向上を図るため使い勝手面での工夫を実施しました。具体的には、従来の外線番号をそのまま踏襲し、事前に内線番号を端末に電話帳登録することで、導入後全員がすぐに利用できるようにしたのです。これがスムーズな端末展開、早期に成果が得られた理由だと思います」と松井氏は語る。

 今後、IHIは愛知事業所で実現した環境を、他拠点にも順次展開する予定だ。すでに、兵庫県の相生事業所および4つの支社への展開スケジュールを組み始めている。実現された暁には、NTT Comのクラウドサービスを利用する拠点間の通話が内線化され、無料になる算段だ。

 「現在は、些細なことでもメールで連絡をしてしまいがちです。もちろん、手段はTPOに合わせて選ぶべきですが、相手と直接、即時に意思疎通が図れる電話でのコミュニケーションについて、今一度見直すべきだと思います。今回の仕組みをひな形として、広く全社の業務効率化に貢献したい。NTT Comには継続的な支援を期待しています」と松井氏は語った。

図 IHI愛知事業所のサービス活用イメージ

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導入サービス

Arcstar UCaaS

コラボレーションを促進し、ワークスタイルの変革を支えるクラウド型コミュニケーションサービスです。IP電話、ビデオ会議、Web会議、在席確認(プレゼンス)、インスタントメッセージなど各種コミュニケーション機能を統合し、クラウド型で提供します。

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株式会社IHI

株式会社IHI

株式会社IHI

事業内容
資源・エネルギー・環境、社会基盤・海洋、産業システム・汎用機械、航空・宇宙・防衛などの事業をグローバルに展開する。

URL
http://www.ihi.co.jp/


(掲載内容は2015年7月現在のものです)



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