太平電気株式会社
社用スマホ展開のネックとなっていた端末管理の課題を解消
アプリの一斉配布、紛失時のロックなどの一元管理を実現
太平電気株式会社
常務取締役
木村厚氏
「現在も委員会の主導で社員の声を反映した社用スマホのアップデートは続いています。社員たちが率先して考え、意見を上げてくるようになり、業務をいい方向に進めていく流れは頼もしいと思います」
太平電気株式会社
総務部
執行役員 部長
中野忠孝氏
「今後は健康経営の観点から感染症、熱中症の対策になるヘルスケア系のアプリも必要に応じて導入したいと考えています。やはり、遠隔からでも社用スマホに一斉にインストールできるのがいいですね」
課題
さらなる業務効率化に向けた社用スマホの全社導入を計画
安全対策など端末管理にかかる稼働が導入のネックに
1949(昭和24)年の創業以来、太平電気は70年以上にわたりゼネコンから電気工事業を請け負ってきたサブコン企業である。現在は東北一円と東京に支社、営業所を展開し、企画、設計、施工、メンテナンスの一貫した体制を整えることで幅広いニーズに迅速に対応している。同社では多様化する時代のニーズに技術力と創造力で応え続ける「報恩感謝」の精神のもと、DXなどの技術変革を積極的に取り入れ、社員一人ひとりの技術提案力を高め、持続的成長を続ける会社を目指している。
「DXなどの技術変革を積極的に取り入れる一環として、私たちは業務で活用するITツールなどを審議する委員会を立ち上げており、社員の意見を吸い上げて業務の改善、改革につなげるツールを導入する取り組みを進めています。顧客先の商談、現場での電気工事など、社外での業務が多いため、かなり早い段階から社用携帯を導入、活用しています」と語るのは常務取締役の木村厚氏(以下、木村氏)だ。
建設業界では高齢化や労働人口の減少に伴う人材不足で長時間労働が常態化している課題を抱えており、2024年の働き方改革法の施行により状況は深刻化している。同社では健康経営優良法人の認定、ITツールの積極的な導入などにより若手人材の獲得に注力してきた。「最近の建設業界では人材の高齢化が進み、若手の離職率も高くなっているため、極力、働きやすい環境をつくり、やる気、モチベーションを高めるために、木村の申し上げた社員の意見を迅速に反映する取り組みは人材確保の観点からも非常に重要な意味を持ちます」と総務部 執行役員 部長 中野忠孝氏(以下、中野氏)は続ける。
しかし、従来の社用携帯に問題がなかったわけではない。「2つ折りのガラケーを活用していたのですが、個人用の端末を使い続ける社員、社用の端末を個人で使う社員などもいて、まったく管理ができていない状況でした。昔は社用の番号を個人に払い下げることも多かったのですが、特殊詐欺のような犯罪が増えて徐々に払い下げが困難になってきたため、きちんと公私を分離した端末活用が必要だったのです。加えて、弊社の委員会主導で新しいソフトウェア、技術、通信を活用した業務の需要も高まってきたため、社用端末をスマホに切り替える必要も出てきました。しかし、社員のデジタルスキルによって使える人とそうでない人の差が出てしまう、アプリを好き勝手に入れられるとおもちゃになって生産性が下がってしまう、端末の紛失による情報漏えいリスクなど、端末管理を担う情報システム部門がクリアすべき課題は多かったのです」と中野氏は悩みを明かす。
対策
ドコモビジネスの総合力を評価し、MDMと端末の導入を決断
テスト運用を経てキッティング済みの社用スマホを一斉配布
社用スマホの全社導入に向け、同社では生産性や安全性を担保する管理方法を模索していた。もともと、会社のPCにはIT資産管理ソフトを導入しており、当初は同じメーカーのスマホ、タブレット端末用のMDMを活用する案も俎上に載せられていた。「PCと一緒のツールを使った方が便利と思い、提案を受けたのですが、あまり私たちのニーズを満たす内容ではありませんでした。そんな矢先、ドコモビジネスから提案があり、サービスの機能面はもちろん、端末とサービスを合わせて一括で提供していただけること、通信キャリアとしての安心感があることなどを評価して導入を決めました」(木村氏)
