葛飾区子育て支援部保育課 保育管理係 小野寺舞美氏

葛飾区子育て支援部保育課
保育管理係

小野寺舞美氏

「ルクミーの統一運用ルールを定めていますが、どうしても各園の事情に合わせた対応が必要な部分も出てきます。その部分を個別に改善していただける、しっかりとしたサポート体制があることはとても心強いです」

葛飾区南白鳥保育園 園長 山本弘子氏

葛飾区南白鳥保育園
園長

山本弘子氏

「南白鳥保育園の保育理念の1つは、子どもたちの成長を保護者と一緒に喜び合うことです。それをより多く実現できる保育環境をつくるために、今後もルクミーを活用していきたいと考えています」

 

課題

多様な子育てニーズに応える保育サービスの向上が急務に
保育現場はもちろん、保護者の負担を軽減するICT導入へ

東京都葛飾区では32の公設公営保育園がある。その1つ、南白鳥保育園は「子ども一人ひとりを大切にし、健やかな成長を保護者とともに喜び、地域に愛される保育園を目指します」を保育理念に掲げ、すべての職員が、全クラスの子どもに対してふれあい、家庭と連携をとりながら、心身ともに健やかな成長ができるよう日々の保育にあたっている。毎年、南白鳥保育園をはじめとした葛飾区の公設公営保育園では保護者向けのアンケートを実施しており、近年は連絡帳などの電子化を求める声が増えてきていた。さらに、子どもに接する現場の保育士からも日々の業務をICTで効率化したいといった要望も出てきていたという。

「以前より核家族化、地域での人間関係の希薄化が進み、加えて就労状況の多様化などの要因から、子育てにおける保護者の孤立感、負担が増えつつあります。これに伴い、保護者の負担軽減や、保育サービスの向上が求められています。また、一人ひとりの子どもに向き合う個別対応が求められており、さらなる保育のスキルアップが必須となっています。しかし、日々の多忙な業務に追われて保育のスキルアップに時間が割けない課題がありました。そこで、ICTを活用して保護者の負担を軽減し、業務の効率化により生まれた時間で、保育の質を向上したいと考えていました」と語るのは葛飾区子育て支援部保育課の小野寺舞美氏だ。

とりわけ、負担となっていたのは、保護者と保育園をつなぐ連絡ツールが紙や電話に限られていたこと。南白鳥保育園でも、朝の時間帯は欠席、遅刻の連絡で電話が鳴りやまない状況だった。「給食の提供数など、その日の園運営に影響が出るため、保護者の方には朝の8時半から9時までに連絡をお願いしていました。その時間には電話が集中し、子どもが通常と違う健康状態でお休みするといった場合には一人ひとりの様子を詳しく伺う必要もありますので、必然的に1件の電話が長くなってしまいます。そうすると電話がつながりにくい状況が生じ、保護者の方にご不便をおかけしてしまう状況でした。こうした問題を解決するために、よりスムーズな連絡体制の構築が急務となっていました」と園長の山本弘子氏は現場の課題を明かす。

そこで葛飾区子育て支援部保育課では、複数の公設公営保育園の園長と保育サービスを向上させるべくICT導入プロジェクトチームを立ち上げ、1年以上の期間をかけて取り組みを進めた。「最初に各園の課題を洗い出し、その課題の解決に必要なサービス、機能を議論しました。園により必要、不必要な機能が異なるため、合意形成のもとで優先順位を明確にしてから、導入準備を進めていきました」(小野寺氏)

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対策

保護者の負担、保育現場の業務負担を軽減する
質の高い保育サービスの実現に向けて、
葛飾区の公設公営保育園全32ヵ所で
保育総合ICTサービス「ルクミー」を一斉導入
保育現場でも工夫を凝らし、「ルクミー」のスムーズな利用を促進

ICT導入プロジェクトチームでは複数のサービスおよびパートナーの比較検討を行い、最終的にNTTコミュニケーションズの提供する保育総合ICTサービス「ルクミー」を高く評価した。スマートフォン、タブレットなどで利用できるルクミーでは、「保育現場の業務負担軽減」「保育の質&保護者コミュニケーション支援」「園や施設の運営支援」といった、保育園・幼稚園・こども園のさまざまな課題の解決、理想の実現をサポートする多様な機能を提供。全国47都道府県の自治体で広く採用され、16,000件以上の導入実績を持っている。

「プロジェクトチームで評価が高かったのは、サービス画面のデザインです。温かみのある柔らかい色調で見やすく、わかりやすいため、保護者はもちろん、ICTに苦手意識を持つ保育士でも気軽に触れて、馴染んでもらえそうな点がポイントでした。さらに導入後の手厚いサポートに期待できることも高く評価しています。はじめて利用するサービスのため、本当に使いこなせるのか、効果が出るのかといった現場の不安感を払拭するためには、充実したサポート体制が不可欠だったのです」(小野寺氏)

