株式会社三条害虫 代表取締役 小林 裕加子氏

株式会社三条害虫
代表取締役

小林 裕加子氏

「社員が生き生きと働けて、お客さまに丁寧なサービスを提供できる会社を目指して、時代に合ったやり方で引っ張っていきたいです」

株式会社三条害虫 技術・営業課長 鈴木 基氏

株式会社三条害虫
技術・営業課長

鈴木 基氏

「これまでは書いてあったものを消してまた書き直す手間がかかっていたのですが、Google カレンダーならワンタッチで調整できます」

株式会社三条害虫 事務 小山 亜樹子氏

株式会社三条害虫
事務

小山 亜樹子氏

「無駄な残業も減りましたし、なによりお客さまにご迷惑をかけずに済むようになったのが嬉しいです」

株式会社三条害虫 技術・営業 オペレーター 関根 義仁氏

株式会社三条害虫
技術・営業 オペレーター

関根 義仁氏

「外出先からスケジュールを更新しても、その内容がすぐに反映されて事務の人たちにも伝わるので、突発的な案件にも対応しやすくなりました」

 

課題

突発的な業務への対応が悩みの種
社内業務をグループウェアでデジタル化したい

株式会社三条害虫(以下、三条害虫)では、2018年に創業者の小林敬八郎氏から小林裕加子氏が経営を受け継いで以来、地域貢献という起業の精神はそのままに、より地域から愛される企業を目指すべく、さまざまな施策に取り組んでいる。近年はその一環として、売上管理ツールや勤怠管理ツールを導入するなど、デジタル技術の活用を積極的に推進し、業務の効率化と質の向上を目指している。

同社の業務は、基本的には技術・営業チームの作業員が個別に取引先に訪問して害虫駆除や衛生管理などのサービスを提供する。商圏は新潟県全域と隣県という広大な地域。主な移動手段は自動車だ。事前に決めたスケジュール通りにルートを回るのであれば問題はないが、害虫駆除の依頼は突発的なことも多く、機動性が必要とされる点が悩みの種だった。

デジタル化以前の同社のスケジュール管理は紙が基本。手書きもしくはExcelで作成したスケジュール表を出力して、変更があれば各自それに書き込むといった運用だったため、社内にいる事務員が、現場に出ている作業員の誰が突発的な依頼に対応できるか正確に把握するためには、その都度電話で確認するしか方法がなかった。

しかし作業員が運転中や作業中で電話に出られないことも多く、当然、その間は顧客を待たせてしまう。事務員は作業員への連絡のために一日中電話につきっきりということも日常茶飯事で、ほかの業務に手をつけられずに残業が発生する日も多かったという。

また、同社は書類の管理にも課題を抱えていた。これまで顧客情報や現場の資料を共有する際には、プリントアウトして紙面で手渡す方法が中心だった。だがそれでは手間もかかるし情報流出のリスクもある。同社の代表取締役を務める小林氏は、セキュアなネット環境に資料のデータを保存して共有できる方法を模索していたという。「自分なりに調べてみたのですが、どの方法がベストなのかわかりませんでした」(小林氏)

三条害虫にはIT専門の部署は存在せず、自分たちだけでデジタル化を進めるには限界があった。そんななか、スマートフォンの契約更新に訪れたNTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)の担当者に相談したところ、Google Workspace の活用を提案されたという。

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対策

Google Workspace を導入してスケジュールを管理
現場の実態に合わせて柔軟に運用

「実際にその場でGoogle カレンダーを使ったスケジュール管理の方法をデモしていただいたんです。これは魅力的なツールだと直感しました」(小林氏)

スケジュール管理やデータ管理に使えるグループウェアはほかにも存在するが、ビジネスクラスのソリューションでは比較的安価に導入できたこと、三条害虫の社用スマートフォンのOSがAndroid だったこと、また実際にNTT Com担当者がGoogle Workspace を活用してスピーディに業務をこなしている様子を間近に見たことから、導入の決定は早かった。

「でも、ここからがひと苦労でした」と小林氏。Google Workspace によるスケジュール管理が社内に浸透するまでしばらく時間を要したのだという。「デジタルツールに慣れている社員はすぐに使い始めたのですが、中には苦手意識のある者もいて、導入後に全員が使えるようになるまで3カ月ほどかかりました」(小林氏)