同社が選んだドコモビジネスの「あんしんマネージャーNEXT」は、国産MDM「CLOMO MDM」をベースに独自の改良を加えたMDMサービス。複数デバイスに業務用アプリを一斉配信・更新でき、デバイス・アプリの機能制御、パスコードの強制設定など、さまざまなITポリシーの反映を遠隔から行えることに加え、遠隔制御によりスマホの紛失・盗難対策および運用効率化が行えることが大きな特長になっている。
「まずはパスワードによる画面のロック、アクセスの制御など、ドコモビジネスから企業が利用する際のノウハウの説明をいただきながら、一緒に試験端末の土台を構築しました。その上で私と委員会の技術スタッフが連携して現場の取引先、協力会社が利用しているアプリを踏まえて業務に必要なものをインストールし、ノーメンテで最初から使える数台の試験端末を使いながら、細かい調整を行いました」(中野氏)
1カ月にわたるテスト運用の結果、想定通りの仕上がりになったため、同社では一部の内勤者を除く全社員に社用スマホを一斉配布した。「すべてキッティング済み、電源を入れればすぐに使える状態で全社員に配布したため、とくに大きな混乱もなくスムーズに導入は完了しました」(中野氏)
効果
委員会を軸に社用スマホ活用のアップデートが進行中
社員に「なにもさせない」コンセプトで新機能の実装へ
同社の社用スマホの最大の特長は、「あんしんマネージャーNEXT」により一括管理できることだ。必要な業務アプリが一斉配布されるため、社員側には設定などの負荷はいっさいかからない。その分、本来の業務に注力できる環境ができているという。もちろん、業務に無関係のアプリのインストールも制限され、業務の生産性が下がる懸念も払しょくされている。さらに端末の紛失・盗難時には即座に端末に遠隔からロックをかけられるため、個人情報などの漏えい対策も強化された。
「加えて、こちらの想定以上の効果も生まれています。現場で働く社員たちからの要望がどんどん委員会に上がってくるようになり、都度、必要な業務アプリを社員たちのスマホに反映させるプロセスが回るようになりました。現場の取引先、協力会社が活用する業務アプリのトレンドをいち早くキャッチアップできるようになったことは大きな収穫ですね」(木村氏)
「スマホのテザリング機能でPCを操作して出先から社内システムの日報登録ができるため、現場から会社に戻らず直帰できるようになり、労働時間を削減する効果も出ています。ここを起点として、健康経営に資する、さらなる働き方改革を進めていきたいと考えています」(中野氏)
さらなる業務の効率化に向け、現在、中野氏はテザリングで社内ネットワークへ安全にアクセスできるよう、VPN機能の全面改修を進めている。「あくまで社用スマホ運用のコンセプトは、利用する社員になにもさせない、手を煩わせずに使ってもらうことです。VPN機能の使用には、いろいろな証明書ファイルや設定が必要になるのですが、現在は本実装に向けて自動インストールの実証実験を進めています。うまく実装できれば新しく利用できる仕組みがもっと拡大すると見込んでいます。今後もドコモビジネスにご協力いただきながら、業務負荷の軽減やBCP対策を見据えたスマホの内線化など、社用スマホを中心としたITの利活用をどんどんアップデートしていきたいと考えています」(中野氏)
導入サービス
ドコモのMDM(モバイルデバイス管理)サービス「あんしんマネージャーNEXT」は、スマートフォンなどモバイルデバイスのセキュリティ対策と効率的な管理を実現するサービスです。
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太平電気株式会社
事業概要
電気工事業として企画、設計、施工、メンテナンスの一貫体制を整え、昨今では最新のITを活用したスマートグリット化を支える再生可能エネルギー導入と省エネルギー事業の拡大にも注力している
URL
http://www.taiheidenki.co.jp
(PDF形式/324 KB)
(掲載内容は2024年9月現在のものです)
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