保育ICTサービス「ルクミー」画面イメージ

こうして2024年1月より、葛飾区の運営する32の公設公営保育園にルクミーが一斉導入された。現場の負担を抑えるために、3段階のステップで機能を少しずつ開放する方法を取っている。「ステップ1では登降園の機能を中心に、これまで電話で行っていた遅刻・欠席連絡がアプリから手軽にできるようになっています。さらに保育園からのおたよりもアプリで配信しています。2月にスタートしたステップ2では、これまで紙で運用していた連絡帳の電子運用を開始しました。そして4月から予定しているステップ3では保育記録の電子運用、身体測定結果の配信など、ルクミーのほとんどの機能を開放する予定です」(小野寺氏)

ルクミーの活用を開始した南白鳥保育園では、ICTに苦手意識を持つ保育士たちにも馴染んでもらうために、ある工夫をしている。「触ることすら、おっかなびっくりの保育士たちをケアするための方法を園全体で話し合ったところ、ICTに苦手意識がない2名がICT委員に立候補してくれました。そのため、その2名を中心に、運用のルールづくりと操作のレクチャーを進めています。どうやって電源を入れるの? 触っていたらこんな画面になったけどどうすればいい? など、最初はタブレットを持ちながらICT委員を追いかけて初歩的な質問をする光景をよく目にしましたが、いまではほとんどの保育士がおたより配信、連絡帳などをうまく使いこなせるようになっていますね」(山本氏)

保育ICTサービス「ルクミー」使用イメージ

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効果

園の業務を効率化、保護者にも喜ばれるペーパーレスな情報共有を実現
業務効率化により生まれた時間は子どもとの関わりや、
子ども一人ひとりの健やかな成長を支えるためのスキルアップに活用

ルクミーを使い始めた南白鳥保育園では、すでにさまざまなメリットが生まれている。1つ目のメリットは保護者の負担が軽減できたことだ。「スマートフォン1台あれば保育園からの連絡を好きなタイミングで確認でき、保護者からの連絡帳の記入もできるようになりました。どこでも確認して記入できるし、紙の連絡帳より簡単、便利になったという好意的な意見が多くの保護者の方から寄せられています」(山本氏)

2つ目のメリットは遅刻・欠席の連絡が、アプリ経由で手軽にできるようになったこと。朝に電話がつながりづらいという従来の問題が劇的に改善された。「いまでは朝の保護者からの電話がゼロの日もあります。毎朝、私は門扉に立ち、保護者の方にあいさつしています。電話を受ける時間が減ったことで、子どもたちにいつもと違う様子があれば保護者の方にお声がけするといった別のことに時間が割けるようになりました」(山本氏)

3つ目のメリットは保育園内における情報共有の変化。これまで紙ベースだった出欠簿、連絡帳などをルクミーで一括管理することで、最新の情報をいつでもタブレットなどで確認できるようになったことだ。「私自身、どこからでも連絡帳を確認できるようになったため、保護者の方のお困りごとなどを速やかに把握し、個別に適切な対応ができるようになったと感じています」(山本氏)

南白鳥保育園だけではなく、ほかの保育園でもさまざまな効果が生まれている。それを支えているのは、ルクミーの手厚いサポート体制だ。「ややハードルが高くなるステップ2の連絡帳の運用開始に向け、専属のサポート担当者が全32園に電話をかけて、お困りごとをヒアリングしていただいたことにより、現場職員が抱える疑問点が解消され、スムーズな導入につながったと感じています。さらに電話やメールのカスタマーサポート窓口が別に用意されており、機能に対する質問、使い方の疑問、トラブルの相談などをいつでも保育園からダイレクトに連絡できるようになっていることもありがたいですね。すごく丁寧にサポートしていただいている印象です」(小野寺氏)

今後も葛飾区では、各保育園での運用状況を見ながらルクミーの活用範囲を拡大していく方針だ。

「保育現場に対しては安心・安全な保育のために、ペーパーレス化などによる業務の効率化を進めていき、そこで生まれた時間は子どもたちと関わる時間、保育のスキルアップに充てることを推進していきます。さらに保護者の方がアプリで閲覧できるお子さまの情報量を増やしていきたいと考えています。これからも葛飾区全体の質の高い保育サービスを提供していく取り組みを続けていきます」(小野寺氏)

※「ルクミー」はユニファ株式会社が開発・運営する保育総合ICTサービスです。

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導入サービス

保育ICTサービス「ルクミー」

ルクミーは、保育施設向けの総合ICTサービスです。
保育現場のデジタル化を推進することで、子どもともっと向き合える豊かな環境を整え、業務効率化や保育の質向上を支えます。

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資料請求・お問い合わせ

葛飾区保育課

葛飾区南白鳥保育園

施設概要
子ども一人ひとりの心により添いながら、じっくりと待つ姿勢、子どもが主体的に考える力を養う保育を実践。さらに保護者との接点を大切にし、子どもの成長する姿をしっかりと伝えることを心がけている。

URL
https://www.city.katsushika.lg.jp/institution/1030224/1000100/1007108/1007186.html


(掲載内容は2024年4月現在のものです)


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