小林氏とGoogle Workspace 導入担当者は、朝礼時にスケジュールの入力依頼を繰り返し、デジタルが苦手な社員には個別にレクチャーするなどして、少しずつ苦手意識を解消していった。「最後まで手書きにこだわっていたのは私だったと思います」と語るのは同社の技術・営業課長である鈴木基氏。長年使い慣れた紙のスケジュール表を手放すのに戸惑いがあったのだという。「時間をかけて教えてもらい、同僚が使っているのを目にするうちに、便利さを実感してきました。スケジュールの変更も、これまでは書いてあったものを消して書き直す手間がかかっていたのですが、Google カレンダーならワンタッチで調整できます。スケジュールに余裕のある箇所を可視化できるのもいいですよね」と意識の変化を語る。

同社のGoogle Workspace の活用方法にはひとつ注目すべき点がある。実は現在、多くの作業員は自分のスケジュールを直接Google カレンダーに入力するのではなく、一度紙面にスケジュールを手書きして、それをもとに入力しているのだ。「まだ慣れていないので」と鈴木氏は苦笑いするが、この方法は二度手間に見えて、実は業務の最適化につながっている。出先で連絡を受けたときに手元に紙がある方が確認しやすいし、簡単にメモも取れる。つまり作業員たちは自然とデジタルとアナログの“いいとこ取り”をしているのだ。

DX推進においては、現場の運用実態に合わせて柔軟にデジタルツールを取り入れ、その利点を生かして業務を効率化することが重要であり、デジタル化そのものを目的にしてしまうと往々にして頓挫してしまう場合がある。そういった意味で三条害虫のGoogle カレンダーの活用実態はDX推進を考える上で非常に示唆に富んでいる。

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効果

スケジュールの共有により業務を効率化
無駄な残業が減り、顧客からの評価も向上

同社で技術・営業チームのオペレーターとして現場を飛び回る関根義仁氏もGoogleWorkspace の利便性を実感しているひとりだ。「外出先からスケジュールを更新しても、その内容がすぐに反映されて事務の人たちにも伝わるので、突発的な案件にも対応しやすくなりました。本当に便利になったと感じています」(関根氏)

事務を担当する小山亜樹子氏も「技術・営業チームの皆さんがどこにいるかひと目でわかるので、お客さまの住所に近い人を素早く手配できたり、地図をすぐに送れたりできるようになりました。無駄な残業も減りましたし、なによりお客さまにご迷惑をかけずに済むようになったのが嬉しいです」と笑顔で語る。顧客から“すぐに対応してもらえて助かった”という声が寄せられることも増えたという。

導入後数カ月が経過し、大がかりな作業の際にはGoogle カレンダーの招待機能を使って作業員の人数を確保するなど、機能の応用も進んでいる。「導入前にNTT Comさんから“こんなこともできますよ”と教えていただいた機能なんです。実際使ってみたらすごく便利ですね」と小林氏。Google ドライブの活用にも取り掛かっており、「すでに社内資料をGoogle ドライブで閲覧・編集する運用は始めています。現場で撮影した写真などについては、今は画像データを出力するかチャットツールにアップするなどして共有しているのですが、管理のしやすさやセキュリティを考えてもGoogle ドライブの活用が最適だと思っています」と次のステップを見据える。Google Meetを現場とつなぎ、熟練作業員による指導を行うといった運用も考えているという。

“お客さまに喜んでいただくこと”を第一に考え、組織としての連携や対応力を高めるためにデジタルツールを活用していきたい、と語る小林氏。「社員が生き生きと働けて、お客さまに丁寧なサービスを提供できる会社を目指して、時代に合ったやり方で引っ張っていきたいです」と力強い言葉で総括する。

三条害虫の事例からは、IT部門を持たない中堅・中小企業であっても、デジタルの力で業務改善を実現し、サービスの質を向上させられることがよくわかる。大切なのは自社の課題を明確化することと、適切なツールを選択して柔軟に運用すること、そのためのパートナーの存在。デジタルに苦手意識のある企業にとっても大いに参考になるのではないだろうか。

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株式会社三条害虫

株式会社三条害虫

事業概要
1987年創業。新潟県内全域および隣県を中心に、害虫駆除・有害生物対策サービスや、飲食店の消毒作業などの衛生管理業務を提供。「確かな技術と真心で地域の生活環境を守る」を経営理念としており、新型コロナウイルスの流行が始まった当初、不安な状況下でも進んで店舗の消毒業務を担うなど、地域への貢献を社是として日々の業務に取り組んでいる。



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